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胃ポリープの原因とできやすい人― ピロリ菌・薬・体質との関係を専門医が解説 ―

  • 2025年8月12日
  • 読了時間: 3分

更新日:2月4日


はじめに


胃カメラで「胃ポリープがありますね」と言われたとき、


多くの方がまず疑問に思うのが、


  • なぜできたのか

  • 自分はできやすい体質なのか

  • 放置して大丈夫なのか


という点です。


重要なのは、胃ポリープは原因によって性質・対応が大きく異なるという事実です。


このページでは、胃ポリープができる主な原因と、できやすい人の特徴を医学的根拠に基づいて整理します。


※胃ポリープ全体の考え方(放置リスク・切除基準)は

で詳しく解説しています。



胃ポリープは「原因別」に性質が違う

胃ポリープは、見た目は似ていても成り立ち(原因)によって以下のように分類されます¹,²。


  • 過形成性ポリープ

  • 胃底腺ポリープ

  • 腺腫性ポリープ

  • 悪性を含む病変(がん)


原因を理解することが、「経過観察でよいか」「精査・切除が必要か」を判断する鍵になります。


原因① ピロリ菌感染(最も重要)


過形成性ポリープの主因


胃ポリープの中で最も多い過形成性ポリープは、ピロリ菌感染による慢性胃炎を背景に発生します¹,³。


メカニズム


  • ピロリ菌感染

→ 慢性的な胃粘膜炎症

→ 粘膜の修復・増殖が過剰

→ ポリープ形成


特徴


  • 胃の下部(前庭部)に多い

  • 多発することがある

  • 基本的には良性だが、まれにがん化リスクあり³


→ピロリ菌除菌後に縮小・消失することが多いのが重要な特徴です⁴。


原因② 胃酸分泌抑制薬(PPI・PCAB)


胃底腺ポリープとの関連


プロトンポンプ阻害薬(PPI)やカリウム競合型酸分泌抑制薬(PCAB)の長期使用により、胃底腺ポリープが増えることが知られています⁵,⁶。


特徴


  • 胃の上部(胃底部・体部)に多い

  • 表面がつるっとした小さなポリープ

  • がん化リスクは極めて低い⁵


注意点


  • 薬をやめると縮小することが多い

  • ただし、自己判断で中止しないことが重要


原因③ 体質・遺伝的背景


一部の方では、以下のような体質的要因が関与します⁷。


  • 家族に胃ポリープ・大腸ポリープが多い

  • 遺伝性ポリポーシス症候群

  • 若年から多発するポリープ


→この場合、胃だけでなく大腸の評価も重要になります。


原因④ 腫瘍性病変(腺腫・がん)


腺腫性ポリープ


  • 前がん病変

  • サイズが大きいほどリスク上昇

  • 原則、精査・切除対象¹,²


見分けが重要


見た目だけでは良性ポリープと悪性病変の区別は困難です。




胃ポリープができやすい人の特徴まとめ

以下に当てはまる方は、胃ポリープが見つかりやすい傾向があります¹–⁶。


  • ピロリ菌感染歴がある

  • 胃炎を指摘されたことがある

  • 胃酸抑制薬を長期内服している

  • 胃カメラで過去にポリープを指摘された

  • 家族に胃・大腸ポリープが多い



「原因が分かる=対応が決まる」

胃ポリープは、


  • 放置してよいもの

  • 定期フォローが必要なもの

  • 切除・精査すべきもの


が混在しています。


原因を理解せず「とりあえず様子見」は、最も危険な選択になることがあります。


※判断の全体像は

で必ず確認してください。



まとめ

  • 胃ポリープは原因で性質が全く異なる

  • ピロリ菌・薬・体質が三大要因

  • 見た目だけで自己判断しない

  • 原因に応じたフォロー・検査が重要


不安がある場合は、一度きちんと評価すること自体が最大の予防です。


症状が続く場合や、「様子見でよいか迷う」段階でも構いません。

消化器内科・内視鏡専門医が整理します。


参考文献

  1. Japanese Gastric Cancer Association. Japanese classification of gastric carcinoma. Gastric Cancer. 2017

  2. Yao K, et al. Endoscopic diagnosis of gastric lesions. Dig Endosc. 2020

  3. Uemura N, et al. Helicobacter pylori infection and gastric cancer. N Engl J Med. 2001

  4. Hwang YJ, et al. Regression of gastric hyperplastic polyps after H. pylori eradication. Gut. 1998

  5. Jalving M, et al. Proton pump inhibitors and gastric polyps. Aliment Pharmacol Ther. 2006

  6. Graham DY, et al. Long-term PPI use and fundic gland polyps. Clin Gastroenterol Hepatol. 2010

  7. Burt RW. Gastric polyps and polyposis syndromes. Gastroenterology. 2003


 
 

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