Pancreatic-cancer
膵臓がん
膵臓がんとは
膵臓がんは国内において年間約43000人がかかる、年々増え続けているがんであり、がんの中で肺がん、大腸がん、胃がんに次いで4番目に死亡数の多いがんとなっています。膵臓は病気になってもなかなか症状が出ない沈黙の臓器として有名です。しかも、膵臓がんの年間死亡数が37000人とされ、確率としてはかかった患者がほとんど亡くなってしまう、あらゆるがんの中で最も予後不良ながんと言われており、年間の死亡数も増加の一途をたどっています。その理由は一重に早期発見が極めて難しいためです。
胃がん、大腸がんであれば内視鏡検査をすることでがんの早期発見が可能ですが、膵臓は内視鏡の届かないところにあるため、発見が遅れてしまうのです。
また、膵臓のまわりには動脈などの血管が複雑に入り組んでいるため、がんが膵臓を超えて大きくなると容易に血流に乗って肝臓などに転移しやすいという悪い特徴があるので比較的早くに手遅れな段階になってしまいます。
しかし、膵臓がんにも上皮内がんという極めて早期の段階があり、この段階で見つかれば長生きできるため、現在世界的に着目されておりますがその診断は誰でもできるものではなく、そのほとんどは見逃されてしまっています。
いかに膵臓がんを早期に診断するかを検討する「膵癌早期診断研究会」という学会があり、当クリニックの院長は長らく京都府では唯一の膵癌早期診断研究会のメンバー(世話人)を務めており、実際に多数例の膵上皮内がんを診断した実績もございます。
当クリニックでは膵がん検診も行っておりますので是非ご相談ください。
膵臓がんの症状
当然初期の段階では無症状のことが多いです。稀に膵炎として発症することがあり、その場合は腹痛や背部痛(背中の痛み)が出ます。その他体重減少や、がんが進行してきて胆管に影響が出ると黄疸(体や眼球が黄色くなる)や体のかゆみが出たりします。
膵臓がんの危険因子
近年の画像診断の進歩により膵臓に嚢胞と言って水の袋ができる病気がよく見つかるようになりました。こうした方は膵臓がんが発生するリスクが高く、採血や腹部エコー等での慎重な経過観察が必要です。
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膵臓がん家族歴・家族性膵がん
膵臓がん患者の5-10%で近親者に膵臓がんの家族歴があると言われております。近親者に膵臓がんの患者が多いほど膵臓がんの発生リスクは4.5-32倍まで増加します。 -
飲酒量の多い方・喫煙量の多い方
飲酒量・喫煙量の多い方は膵臓がん発生リスクが1.3-1.8倍増加すると言われております。 -
生活習慣病のある方(糖尿病・肥満)
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慢性膵炎のある方
特によく飲酒される方で膵臓に石ができたりする慢性膵炎になると膵臓がんのリスクが13-16倍に増加すると言われております。 -
膵臓に嚢胞のある方
膵臓がんの治療
膵臓がんと診断されれば、膵臓内に留まっている状態であれば外科手術となります。しかし、見つかるほとんどが膵臓の外まで広がっているステージ2以上ですので、その場合はまずは抗がん剤治療を先行しておこない、治療効果があれば手術となることが多いです。
他に転移があるなど、発見時から既に手術できない段階の場合は抗がん剤治療を継続していくこととなります。
膵臓がん検診について
膵臓がんはその発見が極めて困難ですので、症状が無くてもきちんと見つけてくれる良い病院を受診することが最も重要です。当クリニックでは、これまでのノウハウを生かし独自の膵臓がん検診を行っております。糖尿病をお持ちの方、血縁者に膵臓がんの方がいらっしゃる方、膵嚢胞をお持ちの方は膵臓がんのハイリスクといわれておりますので、是非一度クリニックまでご相談ください。