top of page
六地蔵の内視鏡クリニック.jpeg

Ultrasonic Testing

エコー検査

エコー検査とは

エコー検査(超音波検査)は、高周波の音波(超音波)を使用して体内の構造を画像化する安全で非侵襲的な検査です。プローブと呼ばれる装置を肌に当て、超音波を体に送信してその反射を解析することで、臓器や血管の状態をリアルタイムで観察できます。この検査は放射線を使用しないため、妊婦や子どもを含む幅広い人々に適しています。
当院では、一般的なエコー装置では対応していないSWE(Shear Wave Elastography)やATI(Attenuation Imaging)機能を備えた高性能の超音波診断装置を導入しています。特にATIは、これまで画像の色調変化のみで判断していた脂肪肝の診断を、数値データとして定量的に評価することができます。そのため、患者様にとってもご自身の肝臓の状態をより具体的に理解しやすく、経過観察もしやすくなっています。

肝臓の硬さを調べる検査(SWE) 

近年のメタボリック症候群の増加に伴い、脂肪肝患者が大幅に増加しています。脂肪肝から肝硬変へ進行するケースも多く見られ、さらに肝硬変から肝がんに至ることも重要な問題となっています。脂肪肝は、肥満や糖尿病、高脂血症、高血圧といったいわゆる生活習慣病に高い頻度で合併するとされており、日本人の約8人に1人が脂肪肝であると言われています。

また、日本糖尿病学会の報告では、糖尿病患者の肝がん発症率が通常の2~3倍に増加することが示されており、その背景に脂肪肝の存在が関与している可能性が指摘されています。このため、脂肪肝を適切に管理することが重要ですが、これまで脂肪肝の程度を数値化することは難しいとされてきました。

しかし、近年の超音波装置の進歩により、脂肪肝の数値化が可能となりました。当院では、キヤノンメディカルシステムズの最新式の超音波装置「Aplio me」を導入しており、肝腫瘍の診断はもちろん、肝硬変や脂肪肝の程度を数値化することが可能です。経時的にこれらの数値を追跡することで、改善状況が一目で分かり、患者様にとって大きなメリットがあります。

具体的には、肝硬変の程度を数値化するのがShear Wave Elastography(SWE)で、脂肪肝の数値を数値化するのがAttenuation Imaging(ATI)です。

SWEの原理

肝臓の線維化を評価することは、肝疾患の進行度を把握する上で重要な指標となります。非侵襲的に線維化を評価する方法としては、超音波エラストグラフィが用いられてきました。その中でも、SWE(Shear Wave Elastography)は超音波エラストグラフィの一つの手法です。

SWEの原理は、Push Pulseによって発生させた剪断波(shear wave)の速度(shear speed)を計測することで、精密な肝硬度値を反映するものです。この技術により、肝臓の状態を正確に把握することが可能です。

ATIの原理

脂肪肝では、肝深部のエコー信号強度が減衰し、描出が困難になることが知られています。この現象は、肝実質の組織構造や音響特性により減衰量が変化するためです。ATI(Attenuation Imaging)は、フォーカス依存によるビームプロファイルとゲイン補正によるビームプロファイルから抽出した信号強度の傾きを計測し、減衰係数を算出する技術です。この減衰係数を断層像にカラーマッピングすることで、視覚的に表示します。

図〇は実際の脂肪肝患者のATI計測画面を示しています。この計測では、血管や構造物をマッピングと計測領域から除外し、必要な部分のみを計測することが可能です。また、画面下には計測値が表示され、減衰係数の信頼性が色で示されるため、結果が非常に分かりやすくなっています。

脂肪肝の検査(ATI)

腹部US①_20241025000010006.JPG

腹部US①

腹部US②_20241025000010010.JPG

腹部US②

「腹部US①」の画像では、肝臓と腎臓を比べて肝臓が白くなっているので脂肪肝という診断になり、
「腹部US②」の画像ではATIを測定しています。0.96dB/cm/MHなので中等度脂肪肝ということになります。

bottom of page