Food-poisoning
食中毒
食中毒とは
食中毒は、「食品に起因する胃腸炎・神経障害などの中毒症の総称」と定義され、主にウイルスや細菌が胃腸に感染して引き起こされます。感染は、ウイルスや細菌に汚染された食品や水を摂取することによって発生します。しかし、感染者の吐物や便から直接感染するのは食中毒ではなく、別の感染症になります。また、食べ過ぎや飲み過ぎによって引き起こされる症状は、食中毒ではありません。
一般的に、夏には細菌性の胃腸炎が、冬にはウイルス性のものが多く見られます。代表的な病原体としてアニサキス、ノロウイルス、カンピロバクター、ウェルシュ菌、サルモネラなどが挙げられ、年間1500件前後、30000人の感染者が報告されていますが、実際の患者数はその何倍もあると推測されています。
食中毒の症状
食中毒の症状は多岐にわたり、一般的には吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの胃腸障害が見られます。その他にも発熱、頭痛、疲労感などが発生することがあります。
また、下痢や嘔吐が継続することで水分や電解質が体外へ排出され、脱水症状を引き起こす可能性があります。脱水症状は重症化すると死亡の危険があり、尿の量が減少したり、めまいや口の渇きなどが見られる場合は早急に対処する必要があります。
食中毒の原因としては、サルモネラ、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌(O157、O111など)、黄色ブドウ球菌、カンピロバクター、ボツリヌス菌、セレウス菌、ノロウイルスなどが挙げられます。これらの病原体は、不適切な食品の取り扱いや調理、加熱不足などが原因で感染が広がることがあります。
食中毒の原因
食中毒の原因は多岐にわたり、その主な要因は細菌、ウイルス、寄生虫、毒素などが挙げられます。
具体的な食中毒の原因物質として、サルモネラは鶏卵や肉、魚などから感染が広がり、悪寒や嘔吐、腹痛、発熱などの症状を引き起こします。腸炎ビブリオは主に生の魚介類が原因で、吐き気や嘔吐、下痢、腹痛を引き起こしますが、加熱によって感染を予防できます。病原性大腸菌は牛の糞便により汚染された肉や野菜、井戸水から感染が広がり、重篤な症状を引き起こします。黄色ブドウ球菌は傷口などから付着し、加熱では除去できない毒素を生成します。
他にも、カンピロバクターやボツリヌス菌、セレウス菌、ノロウイルスなども食中毒を引き起こす原因となります。これらの食中毒の予防策としては、食品の衛生管理や手洗い、適切な加熱などが挙げられます。また、食材の取り扱いや調理においては細心の注意が必要であり、これらの対策を講じることで食中毒のリスクを最小限に抑えることができます。
食中毒の治療法
食中毒の治療においては、患者の具体的な症状や原因に合わせた個別のアプローチが求められます。軽い症状であれば水分補給を心掛けつつ様子を見守り、重症な場合は速やかに医療機関を受診するべきです。病院では血液検査や腹部レントゲン検査などの検査が行われ、入院治療か外来治療かが決定されます。
細菌が原因とされる場合は慎重に抗生物質が使用され、基本的な治療として水分補給が行われます。嘔気や下痢の症状に応じて制吐剤や整腸剤が処方され、必要に応じて点滴が行われます。
また、治療だけでなく再発を防ぐためにも適切な食事療法や生活習慣の改善が必要です。