潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎は、腸に慢性的な炎症を引き起こす「炎症性腸疾患」（IBD）の一種で、大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができ、直腸から口方向に広がる性質があります。この病気は原因が不明確であり、長期にわたる治療が必要な慢性の難病とされています。日本では指定難病とされ、医療費助成の対象となっています。患者数は約16万6,000人で、男女を問わず広い年代にわたって発症しますが、男性の発症ピークは20～24歳、女性は25～29歳となっています。
潰瘍性大腸炎はいくつかの基準によって分類されており、重症度、病期、病変の広がり、臨床経過などでタイプ分けされています。治療は根治が難しく、完全な原因も解明されていませんが、炎症や潰瘍を改善させる治療法が存在し、症状を制御することで発症前とほぼ変わらない生活を送ることが可能です。治療を継続することで、活動期と寛解期を繰り返す症状を管理できます。
発症は比較的若い世代が多い一方で、幅広い年齢層にわたります。厚生労働省の難病医療費助成制度を活用することで、治療の自己負担額を軽減できます。潰瘍性大腸炎の治療は継続的であり、寛解期においても管理が必要ですが、適切な医療サポートを受けることで患者は積極的に治療に取り組むことができます。

潰瘍性大腸炎の症状

初期の症状としては、下腹部での違和感、下痢、便に血が混じることが挙げられます。進行すると便に粘液や膿が混じり、発熱、腹痛、体重減少、貧血といった症状が現れます。症状が起こる活動期と治まる寛解期を繰り返す特徴があり、症状が再び現れた場合には、即座に消化器専門医の診察を受けることが重要です。

さらに、潰瘍性大腸炎が進行すると、大腸だけでなく心筋、膵臓、目、関節、皮膚などにも影響が及ぶ可能性があります。早期の診断と適切な治療が重要で、特に再発や合併症の兆候が見られる場合には迅速な医療の受診が求められます。