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健康診断で「要精密検査」と言われたら?〜放置は禁物!くりた内科・内視鏡クリニックが不安を解消し、あなたの健康を守ります〜

  • 執筆者の写真: くりた内科・内視鏡クリニック
    くりた内科・内視鏡クリニック
  • 10月3日
  • 読了時間: 9分

更新日:10月16日


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はじめに:その「要精密検査」の結果、無視していませんか?


健康診断の結果を受け取った際、多くの人がまず目にするのは「要精密検査」という文字です。この診断結果を目にした瞬間、胸に広がる漠然とした不安、そして「まさか自分が」「大きな病気だったらどうしよう」という恐怖感は、誰もが経験するものです。この心理的な負担から、「症状がないから大丈夫だろう」「忙しいからまた今度でいいか」と、つい精密検査を先延ばしにしてしまう方が少なくありません。


しかし、その行動こそが最も危険な選択肢となり得るのです。健康診断の「要精密検査」という結果は、病気の確定を意味するものではありません。むしろ、それは身体が発してくれた「命を救うための貴重なサイン」であり、「病気を早期に発見し、治療する絶好のチャンス」です。胃がんや大腸がんは、早期の段階では自覚症状がほとんどないことが知られています。そのため、このサインを見逃さずに精密検査を受けることで、病気が進行する前に治療を開始できる可能性が高まります。


近年、医療技術の進歩により、胃がんや大腸がんは「治る病気」へと認識が変わりつつあります。特に早期に発見し、適切な治療を行えば、その治癒率は90%以上に達するというデータも報告されています。この高い治癒率こそが、「要精密検査」の結果を前向きに捉えるべき最大の根拠です。不安に蓋をして放置するのではなく、この貴重なチャンスを活かすことが、ご自身の健康と将来を守るための第一歩となります。




第一章:胃透視(バリウム検査)で異常を指摘された方へ


1.1. バリウム検査で見つかる「異常所見」とは?


健康診断で行われる胃透視(バリウム検査)は、胃の内部をバリウムと空気で満たし、X線でその形状を撮影する「スクリーニング(ふるい分け)検査」です。この検査は、胃の粘膜の大きな凹凸を大まかに捉えることを目的としています。この検査で「要精密検査」と指摘された場合、以下のような所見が考えられます。


  • 隆起性病変(ポリープ、粘膜下腫瘍など)

    胃の粘膜がイボ状に盛り上がっている所見です。ほとんどが良性ですが、中には将来的に悪性化する可能性のあるものや、稀に最初から悪性であるものも存在するため、精密検査で詳しく調べる必要があります。


  • ニッシェ・バリウム斑

    胃の粘膜が深くくぼみ、そこにバリウムが溜まっている所見です。これは胃潰瘍などの病変が疑われるサインです。


  • 粘膜不整・萎縮性胃炎

    粘膜の表面がざらざらしていたり、ヒダが消失して薄くなっていたりする状態です。特に萎縮性胃炎は、ヘリコバクター・ピロリ菌感染が原因であることが多く、胃がんが発生しやすい「畑」とも表現されるため、注意が必要です。


これらの所見はあくまで「異常の疑い」を示すものであり、その正体を正確に診断するためには、より詳細な検査が必要となります。



1.2. なぜ胃カメラ検査(胃内視鏡検査)が必須なのか?


バリウム検査で「要精密検査」と診断された場合、次に受けるべき精密検査として強く推奨されるのが、胃カメラ検査(胃内視鏡検査)です。胃カメラ検査がバリウム検査よりも優れている理由には、以下のような点が挙げられます。


圧倒的な診断精度

バリウム検査が胃の「外観」を大まかに捉えるのに対し、胃カメラ検査は、細いスコープを挿入して胃の内部を直接、鮮明に観察することができます。これにより、粘膜のわずかな色調変化や微細な凹凸も高画質で捉えることができ、特に自覚症状のない早期胃がんの発見率は、バリウム検査を大きく上回ります。


「診断」と「治療」の同時性

胃カメラ検査の最大の強みは、疑わしい病変が見つかった際に、その場で組織の一部を採取(生検)し、病理検査によって良性か悪性かを確定できることです。これは、病変の正確な診断を下す上で不可欠なプロセスです。また、がんの前段階とされるポリープが見つかった場合、その場で切除することも可能です。これは「発見」だけでなく、病変を根本から取り除く**「予防」や「治療」**にも繋がる、非常に重要な利点です。


放射線被ばくがない

バリウム検査はX線を使用するため、検査に伴う放射線被ばくがあります。一方、胃カメラ検査は放射線を使用しないため、被曝の心配がありません。


以下の表は、両検査の目的と特徴をまとめたものです。この比較から、精密検査には胃カメラ検査が最も適していることが明確に分かります。

項目

胃透視(バリウム検査)

胃カメラ(胃内視鏡検査)

目的

スクリーニング(ふるい分け)検査

精密検査・治療

診断精度

大まかな凹凸・形状を観察

粘膜の微細な変化・色調を直接観察

早期がん発見率

比較的低い

高い

同時処置

不可能

可能(生検・ポリープ切除)

放射線被ばく

有り

無し




第二章:便潜血検査で「陽性」を指摘された方へ


2.1. 便潜血検査「陽性」が意味すること


健康診断で行われる便潜血検査は、便の中に肉眼では見えないごくわずかな血液が混じっていないかを調べる検査です。この検査で「陽性」と出た場合、それは消化管のどこかで出血が起きている可能性を示しています。


出血の原因は多岐にわたります。痔(いぼ痔・切れ痔)のような命にかかわらない病気から、大腸ポリープや大腸がん、潰瘍性大腸炎、大腸憩室炎といった重篤な病気の可能性まで、幅広い疾患が考えられます。


この結果に対し、「どうせ痔だろう」と自己判断し、精密検査を放置される方が非常に多いのが現状です。しかし、この安易な自己判断は非常に危険です。なぜなら、痔と大腸がんは同時に存在することがあるためです。自己判断で「精密検査は不要」と結論づけてしまうと、がんの早期発見の貴重なチャンスを逃し、将来、取り返しのつかない結果を招く可能性があります。



2.2. なぜ「1回だけの陽性」でも見過ごしてはいけないのか?


便潜血検査は通常2日間にわたって行われますが、「1回だけ陽性だった」「もう一度検査したら陰性だったから大丈夫」と考える方も少なくありません。しかし、これは絶対に避けるべき行為です。


その理由は、大腸がんがあったとしても、毎日出血するわけではないからです。たまたま出血していない日に便を採取したことで陰性になる「見逃し」が起こり得るため、一度でも陽性の結果が出たという事実は非常に重い意味を持ちます。


便潜血検査は、大腸がんによる死亡率を最大60%減少させるという科学的根拠が確立された、非常に有効なスクリーニング検査です。この検査で陽性が出た場合、大腸がんが見つかる確率は決して低くなく、大腸がんを早期発見できる貴重なサインとなります。



2.3. 大腸カメラは「がんの治療」から「がんの予防」へ


便潜血検査で陽性と診断された場合の精密検査として最も推奨されるのは、大腸内視鏡検査です。大腸カメラ検査は、肛門からスコープを挿入し、大腸全体を直接観察することで、出血源を正確に特定する唯一の検査です。


さらに、大腸がんのほとんどは、ポリープという良性の病変が時間をかけて悪性化してできることが分かっています。大腸カメラ検査では、この大腸ポリープが発見された場合、その場で切除することが可能です。これは、将来がんになる可能性のある病変を未然に取り除く**「がんの予防」**そのものです。


この「がんの予防」という視点は、精密検査の持つ価値を再定義するものです。単に「病気を見つける」という受動的な行為ではなく、自らの手で将来の健康を守るための「能動的な行為」へと、その意味合いを変えることができます。




第三章:検査の不安に寄り添う、くりた内科・内視鏡クリニックの強み


3.1. 経験と実績に裏打ちされた「苦痛の少ない検査」


「胃カメラや大腸カメラは苦しい」というイメージから、検査をためらってしまう方は少なくありません。しかし、その不安を解消し、患者様が安心して検査を受けられるよう、当クリニックでは様々な工夫を凝らしています。


内視鏡指導医による検査

内視鏡検査の精度や安全性は、実施する医師の経験と技量に大きく左右されます。院長は、日本消化器内視鏡学会が認定する「指導医」です。これは、豊富な検査実績と高度な技術を持つだけでなく、後進の医師を指導する内視鏡分野のトップエキスパートに与えられる称号です。この確かな技術と経験が、患者様の不安を和らげ、検査の安全性と質を高いレベルで保証します。


鎮静剤の使用

「検査が苦手」という方には、鎮静剤(麻酔)を使用して、眠っている間に検査を受けていただくことができます。鎮静剤には、不安を和らげる効果や、嘔吐反射を抑える効果があります。当クリニックでは、速効性があり、検査後の目覚めが早いプロポフォールを主体とした鎮静法を導入しており、患者様の苦痛を最小限に抑えることを可能にしています。患者様がリラックスした状態で検査を受けられることは、医師にとっても余裕が生まれ、胃や大腸の隅々まで丁寧に観察できるため、診断の質の向上にも繋がります。



3.2. 大学病院レベルの最先端内視鏡システム『EVIS X1』


当クリニックは、大学病院や基幹病院で導入されている、オリンパス社製の最新内視鏡システム『EVIS X1』を導入しています。


従来の機器では見逃されがちだった微細な病変も、このシステムは高精細な画像で捉えることが可能です。医師の卓越した技術と最先端機器の組み合わせは、最高の診断精度を生み出すための重要な要素です。この高い診断能力により、ごくわずかな粘膜の変化も見逃さず、確実性の高い診断を提供します。



3.3. 忙しい方のための「胃と大腸の同日検査」


「仕事が忙しくて何度も休みが取れない」「面倒な食事制限を何度もしたくない」といったお悩みを抱える方のために、当クリニックでは胃カメラと大腸カメラを同日に行うことが可能です。

これにより、検査前日の食事制限や通院回数が一度で済むだけでなく、鎮静剤による検査も一回で完了するため、心身の負担を大幅に軽減できます。


以下は、胃・大腸内視鏡の同日検査のメリットと注意点をまとめたものです。



メリット

注意点

 時間・経済的負担

通院回数が1回で済み、時間と交通費を節約できる

検査時間が単独検査より長くなる

身体・精神的負担

食事制限や下剤服用といった準備が1回で済む

検査当日は鎮静剤の影響で車の運転ができない

処置

鎮静剤の使用が1回で済む

一部の持病を持つ方には推奨されない場合がある



最後に:あなたの「要精密検査」、私たちと一緒に向き合いませんか?


健康診断で「要精密検査」という結果を受け取ったことは、ご自身の健康を考える上で非常に重要な分岐点です。この結果を「放置」することは、将来、ご自身やご家族にとって大きなリスクにつながりかねません。しかし、不安な気持ちに打ち勝ち、一歩踏み出して精密検査を受けることで、あなたは自らと大切な人たちの未来を守ることができます。


くりた内科・内視鏡クリニックは、高度な専門技術を持つ医師、最先端の機器、そして患者様の苦痛を最小限に抑えるための徹底した配慮をもって、あなたの健康を全力でサポートいたします。どんな些細なご相談でも構いません。まずは一度、お気軽にご連絡ください。


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