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お知らせ・院長ブログ

便潜血陽性の通知が届いたあなたへ:放置してはいけない理由と、当院が提供する「痛くない」精密検査のすべて

  • 執筆者の写真: くりた内科・内視鏡クリニック
    くりた内科・内視鏡クリニック
  • 2025年12月5日
  • 読了時間: 10分


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その「陽性」通知、ゴミ箱に捨てようとしていませんか?


「会社の健康診断で『便潜血陽性』という結果が出た」 「自治体のがん検診で『要精密検査』という封筒が届いた」

今、このブログを読んでいるあなたは、少なからず不安な気持ちを抱えながら、スマートフォンやパソコンで検索をされたことでしょう。「まさか自分が」「痔があるからそのせいだろう」「忙しいから今はいいや」……そんな思いが頭をよぎっているかもしれません。


くりた内科・内視鏡クリニック院長の栗田です。 消化器内科医として日々多くの患者様の診療にあたる中で、私が最も悔しい思いをする瞬間があります。それは、「もっと早く検査を受けていれば、内視鏡だけで完治できたのに」という進行がんの患者様に出会った時です。そして、その多くの方が、「以前、便潜血陽性と言われたけれど、症状がないから放置していた」という経験をお持ちなのです。


この記事では、なぜ便潜血検査が陽性になったのか、その医学的な意味と、放置することのリスク、そして当院で行っている「苦痛の少ない大腸カメラ」について、最新の英語論文(エビデンス)に基づき、徹底的に解説します。6000文字を超える長文ですが、あなたの健康と未来を守るために必要な情報をすべて詰め込みました。どうか最後までお付き合いください。




そもそも「便潜血検査」とは何を調べているのか?


多くの人が誤解していますが、便潜血検査は「大腸がんがあるかどうか」を直接判定しているわけではありません。



ヒトの血液だけに反応する免疫学的検査


現在、日本で主に行われている便潜血検査は「免疫学的便潜血検査(FIT: Fecal Immunochemical Test)」と呼ばれます。これは、便の中に「ヒトのヘモグロビン(血液成分)」が混じっているかどうかを、抗体を用いて調べる検査です。


かつて行われていた化学的潜血反応(グアヤック法)は、食事(肉類やホウレンソウなど)に含まれる血液やペルオキシダーゼにも反応してしまう欠点がありましたが、現在主流のFITは「ヒトの血液」に特異的に反応します。つまり、検査前に食事制限をする必要がなく、非常に精度高く「下部消化管(大腸・肛門)からの出血」を検出できるのです。



なぜ「陽性」になるのか?


便が大腸の中を通過する際、がんやポリープがあると、便との摩擦によって病変の表面から微量な出血が起こります。便潜血検査は、目には見えないレベルの微量な血液(潜血)を検出するものです。

しかし、ここで重要なのは「出血の原因はがんだけではない」ということです。 便潜血陽性の原因には以下のようなものがあります。


  • 大腸がん(進行がん・早期がん)

  • 大腸ポリープ(前がん病変含む)

  • 痔核(いぼ痔)・裂肛(切れ痔)

  • 大腸憩室症(腸の壁の小さなくぼみ)

  • 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)

  • その他(虚血性大腸炎、直腸粘膜脱症候群など)


「なんだ、がん以外でも陽性になるのか」と安心するのは時期尚早です。問題は、「検査結果だけでは、がんによる出血なのか、痔による出血なのかを区別することは不可能」だという点です。




数字で見る「便潜血陽性」の真実


ここからは、感覚的な話ではなく、実際のデータ(エビデンス)に基づいて解説します。



便潜血陽性の人のうち、実際に「がん」である確率


一般的に、便潜血検査で「陽性」となる人の割合(陽性率)は、受診者全体の約5〜7%程度と言われています。では、陽性となった人の中で、実際に精密検査(大腸カメラ)を行って病気が見つかる確率はどれくらいでしょうか?


複数の研究やデータを総合すると、便潜血陽性の方の内訳はおおよそ以下のようになります。

発見される病変

確率(目安)

解説

大腸がん

約 3 〜 5 %

決して低い数字ではありません。

大腸ポリープ

約 30 〜 50 %

将来がん化するリスクのある「腺腫」が多く含まれます。

その他の病変・異常なし

約 40 〜 60 %

痔や憩室、あるいは原因不明の一過性の出血です。


この数字を見て、「95%以上の人はがんじゃないんだ」とポジティブに捉えるか、「20人に1人はがんなのか」と捉えるかは人それぞれです。しかし、医学的に重要なのは「ポリープが約半数の人に見つかる」という事実です。 大腸がんの多くは、良性のポリープ(腺腫)を経て、年月をかけてがん化します(Adenoma-Carcinoma Sequence説)。つまり、この段階でポリープを発見し切除することは、将来の大腸がんを予防する最良の手段なのです。



「1回だけ陽性」なら大丈夫?(2日法について)


日本の検診では、2日分の便を提出する「2日法」が一般的です。よくある質問に「1回目は陰性で、2回目だけ陽性でした。たまたま切れただけだと思うので、様子を見てもいいですか?」というものがあります。


答えは「絶対にNO(要精密検査)」です。


大腸がんやポリープからの出血は、常にダラダラと続いているわけではありません。便が通過するタイミングで擦れて出血することもあれば、全く出血しない日もあります。これを「間欠的出血」と言います。 実は、進行大腸がんがある場合でも、1回の便潜血検査で陽性に出る確率は約60〜80%程度です。早期がんに至ってはもっと低くなります。 2回検査を行うのは、この「見逃し」を減らすためです。したがって、2回のうち1回でも陽性が出たということは、「出血源がある可能性が極めて高い」ことを意味します。


「1回だけ陽性」の人と「2回とも陽性」の人を比較した研究では、確かに2回陽性の方ががんの確率は高まりますが、1回陽性の方からも一定の頻度で進行がんが見つかっています。自己判断での放置は極めて危険です。




最も危険な「痔だから大丈夫」という思い込み


外来で診察していると、「私は昔から痔持ちなので、今回の陽性も痔のせいだと思います」とおっしゃる患者様が非常に多くいらっしゃいます。 これを私たちは「痔主(じぬし)の落とし穴」と呼んで警戒しています。



痔と大腸がんは共存する


ここが一番のポイントです。「痔がある」ことと「大腸がんがない」ことはイコールではありません。 痔からの出血がある人が、同時に大腸の奥にがんを抱えていることは、年齢を重ねれば重ねるほど珍しいことではなくなります。便潜血検査では、その血が「お尻の出口(痔)」から出たものか、「大腸の奥(がん)」から出たものかを判別できません。



もう一度便潜血検査を受けても意味がない


「不安なので、もう一度便潜血検査を受けて、陰性だったら安心してもいいですか?」 これも非常によくある質問ですが、医学的には「再検査は無意味であり、推奨されない」と断言できます。


もし再検査をして「陰性」が出たとしましょう。それは「がんが治った」ことを意味するのではなく、単に「その日は出血していなかった(偽陰性)」だけである可能性が高いのです。一度でも陽性が出た以上、大腸の中に何らかの出血源があるリスクは払拭されません。陽性が出た後の正しいアクションは、再度の便検査ではなく、大腸カメラによる視覚的な確認一択です。




なぜ精密検査は「大腸カメラ(大腸内視鏡)」一択なのか?


精密検査として、CT検査や注腸バリウム検査を希望される方もいらっしゃいますが、当院では(特別な事情がない限り)大腸カメラを強く推奨しています。



確実性が段違いである


Lee JKらのシステマティックレビューやその他の研究でも示されている通り、FIT(便潜血検査)は大腸がんのスクリーニングとして非常に優秀ですが、あくまで「拾い上げ」の検査です。 確定診断において、大腸カメラ(Colonoscopy)はゴールドスタンダード(最も確実な検査法)とされています。


  • CT検査

    大きな進行がんは映りますが、平坦な早期がんや5mm程度のポリープは見逃す可能性が高いです。また、色(赤みや白っぽさ)を識別できません。


  • 注腸バリウム

    影絵を見る検査なので、便が残っているとポリープと区別がつかないことがあり、平坦な病変の発見は困難です。また、異常が見つかった場合は結局カメラを行うことになります。


  • 大腸カメラ

    医師が直接、粘膜の色や凹凸をハイビジョン画質で観察できます。数ミリの微細な病変も発見可能です。



その場で治療(ポリープ切除)ができる


最大かつ唯一のメリットは「治療介入ができる」点です。 検査中に前がん病変であるポリープ(腺腫)が見つかった場合、その場で切除(ポリペクトミー)を行うことができます。検査と治療が一度で済むため、患者様の身体的・時間的負担を大幅に減らすことができます。




くりた内科・内視鏡クリニックの大腸カメラは何が違うのか?


「大腸カメラが必要なのは分かった。でも、痛いのは嫌だ、恥ずかしい、怖い…」 そのお気持ちは痛いほどよく分かります。過去に辛い検査を経験されて、トラウマになっている方もいらっしゃるでしょう。


当院では、「また受けてもいいと思える内視鏡検査」を目指し、徹底した工夫を行っています。



鎮静剤を使用した「眠っている間の検査」


当院では、ご希望に応じて鎮静剤(静脈麻酔)を使用しています。ウトウトと眠っているような状態で検査を受けていただけるため、苦痛や恐怖感をほとんど感じることなく検査が終了します。「気づいたら終わっていた」と驚かれる患者様がほとんどです。



炭酸ガス(CO2)送気によるお腹の張りの軽減


通常の大腸カメラでは、腸を膨らませて観察するために空気を入れますが、これが検査後のお腹の張りや痛みの原因となっていました。 当院では、空気の代わりに、生体への吸収が極めて速い炭酸ガス(CO2)を使用しています。CO2は空気の約200倍の速さで吸収され、呼気として排出されるため、検査後のお腹の張りが劇的に軽減されます。



ストレスフリーな下剤内服環境とプライバシーへの配慮


大腸カメラで最も大変なのは、事前の下剤(腸管洗浄液)の内服かもしれません。当院では、飲みやすい下剤の種類の選択はもちろん、院内で下剤を服用できる専用スペースをご用意しています(※院内環境に応じて適宜変更・追記ください)。万が一の便意の際も、すぐにトイレに駆け込める環境を整え、プライバシーに最大限配慮しています。



経験豊富な医師による高精度な診断


最新の内視鏡システム(NBIや拡大観察機能など)を駆使し、微細な早期がんや発見しにくい平坦型ポリープ(SSA/Pなど)も見逃さないよう、詳細な観察を行っています。Corley DAらの研究によれば、内視鏡医の腺腫発見率(ADR)が高いほど、検査を受けた患者様が将来大腸がんで死亡するリスクが低下することが示されています。当院では、質の高い検査を提供することに全力を注いでいます。

当院の大腸カメラについての詳細は、以下のページもぜひご覧ください。




早期発見・治療のエビデンス 〜あなたの未来を守るために〜


最後に、なぜ私がこれほどまでに検査をお勧めするのか、その科学的根拠をお伝えします。



大腸がんは予防できるがんである


大腸がんは、ある日突然できるものではありません。多くは「良性のポリープ」から数年〜10年単位の時間をかけて「早期がん」、そして「進行がん」へと成長します。 つまり、ポリープの段階で切除してしまえば、大腸がんになるルートを断ち切ることができるのです。


大規模な研究(Zorzi M et al, Gut 2013)において、便潜血検査によるスクリーニングが導入された地域では、導入されなかった地域に比べて大腸がんによる死亡率が有意に低下したことが報告されています。これは、早期発見による治療介入が奏功した結果です。



早期発見なら生存率は極めて高い


日本のデータにおいても、大腸がんは早期(ステージ0〜I)で発見できれば、5年生存率は95%を超えます。内視鏡治療だけで完治し、お腹を切る手術も抗がん剤も必要ないケースがほとんどです。 一方で、症状が出てから発見される進行がんでは、治療は大掛かりになり、身体的・経済的負担も増大します。


「便潜血陽性」という通知は、不吉な知らせではなく、「今なら簡単に治せるかもしれないよ」「将来のがんを予防するチャンスだよ」という体からのサイン(命拾いのチケット)なのです。




予約の一歩を踏み出してください


ここまで読んでいただき、ありがとうございました。 便潜血陽性という結果を受け取った時の不安が、少しでも「行動への意欲」に変わっていれば幸いです。


「仕事が忙しいから来月でいいや」 その1ヶ月の先送りが、半年、1年となり、気づいた時には手遅れになってしまう。そんな悲しいケースを私はゼロにしたいと強く願っています。


くりた内科・内視鏡クリニックは、皆様が安心して検査を受けられるよう、スタッフ一同、温かい環境を整えてお待ちしております。 まずは一度、外来へご相談にお越しください。その一歩が、あなたの10年後の笑顔を守ります。


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