top of page
六地蔵の内視鏡クリニック.jpeg

Information

お知らせ・院長ブログ

胃が気持ち悪い… その不快感、放置していませんか? 胃もたれ・吐き気の裏に潜む疾患と専門医による早期診断の重要性

  • 執筆者の写真: くりた内科・内視鏡クリニック
    くりた内科・内視鏡クリニック
  • 11月10日
  • 読了時間: 12分
ree

専門医から皆様へ:胃の不調が示すサインを見逃さない



症状を放置し、根本的な原因の究明を怠ることは、病気の進行を許し、治療を困難にする最大の危険行為です。京都市下京区で高度な内視鏡検査を提供するくりた内科・内視鏡クリニックは、患者様が抱える胃の不安を、専門的な知見と最新の技術を用いて解消し、適切な診断と治療の道筋をつけることをお約束します。




「胃が気持ち悪い」「胃もたれがある」のは胃の病気!? —症状の定義とメカニズム


「胃もたれ」とは何か?臨床的定義


患者様が「胃が気持ち悪い」あるいは「胃がもたれる」と表現する症状は、臨床的には、摂取した食物が胃の中に長時間停滞しているように感じる状態を指します。この胃もたれは、しばしばムカムカ感、吐き気、さらには食事開始直後にお腹がいっぱいになる早期飽満感、胃にガスが溜まることによる膨満感を伴うことがあります。これらの症状は、胃が本来担うべき消化・排出機能が低下していることを明確に示しています。



胃の機能不全が引き起こす不快感


胃の役割は、食べ物を一時的に貯蔵し、消化液と混ぜ合わせた後、規則正しく少量ずつ十二指腸へ送り出す「ポンプ」機能です。胃もたれが発生するメカニズムは、このポンプ機能、すなわち胃の蠕動運動や内容物の排出能力が何らかの原因で低下し、食べたものが予想以上に長く胃に留まってしまうことに起因します。高脂肪食や暴飲暴食による消化負荷の増大、またはストレスによる自律神経の乱れは、このポンプ機能の低下を直接引き起こします。



胃の気持ち悪さ(悪心)と自律神経の関与


「気持ち悪さ」(悪心)は、胃の運動機能の異常や、過剰な胃酸による胃粘膜への刺激が、迷走神経などを介して脳に伝達されることで認識されます。特に現代社会のストレスや不規則な生活習慣は、自律神経のバランスを崩しやすく、結果として胃酸分泌を促進し、胃の防御機能を低下させます。この防御・攻撃バランスの崩壊と胃の運動異常が連動することで、慢性的な胃の不調や吐き気として自覚されるのです。この症状が生活習慣による一過性のものなのか、それとも器質的な疾患に起因するものなのかを判別するためには、専門的な検査が不可欠です。




胃が気持ち悪いときは暴飲暴食や胃酸過多が原因の場合も …—生活習慣の影響


消化器に負担をかける食生活


胃の不調は、多くの場合、食生活に密接に関連しています。まず「暴飲暴食」は、胃の物理的な限界を超えて負担をかけるため、消化酵素の処理能力を超過させます。特に、肉類や揚げ物など「高脂肪食」は、他の栄養素と比較して消化に最も時間がかかり、胃内容物の滞留時間を著しく延長させるため、胃もたれの主要な原因となります。また、アルコール、カフェイン、香辛料といった刺激物を過剰に摂取すると、胃酸分泌が過剰に促され、胃粘膜が直接刺激され、炎症や不快感が増強されます。



現代社会のストレスと胃酸過多の連鎖


慢性的なストレスは、単なる精神的な問題に留まらず、胃腸機能に物理的な影響を及ぼします。自律神経が乱れると、ストレスホルモンの影響で胃酸分泌が過剰になり、胃粘膜の防御機能が低下します。睡眠不足や不規則な食事時間といった生活の乱れは、この悪循環をさらに加速させます。



生活習慣因子が診断の「カモフラージュ」となる危険性


症状の多くが生活習慣に連動して発生するため、患者様は不調を生活習慣のせいだと捉え、専門医の受診を遅らせがちです。しかし、これが診断における最大の懸念点です。たとえ初期の胃癌や潰瘍が背景にあったとしても、症状は生活習慣の乱れによって増悪したり、現れたりすることがあります。患者様自身が「これはストレスのせいだ」と自己判断することで、重大な疾患の診断機会を失ってしまう可能性があるのです。専門医の役割は、症状の原因が生活習慣だけでなく、その背後に構造的な異常がないかを内視鏡で確認し、悪性の可能性を確実に排除することにあります。




暴飲暴食、胃酸過多だけじゃない。「胃が気持ち悪い」場合に考えられる病気は?


胃の不快感が慢性化し、薬を飲んでも改善が見られない場合は、特定の病気が存在している可能性を検討する必要があります。



機能性ディスペプシア(FD):器質的異常が見当たらない不調


機能性ディスペプシア(FD)は、内視鏡検査で潰瘍や炎症、腫瘍といった器質的な病変が認められないにもかかわらず、慢性的な胃もたれや早期飽満感などの症状が続く病態です。これは胃の運動機能異常や、知覚過敏が原因と考えられています。


FD の診断は、2016 年に発表された Rome IV 基準に基づき、心窩部痛、心窩部灼熱感、食後の胃もたれ、早期飽満感の四つの症状を評価し、他の器質的疾患を除外することで確定します。したがって、FD という診断に至るには、まず胃カメラ検査によって胃癌や潰瘍といった重大な病変が確実に存在しないことを確認することが絶対的な前提となります。



逆流性食道炎(GERD):食道の炎症


逆流性食道炎は、胃酸が食道へ逆流し、食道粘膜に炎症(びらん)を引き起こす疾患です。胸やけや酸味のある液体が上がってくる感覚(呑酸)が典型的ですが、胃の気持ち悪さ、吐き気、慢性の咳、のどの違和感など、非典型的な症状として現れることも少なくありません。内視鏡検査で食道の炎症の程度を確認し、適切な酸分泌抑制薬による治療を行います。



急性胃炎・慢性胃炎


急性胃炎は、暴飲暴食や過度のストレス、特定の薬剤使用によって急激に胃粘膜に強い炎症が起こる状態で、強い痛みや吐き気を伴います。一方、慢性胃炎は、主にヘリコバクター・ピロリ菌感染や加齢が原因で長期間にわたって炎症が持続する状態です。


慢性胃炎では、胃の気持ち悪さや胃もたれが持続しやすく、放置すると胃粘膜の萎縮が進行し、胃癌リスクが高まります。内視鏡検査で炎症の程度を把握し、ピロリ菌感染が確認された場合は除菌治療を検討することが重要です。



胃潰瘍・十二指腸潰瘍


胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、胃酸の攻撃によって胃や十二指腸の粘膜が深く損傷した状態です。原因の多くはピロリ菌感染または非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用です。空腹時や食後の周期的な痛みが特徴ですが、胃の気持ち悪さや胃重感を伴うこともあります。出血を伴う場合は緊急処置が必要となるため、内視鏡による迅速な確定診断と治療が求められます。



胃癌:見逃してはならない沈黙の病変


胃癌は、その早期においては、胃の気持ち悪さや胃もたれといった非特異的な自覚症状をほとんど伴いません。症状が出現した時には、既に病変が進行している可能性が高いことを意味します。進行胃癌では、持続的な不快感、体重減少、貧血などの症状が現れます。内視鏡検査は、胃粘膜を詳細に観察し、病変を早期に発見することで、治癒可能な段階での治療開始を可能にする唯一の手段です。


胃の不調の主な原因と緊急性の目安

原因カテゴリ

代表的な症状

内視鏡で期待される所見

対応の目安と緊急性

機能性ディスペプシア(FD)

食後の胃もたれ、早期飽満感、ストレス時の不快感

器質的異常なし(確実な除外が診断の要件)

症状が続く場合は FD の可能性。内視鏡による器質的疾患の確実な除外が必要。

炎症・潰瘍(急性胃炎、潰瘍)

周期的な強い痛み、吐き気、黒色便、胸やけ

粘膜の炎症、びらん、潰瘍形成

早急に内視鏡検査を受け、確定診断(ピロリ菌検査含む)と治療を開始(中〜高)。

重大な疾患(胃癌など)

体重減少、持続的な不快感、嚥下困難、貧血

粘膜の隆起・陥凹、色調変化、組織異常

迅速な内視鏡検査と生検による組織診断が必須(高緊急性)。




【重要なメッセージ】胃が気持ち悪い、吐き気がある場合には胃カメラをおすすめします


症状の隠れた真実を見抜く唯一の方法


胃の不調の原因が、一過性の消化不良なのか、それとも FD のような機能的な問題なのか、または早期胃癌のような器質的な疾患なのかを鑑別することは、問診や血液検査のみでは不可能です。胃カメラ(上部内視鏡検査)は、胃粘膜を直接観察し、色調、凹凸、粘膜の微細な血管パターンに至るまで詳細に評価できる唯一の手段です。これにより、病変の正確な広がりや深さを確認でき、確実な診断を下すことができます。



検査推奨の明確な基準


当院では、症状が持続し、生活に支障をきたしている患者様だけでなく、特に症状がなくとも胃癌のリスクが高い方には積極的な検査を推奨しています。早期の胃癌は無症状で進行することが多いため、以下に該当する方は、予防的な観点からもぜひ一度、胃カメラ検査をご検討ください。


  1. 40 歳を過ぎて一度も胃カメラを受けたことがない方。

  2. 血縁者に胃癌の既往がある方。


症状の有無にかかわらず、定期的な内視鏡検査は、将来の安心への最も確実な投資と言えます。




安心・高精度・低負担。くりた内科・内視鏡クリニックの検査へのこだわり


経験豊富な「内視鏡専門医」の安心感


当院の胃カメラ検査は、高い技術と豊富な経験を持つ内視鏡専門医が担当します。専門医による検査は、精度の高い診断を可能にするだけでなく、患者様の苦痛を最小限に抑えた迅速で安全な検査を実現します。



早期癌の発見率を高める最新鋭機器


診断の質を担保するため、当院は最先端の内視鏡設備を導入しています。内視鏡システム『EVIS X1』および 4K 画質のモニタを用いることで、従来のシステムでは見逃しがちであった粘膜のわずかな変化や、ごく早期の癌を高精度で識別することが可能です。また、最新式の経鼻内視鏡 GIF-1200N も導入しており、患者様の負担を軽減しつつ、確実な観察を実現するための選択肢を提供しています。



苦痛を最小限に抑える体制(鎮静剤と土曜検査)


内視鏡検査に対する不安や恐怖心を和らげるため、当院では鎮静剤の使用による検査を行っています。鎮静剤を使用することで、患者様は眠っている間に検査を終えることができ、嘔吐反射や苦痛を最小限に抑えることが可能です。さらに、平日お仕事などで忙しい方々の利便性を考慮し、土曜日の内視鏡検査にも対応しています。



迅速な結果説明とフォローアップ


患者様の不安が長引くことのないよう、検査当日には医師が面談を行い、内視鏡による観察結果を直接説明いたします。生検(組織検査)の結果は後日となりますが、その場で視覚的に確認できた所見について迅速なフィードバックを行うことで、患者様の安心に繋げます。




胃の不調に関する専門医 Q&A


Q1: 以前から食後に胃が気持ち悪くなったり、胃がもたれるので、内科に行って薬をもらって飲むと治まりますが、薬がなくなるとまた胃が気持ち悪くなります。何の病気が考えられるのでしょうか?


A: 薬の服用で一時的に症状が改善するのは、その薬が胃酸を抑えたり、胃の動きを助けたりしているためです。しかし、薬が切れると再発するということは、症状を引き起こす根本的な病態、例えばピロリ菌による慢性胃炎、軽度の潰瘍、あるいは機能性ディスペプシア(FD)が解決されていないことを示しています。特にピロリ菌が原因の場合、放置すれば胃の萎縮が進み、将来の胃癌リスクが増大します。症状が繰り返す場合は、対症療法ではなく、内視鏡検査によって胃粘膜の状態を詳細に確認し、ピロリ菌の有無を含めた根本原因の特定が不可欠です。FD の確定診断のためにも、内視鏡による器質的疾患の確実な除外が前提となります。



Q2: コロナ禍になってから、急に胃が気持ち悪くなったり、昼間に吐き気がしたり…ストレスなのでしょうか?


A: 社会情勢の変化や生活環境の急激な変化は、自律神経系に大きな負荷をかけ、胃腸の運動異常や過敏性を引き起こしやすくなります。コロナ禍以降、ストレス由来の胃炎や機能性ディスペプシアを発症、あるいは症状を増悪させる患者様は増えています。ストレスや不安は確かに胃の不調の大きな原因となり得ますが、症状を「ストレスのせい」だと決めつけ、自己判断で内視鏡検査を回避することは非常に危険です。ストレス症状に酷似した症状の裏に、初期の胃癌が隠れている可能性は否定できません。昼間の吐き気を含む消化器症状が持続する場合、まずは当院の胃カメラで器質的な異常がないことを確認し、医学的な安心を得ることが、ストレス起因の症状に対する治療の第一歩となります。



Q3: 寝る直前に食事をすることが多いですが、胃が気持ち悪くてなかなか眠れません。右向きに寝ると食べ物が流れやすいと聞いたのですが本当でしょうか?


A: 寝る直前の食事は、胃酸の分泌が活発な時間帯に体を横たえることになるため、胃酸逆流(GERD)を引き起こす最大の原因の一つです。就寝前の 2〜3 時間は飲食を避けるのが理想的です。


体位については、「右向きに寝ると流れやすい」という話は、胃の不調を抱える方にとっては誤解を招く情報です。胃の解剖学的な構造から、一般的に**左側臥位(左向き)**で寝る方が、胃の入り口(噴門部)が食道に対して高い位置に保たれるため、胃酸の逆流を抑制しやすいと考えられています。逆に右向きで寝ると、噴門部が開きやすくなり、逆流が悪化する可能性があります。夜間の不調を改善するためには、食事時間を早める、枕を高くする、そして左側臥位を試みることを推奨します。




ご来院を検討いただいている方へ:今すぐ専門医の診断を


我慢は最大の危険


胃の不調は、日常生活の質を著しく低下させるだけでなく、重大な病気が進行しているサインかもしれません。特に、薬で一時的に治まっても再発する場合や、40 歳を超えて一度も内視鏡検査を受けていない方は、早急に専門医の診断を受けるべきです。我慢や自己判断は、早期発見・早期治療の機会を奪ってしまいます。



京都市下京区で専門的な胃カメラ検査を受けるなら


くりた内科・内視鏡クリニックは、京都市下京区にて、内視鏡専門医による高精度かつ苦痛の少ない胃カメラ検査を提供しております。最新鋭の 4K 内視鏡システムと鎮静剤の使用により、患者様の負担を最小限に抑えながら、微細な病変も見逃さない診断を目指します。


胃の気持ち悪さや吐き気、慢性的な胃もたれでお悩みの方、特に胃癌の血縁者がいる方、40 歳以上で未検査の方は、ぜひ一度、当院にご相談ください。



ご予約について


当院では、インターネットやお電話にてご予約を受け付けております。土曜日の検査にも対応しておりますので、平日お忙しい方もご検討ください。予約状況によってはご希望の日時を承れない場合もございますので、お早めにご連絡いただくことをお勧めします。


あなたの胃の不安を安心に変えるために、専門医による確かな診断を受けてみませんか。私たちは、患者様の健康的な生活をサポートするため、万全の体制を整えてお待ちしております。


bottom of page