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お知らせ・院長ブログ

いぼ痔・切れ痔の正しい知識と、隠れた病気の可能性~「もしかして痔かも?」そのお悩み、くりた内科・内視鏡クリニックが解決します!~

  • 執筆者の写真: くりた内科・内視鏡クリニック
    くりた内科・内視鏡クリニック
  • 7月9日
  • 読了時間: 12分
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はじめに:デリケートなお悩みに寄り添うクリニックとして

肛門に関する症状は、多くの方が他人に打ち明けにくいと感じ、一人で抱え込んでしまいがちです。しかし、痔は決して珍しい病気ではなく、日本人の約3人に1人が経験すると言われるほど身近なものです。大切なのは、その症状を放置せず、専門的な医療機関で適切な診断と治療を受けることです。

「きっと痔だろう」と自己判断してしまうことは、時に重大な病気の兆候を見過ごすリスクを伴います。肛門からの出血や痛みといった症状は、痔だけでなく、大腸がんや炎症性腸疾患など、早期発見が極めて重要な疾患のサインである可能性も秘めています。特に、直腸からの出血は鮮やかな赤色を呈することが多く、痔による出血と区別がつきにくい場合があります。このような症状の類似性から、ご自身の状態を過小評価し、専門医への受診が遅れてしまうケースも少なくありません。この遅れが、本来早期に治療可能であった病気の進行を許してしまうことにつながる可能性を考えると、肛門の症状は単なる局所の問題として片付けず、消化器全体の健康状態を示す重要な手がかりとして捉えるべきです。当院では、患者様が抱えるデリケートなお悩みに真摯に向き合い、安心してご相談いただける環境を整えております。経験豊富な消化器内視鏡専門医が、丁寧な診察と的確な診断・治療を提供いたします。



いぼ痔(痔核)と切れ痔(裂肛)の基礎知識

痔は大きく分けて3つの種類がありますが、中でも特に多く見られるのが「いぼ痔(痔核)」と「切れ痔(裂肛)」です。いぼ痔(痔核)は、肛門の内側や外側にできる腫れやこぶのことで、排便時の出血や、いぼが肛門から出てくる「脱出」が主な症状です。一方、切れ痔(裂肛)は、肛門の皮膚が切れたり裂けたりする状態を指し、排便時に伴う激しい痛みと出血が特徴です。特に、便秘で硬くなった便を無理に出そうとすることで生じやすいとされています。

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日常生活でできる予防と対処法(エビデンスに基づく)

痔の症状は、日々の生活習慣と密接に関わっています。適切な生活習慣を実践することで、症状の予防や緩和が期待できます。


排便習慣の見直

便意を感じたら我慢せず、速やかにトイレに行くことが大切です。排便時間は3分以内を目安とし、必要以上に力むことは避けましょう。排便後は肛門を清潔に保つことが重要ですが、強く拭きすぎず、優しくケアすることが推奨されます。


食生活の改善

便を柔らかくし、スムーズな排便を促すために、1日1.5~2リットルを目安に十分な水分を積極的に摂りましょう。ただし、カフェインを含む飲み物(緑茶、コーヒーなど)には利尿作用があるため、純粋な水分補給とは別に考える必要があります。食物繊維は便の量を増やし、腸の動きを活発にするため、玄米、雑穀米、全粒粉パン、野菜、果物など、不溶性食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂ることが推奨されます。また、朝食をきちんと摂ることで胃結腸反射が促され、自然な便意を感じやすくなります。インスタント食品、ファストフード、動物性タンパク質・脂肪、香辛料、冷たい飲食物、アルコールは腸内環境を悪化させ、痔の症状を悪化させる可能性があるため、摂取は控えめにしましょう。


その他の生活習慣

肛門周辺の冷えは血行不良を招き、痔を悪化させることがあります。体を温める服装を心がけ、入浴や座浴で肛門部を温めることが効果的です。湯温は38〜40度程度のぬるめのお湯が推奨されます。長時間の座りっぱなしや立ちっぱなしは肛門への負担を増やすため、適度に休憩をとり、体を動かすことが大切です。全身の血行を促進し、腸の動きを活発にするために、適度な運動を毎日行うことも推奨されます。精神的なストレスも便通に影響を与えることがあるため、ストレスを溜めない工夫も重要です。


薬物療法

市販薬も利用できますが、症状の緩和には専門医が処方する坐薬や軟膏、内服薬がより効果的です。しかし、薬物療法はあくまで症状を和らげるものであり、慢性的な痔核そのものを根本的に完治させる効果はありません。もし2~4週間薬を使用しても症状が改善しない場合は、治療方法の再検討が必要となります。


これらの生活習慣の改善と早期の薬物療法は、痔の治療において非常に重要な役割を担います。多くの研究が、保存的治療が痔の治療の主軸であると示しています。症状が出始めた初期段階で適切な対処を行うことで、痔が慢性化し、より複雑で侵襲的な治療(例えば手術)が必要となる状況を避けることができます。これは、患者様の身体的負担を軽減するだけでなく、治療にかかる時間や費用といった経済的な負担も大幅に減らすことにつながります。つまり、早期に専門医に相談し、適切な指導を受けることは、将来的な健康と生活の質を守る上で極めて賢明な選択と言えるでしょう。



「痔」だと思っていたら大腸の病気かも?

肛門からの出血や違和感は、痔の典型的な症状として知られていますが、実は大腸のより深刻な病気が原因である可能性も少なくありません。これらの症状は、専門医による詳細な検査がなければ正確な診断ができません。「いつもと違う」「おかしい」と感じたら、迷わず専門医の検査を受けることが重要です。


痔と症状が似ている大腸疾患の解説

特に注意すべきは以下の疾患です。

  • 大腸がん:肛門からの出血は痔と間違えやすい症状の一つです。痔があるからといって大腸がんの可能性がないわけではありません。便に血がつく程度の出血でも、大腸がんの可能性を疑うべきです。直腸からの出血は明るい赤色で、痔と見分けがつきにくいことがあります。

  • 大腸ポリープ:大腸の粘膜にできる隆起で、一部は将来的に大腸がんへ進行する可能性があります。血便が最も多い症状です。

  • 炎症性腸疾患(IBD - 潰瘍性大腸炎・クローン病):大腸に炎症が起こる病気の総称で、下痢や下血を引き起こします。20~30代の若い世代に発症することが特徴的で、クローン病では痔瘻を繰り返すケースもあります。

  • 大腸憩室症:大腸の壁が袋状に飛び出す病気で、通常は無症状ですが、憩室部で炎症を起こし腹痛や出血(下血)の原因となることがあります。

  • 虚血性腸炎:大腸の血流障害により出血(下血)を起こす病気です。中高年の女性に多いとされており、通常、大腸を安静にする(点滴治療)ことで治ります。


症状の鑑別ポイントと、なぜ専門医の診察が必要なのか

痔と大腸がんの決定的な違いとして、痔は出血量が多い傾向があるのに対し、大腸がんは便に血がつく程度の場合が多いとされます。しかし、大きな痔核や脱肛と直腸がんが併発しているケースもあり、自己判断は非常に危険です。これらの深刻な大腸疾患と痔の症状は非常に似通っているため、症状だけで正確な診断を下すことは極めて困難です。例えば、出血の量や色、痛みの有無といった個々の症状だけでは、良性の痔なのか、それとも命に関わる大腸がんや炎症性腸疾患なのかを判別することはできません。この症状の非特異性は、患者様が「いつもの痔だろう」と自己判断し、受診をためらう大きな要因となり得ます。しかし、この自己判断の限界こそが、専門医による精密な検査の必要性を強く裏付けるものです。特に大腸がんは早期発見・早期治療が生存率に大きく影響するため、症状の曖昧さに惑わされず、疑わしい場合は速やかに専門医の診察を受けることが肝要です。


痔と間違えやすい大腸疾患の症状比較表

疾患名

主な症状

特徴・鑑別ポイント

いぼ痔(痔核)

排便時の出血(鮮血)、肛門の腫れやこぶ、脱出、痛み(外痔核の場合)

出血量が多い傾向。排便時に限った症状が多い。

切れ痔(裂肛)

排便時の強い痛み、出血(鮮血)、肛門の切れ

硬い便による裂傷が多い。痛みが非常に強い。

大腸がん

便に血が混じる(黒色便や鮮血)、便秘と下痢の繰り返し、腹痛、異常な体重減少、倦怠感

出血は便に付着する程度が多いが、直腸がんでは鮮血の場合も。進行すると全身症状を伴う。

大腸ポリープ

血便(最も多い症状)、通常は無症状

将来的に大腸がんへ進行する可能性がある。出血は少量の場合が多い。

炎症性腸疾患(IBD)

下痢、下血、腹痛、発熱、体重減少、倦怠感

若年層(20~30代)に発症が多い。クローン病では痔瘻を繰り返すことがある。

大腸憩室症

通常は無症状。炎症を起こすと腹痛、出血(下血)

高齢者に多い。出血は大量になることもある。

虚血性腸炎

出血(下血)、腹痛(突然の腹痛)

中高年の女性に多い。血流障害が原因。通常、安静で治癒。



早期発見のために不可欠な「下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)」

大腸カメラ検査の重要性

大腸カメラ検査(下部消化管内視鏡検査)は、肛門からの出血や便通異常といった症状がある場合に、その原因を正確に特定するために最も有効な検査です。特に大腸がんは、日本人の死亡原因の上位を占める悪性疾患ですが、早期に発見できれば手術による根治が可能です。大腸カメラ検査は、大腸全体の状態を鮮明な画像で確認できるだけでなく、検査中に発見されたポリープをその場で切除することもできます。ポリープの中には将来的にがん化するものもあるため、ポリープの段階で切除することは、大腸がんの予防に直結する非常に重要な意味を持ちます。また、便潜血検査で陽性反応が出た場合、精密検査として大腸カメラ検査が強く推奨されます。これは、便潜血検査が「出血の有無」を調べるスクリーニング検査であるのに対し、大腸カメラ検査は出血の原因を直接確認し、必要に応じて組織を採取したり、病変を切除したりできる「確定診断・治療」の役割を果たすためです。



くりた内科・内視鏡クリニックでの内視鏡検査の特徴と安心への配慮

「内視鏡検査は苦しい、痛い」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、くりた内科・内視鏡クリニックでは、患者様に安心して検査を受けていただくための様々な工夫を凝らしています。


熟練の専門医による検査

当院の院長は、日本消化器病学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医の資格を持ち、数万件の内視鏡検査経験を持つ熟練医です。大学病院レベルの検査・処置をクリニックで受けることが可能です。経験豊富な専門医が検査を行うことで、微細な病変も見逃さず、より正確な診断につながります。


最新の機器と苦痛軽減への取り組み

オリンパス社の最新内視鏡システムや4Kモニターを導入し、鮮明な画像で精密な検査を可能にしています。また、患者様の苦痛を少しでも軽減するため、鎮静剤を使用してウトウトと眠っているような状態で検査を受けていただけます。これにより、検査中の嘔吐反射や痛みを感じることはほとんどありません。さらに、検査後のお腹の張りを軽減するため、全例で炭酸ガス(CO2)を使用しています。炭酸ガスは空気よりも吸収が速いため、検査後のお腹の不快感が大幅に軽減されます。


ポリープ切除への対応

大腸カメラ検査中に発見されたポリープは、その場で切除することが可能です。これにより、後日改めて手術を受ける必要がなく、患者様の負担を軽減することができます。ポリープ切除は保険適用となる場合もあります。



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女性が安心して肛門内科を受診するために

肛門の症状は、特に女性にとって「恥ずかしい」という心理的な壁が大きく、受診をためらってしまうケースが少なくありません。しかし、そのために症状が悪化したり、早期発見が可能な病気を見過ごしてしまったりすることは、患者様の健康にとって大きな不利益となります。肛門の異常を感じ始めたら、恥ずかしがらずにすぐに受診することが、問題を早期に解消し、治療期間を短縮する上で非常に重要です。


女性特有の心理的障壁とその解消

女性が肛門内科の受診をためらう主な理由は、診察への羞恥心や不安です。特に、男性医師による診察への抵抗感、患部を露出することへの抵抗、検査時のプライバシーへの懸念などが挙げられます。しかし、現代の肛門科では、これらの心理的障壁を解消するための様々な配慮がなされています。例えば、診察時には患部以外をタオルなどで覆い、必要以上の露出を避ける配慮が一般的です。また、医師と顔を合わせず、背中を向けた体勢で診察を行うなど、患者様の尊厳と安心を最優先にした対応がとられています。


くりた内科・内視鏡クリニックの女性患者様への配慮

くりた内科・内視鏡クリニックでは、女性患者様が安心して内視鏡検査や肛門疾患の診察を受けられるよう、特に細やかな配慮をしています。


女性スタッフによる対応

検査スタッフ全員を女性で構成する体制を整えています。これにより、男性スタッフがいることによる心理的な抵抗感を軽減し、リラックスして検査に臨んでいただけます。

プライバシーに配慮した個室環境:大腸カメラ検査の下剤服用時や検査後の休憩時など、特にプライバシーが気になる場面に配慮し、前処置室やトイレ、休憩スペースは全て半個室環境をご用意しています。周りを気にすることなく、ご自身のペースで準備を進め、検査後もゆっくりとお過ごしいただけます。


女性医師による検査日

男性医師による検査に抵抗がある患者様のために、女性医師(柳井優香先生など)が検査を担当する日を毎月設けています。生理周期や妊娠の可能性など、デリケートな内容も女性医師にならば話しやすいと感じる患者様もいらっしゃいます。女性医師の検査日は毎月変わりますので、ご希望の患者様は事前にクリニックのウェブサイトをご確認いただくか、お電話でお問い合わせください。


くりた内科・内視鏡クリニックの女性向け配慮

配慮内容

具体的な取り組み

患者様へのメリット

女性スタッフによる対応

検査スタッフ全員を女性で構成

男性スタッフへの心理的抵抗感を軽減し、安心して検査を受けられる

プライバシーに配慮した個室環境

前処置室、トイレ、休憩スペースが半個室

下剤服用時や検査後の休憩時も周囲を気にせず、リラックスして過ごせる

女性医師による検査日

毎月特定の日に女性医師が検査を担当

男性医師に抵抗がある患者様も安心して受診でき、デリケートな相談もしやすい



まずはご相談ください:くりた内科・内視鏡クリニックが選ばれる理由

患者様一人ひとりに寄り添う丁寧な診察

くりた内科・内視鏡クリニックでは、「患者様一人ひとりの健康がお守りできるよう、クリニック一同一丸となり、丁寧な診察を提供していきます」という理念のもと、患者様との対話を重視しています。肛門の症状は、患者様それぞれに異なる背景や生活習慣が影響していることが多いため、個々の状況を丁寧にヒアリングし、最適な治療計画を提案することを心がけています。待合室はアロマセラピーとBGMでリラックスできる空間となっており、患者様の不安を少しでも和らげる工夫がされています。


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