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Rota

ロタウイルス

ロタウイルスとは

ロタウイルスは、非常に感染力が強いウイルス「ロタウイルス」によって引き起こされる感染症で、主に1月から4月にかけて低温の季節に多く見られます。
潜伏期間は1~3日で、その後3~7日間は水様の下痢や嘔吐が続くことがあります。特に初めてロタウイルスに感染した乳幼児は、重い脱水症状や血圧低下、脳症、けいれん、急性腎不全などを引き起こし、命に関わることもある危険な感染症です。

感染者の便や吐物の処理後の手洗いや消毒が不十分な状態での接触が感染経路となり、感染力が非常に高いことが特徴です。ロタウイルスは数週間にわたり便中に存在するため、感染対策には慎重な注意が必要です。他にもノロウイルスなども感染性胃腸炎の原因となり、日本では冬の前半にはノロウイルス、冬の後半から春にかけてはロタウイルスによる感染が流行します。

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ロタウイルスの症状

ロタウイルス感染には様々な症状が現れます。乳幼児が感染すると、2~4日の潜伏期間の後、水様の下痢や嘔吐が繰り返し起こり、これに続いて数日間にわたり脱水症状が現れることがあります。その他にも、発熱や腹部の不快感も見られます。合併症としてはけいれん、肝機能異常、急性腎不全、脳症、心筋炎などが発生し、場合によっては死に至ることもあります。意識の低下やけいれんなどの症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。

ロタウイルスの原因

ロタウイルスは、感染者の便や吐物の処理後に手洗いや消毒が不十分な状態で触れた場所に接触することで感染が広がります。このウイルスは極めて感染力が高く、わずか10~100個のウイルス粒子でも感染が成立します。その結果、世界中でほぼ全ての小児が5歳までにロタウイルスに感染するとされています。衛生状態が良好な先進国でも感染予防は非常に困難であり、再感染は頻繁に発生しますが、感染のたびに免疫が獲得され、疾患の重症度は減少します。そのため、年長児や成人では重症なロタウイルス感染はまれです。

ただし、感染児の両親・保護者、免疫不全者、高齢者では感染が引き起こる可能性があり、ロタウイルスに感染している子供と接触した成人のうち30~50%が感染すると言われています。ほとんどの場合、それ以前の感染で免疫ができているため、不顕性感染に終わりますが、症状がなくてもウイルスは体内に潜んでいて、便とともに排出されます。そのため、子供がロタウイルス胃腸炎にかかった場合、大人も注意が必要です。

感染の拡大を防ぐためには、適切な汚物処理が必要です。ロタウイルスやノロウイルスにはアルコール消毒が効果的でないため、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が勧められます。

ロタウイルスの治療法

ロタウイルス感染の治療法については、現在までに特定の効果的な治療薬が見つかっていません。
下痢止めなどの使用も控えるべきで、これらの薬物が病気の回復を遅らせる可能性があります。治療の中心は水分補給や栄養補給であり、特に脱水症状がひどい場合には医療機関で点滴治療が必要です。乳幼児は脱水になりやすいため、水分摂取が難しい場合や尿が出ないなどの症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。治療の主軸は患者の体力消耗を防ぎ、脱水を最小限に抑えることにあります。

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