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お知らせ・院長ブログ

ピロリ菌と胃がんの関係性について

  • 執筆者の写真: くりた内科・内視鏡クリニック
    くりた内科・内視鏡クリニック
  • 2025年11月29日
  • 読了時間: 17分

胃がん撲滅に向けたリスク評価の重要性


胃がんは、かつて日本人の死亡原因の第1位を占めていた悪性疾患です。その後の医療技術の進歩や検診の普及により年齢調整死亡率は低下したものの、国立がん研究センターの統計によると、現在もなお罹患数では男性で1位、女性で3位、合計で2位と上位を占めており、胃がん予防対策は我が国の医療における長年の大きな課題であり続けています。


1983年にヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori, Hp)菌が発見されて以来、胃がん予防対策は新たな展開を迎えました。その後の世界的な研究により、Hp感染が慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、そして胃がんの最大の原因であることが明確になったからです。このHp菌は、1994年に世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)によって、「明確な発がん作用がある細菌(definite carcinogen)」として認定されました。これは、喫煙が肺がんに対して持つリスクと同レベルの重要性を持つと認識されており、Hp感染への対策が胃がん予防の鍵であることが世界的なエビデンスに基づいています。


現代の胃がん予防における課題は、Hp菌の感染率が低下している一方で、感染によって既に胃粘膜にダメージが蓄積されているハイリスク群をいかに特定し、適切な精密検査へと導くかという点にあります。この課題に対する答えの一つが、健康診断や人間ドックで広く活用されている「ピロリ抗体検査」や、それを発展させた「胃がんリスク層別化検査」(ABC検診)です。本稿では、これらの血液検査の意義を深く解説し、さらに、除菌治療が成功した患者様が次に取るべき最も重要な予防戦略について、専門医としての見解を詳細にお伝えします。




ヘリコバクター・ピロリ(Hp)菌とは?


胃がんの最大の原因であり、胃の健康を考える上で切り離せない存在であるヘリコバクター・ピロリ菌は、どのような特徴を持ち、どのようにして人に感染するのでしょうか。


Hp菌の性質と胃内での生存戦略


ヘリコバクター・ピロリは、1983年にオーストラリアの医師らによって発見された、グラム陰性の微好気性の桿菌です。この菌の最大の特徴は、人の胃という非常に酸性の強い過酷な環境下で生き残る能力を持っている点です。


  • ウレアーゼ活性

    Hp菌はウレアーゼという強力な酵素を生成します。この酵素は、胃の中にある尿素を分解し、アンモニアを生成します。アンモニアはアルカリ性であるため、Hp菌は自身の周囲の胃酸を中和し、自らの生息域を確保することで、胃の粘膜に潜り込んで慢性的な炎症を引き起こします。


この持続的なHp菌の感染が、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、そして胃がんへとつながる最大の原因となります。また、1994年には世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)によって、Hp菌は「明確な発がん作用がある細菌(definite carcinogen)」として認定されています。



感染経路の現況:乳幼児期の家族内感染


Hp菌は、主に免疫機能が未熟な5歳くらいまでの乳幼児期に感染が成立すると考えられています。一度感染が成立すると、除菌治療などを行わない限り、胃粘膜に棲みつき続ける持続感染となり、胃がんのリスクに影響を及ぼします。


しかしながら、Hp菌がいつ、どのように感染するかについては、明確な感染経路はまだ特定されていません。


  • 水系感染から家族内感染へ

    かつて、上下水道などの衛生インフラが十分に整備されていなかった時代には、糞便などが上水に混入することによる水系感染が主な感染経路であった可能性が示唆されていました。実際に、1950年代以前に生まれた世代では感染率が高くなっています。


  • 現在の主流は家族内感染

    戦後の衛生環境の劇的な改善により、若年層の感染率は著しく低下しており、水系感染は稀になっています。このため、現在の主な感染経路は、主に乳幼児期に両親や祖父母などからの家族内感染であると考えられています。




胃がん撲滅の挑戦:Hp菌とリスク評価の進化


胃がん対策の転換期と胃カメラ検査の役割


従来の胃がん検診は、主にバリウムを用いる上部消化管X線検査が中心でしたが、平成28年(2016年)2月に厚生労働省の指針が改正され、胃がん検診の方法として上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)も正式に認められました。


内視鏡検査は、胃X線検査に比べて直接的に粘膜を観察できるため、診断精度が高いと認識されています。しかし、かつての胃X線検査の有効性を示す研究は、ほとんどの対象者がHp感染者であった時代に実施されたものでした。現在、上下水道などのインフラ整備が普及した結果、特に若い世代でHp感染率が顕著に低下しており、すべての対象者に画一的に胃X線を行うことが、効率的とはいえなくなってきています。


このような時代背景のもと、胃がん対策は、単純に画像検査を行うだけでなく、「誰が最も胃がんになりやすいか」を特定し、医療介入をハイリスク群に集中させる、リスク層別化の時代へと移行しています。



リスク評価検査導入の背景:検診から層別化へ


胃がんの発生には、Hp感染とそれに伴う胃粘膜の炎症や「萎縮」の進展が強く関与しています。萎縮の進展度合いは、胃がんの発生リスクと高い相関があることが複数の研究で示されています。


そこで、Hp感染の有無と、それによって引き起こされた胃粘膜萎縮の程度を、簡便な血液検査で間接的に評価しようとするのが、ABC検診です。この検査の導入により、胃がんリスクが極めて低いと考えられる群を絞り込み、内視鏡による精密な画像検査を真に必要とするハイリスク群(Hp感染者や萎縮が進展した群)に誘導することが可能となり、検診の効率性と早期発見の可能性を向上させることが期待されています。




ABC検診の科学的意義:リスクを「見える化」する血液検査


ABC検診(胃がんリスク層別化検査)の定義と構成要素


ABC検診は、「ヘリコバクター・ピロリ抗体価」と「血清ペプシノゲン(PG)値」という、非侵襲的で簡便な2種類の血液検査の結果を組み合わせて、受診者の胃がんリスクをA~D群に層別化する方法です。


Hp抗体価の役割:感染の有無

血中Hp抗体検査は、Hp菌に感染しているか、あるいは過去に感染していたかを判定する最も簡便なスクリーニング方法です。抗体価が陽性であれば、Hp菌に現感染している、または既感染である可能性が高いと判断されます。なお、抗体価の判定基準については、抗体価が低い場合でも現感染が含まれている可能性があるため、胃がんリスクが低いと判定してはいけないという注意喚起も出されています。


ペプシノゲン(PG)値の役割:萎縮の評価

ペプシノゲン(PG)は胃の消化酵素ペプシンの前駆体で、胃粘膜の萎縮を間接的に評価するためのマーカーです。PG法は、胃底腺から分泌されるPGIと、主に幽門腺から分泌されるPGIIの比率(PGI/II比)とPGIの値を組み合わせて評価します。


Hp感染が進行し、胃粘膜の炎症・萎縮が進展すると、胃底腺が減少するためPGIの値が低下し、それに伴いPGI/II比も低下します。一般的に、PGI < 70 ng/mLかつPGI/II比 < 3.0をPG法陽性とし、中等度以上の胃粘膜萎縮があると判断され、胃がん高リスク群と見なされます。



各分類群が示す胃粘膜の状態と胃がんリスク


ABC分類は、Hp抗体とPG法の組み合わせにより、胃粘膜の「健康度」をA群からD群へと段階的に評価します。


理論的には、A群はHp未感染の正常胃、B群はHp感染による炎症はあるが萎縮は軽度の胃、C群はHp感染に伴い萎縮が中等度以上に進展した胃、そしてD群は高度な萎縮によってHp抗体さえも陰性化したか、非常に高リスクな胃粘膜状態であると推定されます。


大規模な人間ドック受診者を対象とした研究では、胃がん発見率に明確な差が認められました。A群(未感染)からは胃がんが発生しなかった(発見率0%)のに対し、C群(高度萎縮)では1.87%の胃がん発見率が示されています。このデータは、ABC分類が胃がんリスクの層別化において有効であることを科学的に裏付けています。


ABC検診による胃がんリスク層別化の概要

分類群

Hp抗体

PG法

胃粘膜の状態(推定)

胃がんリスク(未感染者比)

A群

陰性 (-)

陰性 (-)

Hp未感染(正常胃)

低 (ほぼゼロ)

B群

陽性 (+)

陰性 (-)

Hp現感染、胃炎あり、萎縮は軽度

C群

陽性 (+)

陽性 (+)

Hp現感染、萎縮が進展した状態

D群

陰性 (-)

陽性 (+)

高度萎縮により抗体が陰性化(または自己免疫性胃炎)

最も高い (要精密検査)



ABC検診は「始まり」であり「終わり」ではない


ABC検診は、どの群に属するかによって、その後の予防戦略が決定的に異なります。B群、C群、D群と判定された方、あるいはHp抗体陽性であった方は、胃がん発生のリスクが高い状態にあるため、「精密検査(二次検診)」、すなわち胃カメラ検査の対象となります。


ここで最も重要な点は、ABC検診はあくまで「胃がんになりやすいかどうか」のリスクを評価するスクリーニング検査であり、胃の中に現在がんや潰瘍が存在するかどうかを診断することはできないということです。リスクが高いと判定された場合、実際に胃粘膜がどのような状態にあるのか、そして早期病変がないかを正確に確認するためには、内視鏡による直接観察が不可欠です。




ABC検診「陽性」後の壁:なぜ二次検診(胃カメラ)が必須なのか


二次検診受診率が低いという深刻な課題


Hp感染症への関心が高まり、オプション検査の実施が増えたにもかかわらず、精密検査(二次検診)の実施率は極めて低いのが現状です。ある健診センターの調査では、Hp抗体陽性者における二次検診実施率は5割以下にとどまりました。


これは、多くの受診者が「Hp感染症への意識は高まっていても、二次検診の必要性を感じず中途半端な状態で健診を終えている」という深刻な状況を示しています。



受診者が抱える抵抗感と精密検査への誘導


二次検診の受診率が低い最大の要因は、内視鏡検査に対する身体的・心理的な不安です。症状がない検診目的の場合、内視鏡検査への抵抗が強いため、検査を敬遠してしまう傾向があります。また、二次検診は保険適用となるものの、除菌治療後の再検査や通院、自己負担金など、時間的・費用的な制約も抵抗感につながっています。



くりた内科・内視鏡クリニックが二次検診で果たす役割


くりた内科・内視鏡クリニックでは、ABC検診の結果に基づきハイリスクと判定された患者様に対して、「検査をして満足している状況」を是正し、正しい知識の普及に努めることが、胃がん撲滅への近道であると認識しています。


Hp陽性者に対して、内視鏡検査は以下の二つの目的のために必須です。


  1. 保険診療への導入

    Hp感染が疑われる場合、保険診療で除菌治療を行うためには、上部消化管内視鏡検査を行い、Hp感染胃炎の有無を確認することが必須と定められています。


  2. 胃がんの早期除外診断

    Hp感染胃炎というリスクの高い土壌に、既に胃がんが発生していないかを、内視鏡で隈なく確認することが絶対条件となります。


当院では、二次検診の重要性を徹底的に説明し、内視鏡による胃粘膜の炎症・萎縮の状態(胃炎の京都分類など)を正確に評価することで、胃がんの早期病変がないことを確認した上で、安全に除菌治療へとシームレスに誘導する体制を整えています。




患者様の不安を解消する:苦痛の少ない高精度内視鏡検査


内視鏡検査への抵抗感を解消することが、二次検診受診率向上、ひいては胃がんの早期発見につながります。当クリニックでは、患者様の負担を最小限に抑えつつ、最高精度の検査を提供できるよう努めています。


優しい検査環境の提供:鎮静法と経鼻内視鏡の活用


症状がない検診目的の患者様にとって、内視鏡検査に対する抵抗は大きな問題です。嘔吐反射や苦痛、身体的・心理的負担が強い場合、十分な観察ができず、検査の精度が低下する懸念があります。

当院では、患者様一人ひとりの状態に応じて、検査方法を選択できます。


  • 鎮静下内視鏡(麻酔下胃カメラ)の選択

     不安が強い場合や、反射により観察が難しい症例では、鎮静剤・鎮痛剤の使用を考慮し、検査に伴う苦痛や不安を大幅に軽減します。鎮静法を用いる場合でも、当院では呼吸・循環状態の管理を徹底し、安全性を最優先した体制で、熟練した医師が検査を行います。


  • 経鼻内視鏡の普及

    近年、画質の向上した経鼻内視鏡は、鎮静薬を使用することなく、嘔吐反射を招きにくい方法として人間ドックにおいても普及が期待されています。



早期がん発見精度を極限まで高める最新技術


内視鏡は侵襲的検査であるため、「やりっぱなし」で終わってはなりません。当院では、日本消化器内視鏡学会専門医など、習熟した専門医が担当し、食道、胃、十二指腸を隈なく網羅的に観察します。

さらに、早期の微細な病変を見落とさないために、最新の画像強調観察技術(NBI, BLI, LCIなど)を積極的に活用しています。これらの技術は、通常の白色光観察では見分けにくい、微細な粘膜模様の変化や病変境界、そして胃がんの発生に関わる腸上皮化生を明確に認識することを可能にします。特に、微細ながんの拾い上げや、胃炎所見の詳細な評価において、最新の画像強調観察は不可欠です。当クリニックでは、最新の機器と熟練した技術を組み合わせることで、患者様が安心して高精度の検査を受けられる環境を整えています。




【除菌治療成功者へ】抗体検査・ABC検診の「意義が乏しい」理由(最重要テーマ)


ここからは、Hp除菌治療をすでに受けられた患者様に対し、当院が最もお伝えしたい重要なメッセージです。


除菌治療は「1.5次予防」:リスクは低下するがゼロではない


Hp除菌治療は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発抑制に加え、胃がんの発生リスクを低下させる「1.5次予防」として積極的に推奨されています。特に早期胃がん内視鏡治療後の患者においては、二次がん発生率が有意に低下することが報告されており、胃がん予防における除菌の重要性は揺るぎません。


しかし、除菌が成功したからといって、胃がん発生リスクがHp未感染者と同レベルになるわけではありません。除菌後の胃がん発見率は、Hp現感染者に比べて半減するものの、年間0.2%程度であり、除菌後も医療が終了するわけではありません。特に、除菌前の胃粘膜萎縮が高度なグループ(ABC分類でC群・D群相当)は、除菌後10年以上経過しても胃がん発生に留意してサーベイランスを継続する必要があることが、研究で示されています。



除菌後の血液検査が与える「偽りの安心」のメカニズム


除菌治療に成功した患者様が、健康診断や人間ドックでオプションとしてピロリ抗体検査やABC検診を再度受けることは、胃がん予防の観点から見て、その意義が極めて乏しいと専門医として強く推奨します。それどころか、検査結果が「偽りの安心」を与え、本当に必要な定期的な内視鏡検査を怠らせる危険性があります。


抗体価とPG値の変動:リスク評価の崩壊

除菌後のABC検診が信頼性を失うのには、明確な理由があります。


  • Hp抗体価の低下

     除菌に成功すると、Hp菌が消失するため、血液中の抗体価は徐々に低下し、時間の経過とともに陰性化することが多いです。


  • ペプシノゲン(PG)値の変動

    除菌により胃粘膜の炎症が改善すると、PGI/II比が上昇します。これにより、たとえ高度な胃粘膜萎縮が残存していたとしても、PG法が陰性(ハイリスク判定から外れる)となってしまうケースがほとんどです。


ABC分類のパラドックスと偽りのA群判定


ABC分類は、現在の「感染状態」や「炎症状態」に強く依存しています。そのため、除菌治療に成功した既感染者が血液検査を受けた場合、その多くはリスクが低いとされる「A群」に誤って分類されてしまいます。


胃がんのリスクを決定づけるのは「除菌前に蓄積された胃粘膜の萎縮度」であるにもかかわらず、除菌後の血液検査の結果は、この蓄積された高リスク状態を反映できません。除菌治療の既往がはっきりしている受診者は、ABC分類の原則として「E群(Eradication群)」として分類対象から外すことが推奨されています。



くりた内科からの強烈な推奨:定期的な胃カメラ検査へ


除菌後の患者様がオプションでABC検診を追加する意義は極めて乏しく、代わりに胃粘膜の状態を直接確認できる定期的な内視鏡検査(胃カメラ)こそが、唯一確実な胃がん予防戦略であるとご理解ください。


除菌後の検査戦略の比較

検査項目

除菌成功後における意義

除菌後胃がん発見能力

当院の推奨(除菌後の方へ)

ピロリ抗体/ABC検診

データが変動し、真のリスクを反映しにくい 

意義が乏しい 

オプションでの追加は推奨しません

定期的な高精度内視鏡検査

胃粘膜の回復状況と残留病変の確認、除菌後胃がんの早期発見

非常に高い (唯一の手段) 

必ず定期的に受けてください




除菌後胃がんの早期発見戦略:定期的な高精度内視鏡サーベイランス


除菌後胃がんのステルス性


除菌後胃がんは、通常のHp現感染者の胃がんと比較して、内視鏡での発見が極めて難しいという特殊な「ステルス性」を持つことが知られています。


  • 形態の特殊性

    平坦型や陥凹型が多く、周囲の胃炎や腸上皮化生に紛れて、胃炎に似た構造を示すことが多いです。このため、注意深く観察しないと、周囲の粘膜変化として見逃されてしまう危険性があります。


  • 浸潤性胃がんの特殊な発生傾向

    最近の研究では、粘膜下層以深に浸潤する悪性度の高い胃がんほど、除菌後の胃粘膜に特有な所見である地図状発赤(MLR)が確認できないことが多く、さらに胃の上部に発生しやすいという特徴が示唆されています。胃の上部はスコープの操作が難しく、見逃されやすい部位であるため、専門的な技術が求められます。



くりた内科が提言する「究極の予防戦略」


Hp除菌後の患者様は、リスクが残る「ハイリスク集団」であり、内視鏡による長期的なフォローアップ(サーベイランス)を受ける必要があります。除菌後胃がんのステルス性を克服し、確実に早期発見するためには、専門医による高度な内視鏡技術と、個別化されたサーベイランス計画が必要です。


高度な内視鏡技術の駆使


当院では、除菌後胃がん特有の微細な変化を見逃さないため、以下の点に注力した検査を実施しています。


  • 画像強調観察の徹底

    最新のNBIやBLI、LCIなどの技術を用いて、平坦な病変のわずかな色調の変化や、周囲の腸上皮化生との境界を明確に評価します。


  • 胃上部の丁寧な観察

    浸潤性胃がんが発生しやすい胃上部(噴門部、穹窿部)は、スコープを反転させるなどして、特に丁寧かつ網羅的な観察を徹底します。


  • 胃粘膜萎縮度の逐年評価

    除菌後も胃粘膜萎縮の拡がり(木村・竹本分類など)や、内視鏡的胃がんリスクスコア(京都分類スコア)を詳細に評価し、リスクの変動を長期的に追跡します。


個別化されたサーベイランス計画


胃がん予防は長期的な取り組みであり、除菌治療が成功した後も、人間ドックや健診の場に戻り、専門医による定期的な内視鏡サーベイランスを継続することが、胃がん撲滅に向けた最も確実な道筋です。当院では、除菌前の萎縮の程度やリスク因子に基づき、患者様一人ひとりに合わせた最適な検査間隔を提案し、長期にわたる胃の健康管理をサポートいたします。




まとめと受診のすすめ


ABC検診の正しい活用法


健康診断や人間ドックにおけるピロリ抗体検査やABC検診は、受診者が自身の胃がんリスクを簡易的に把握し、精密検査が必要なハイリスク群を特定する上で、非常に有用なスクリーニングツールです。


ABC検診でB群、C群、D群と判定された方、あるいはピロリ抗体陽性であった方は、胃がん発生のリスクが高い状態にあることを示唆しています。血液検査の結果を適切に活用し、胃がんの撲滅を目指すためには、「精密検査」(内視鏡)という次のステップへの移行が必須です。



くりた内科・内視鏡クリニックは胃がん撲滅のパートナーです


くりた内科・内視鏡クリニックでは、ABC検診の結果に基づいた適切な二次検診の実施から、保険診療と連携したHp除菌治療、そして最も重要な除菌後の長期的なサーベイランスまで、患者様の胃の健康をトータルでサポートする体制を整えています。


特に、内視鏡検査に対する身体的・心理的な抵抗を理解し、鎮静下内視鏡や経鼻内視鏡など、患者様に寄り添った苦痛の少ない検査方法を提供することで、二次検診の壁を乗り越えていただくことを目指しています。



胃の健康を守るために、まずご相談ください


以下のいずれかに該当される方は、血液検査の結果に依存せず、胃の専門医による高精度な内視鏡検査を受けることが、最も安全で確実な予防法です。


  • ABC検診でB群、C群、D群と判定された方

  • ピロリ抗体検査で陽性となった方

  • 過去にピロリ菌の除菌治療を受けた方(除菌後の定期内視鏡検査は必須です!)


Hp除菌治療の既往がある患者様が、オプションでピロリ抗体やABC検診を追加する意義は極めて乏しく、むしろ検査結果によって誤った安心感を抱き、本当に必要な定期的な内視鏡検査を怠る危険性があります。


胃がん撲滅に向けた取り組みは、リスク評価からサーベイランスまで一貫した専門管理が鍵となります。当院では、患者様一人ひとりのリスクに応じた最適なサーベイランス計画をご提案し、胃がん撲滅に向けた取り組みを強力にサポートいたします。健やかで安心できる生活を送るため、まずはご自身の胃粘膜の状態を確認し、適切な予防戦略を始めるため、お気軽にご予約ください。


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