top of page
六地蔵の内視鏡クリニック.jpeg

Information

お知らせ・院長ブログ

下痢が続く原因は食事かも?低FODMAP(フォドマップ)食の効果と実践法を専門医が解説

  • 14 時間前
  • 読了時間: 5分

「しっかり休んでいるのに下痢が治まらない」「検査をしても異常がないと言われたけれど、お腹の張りが辛い」……。このような悩みを抱えて当院を受診される患者様は非常に多くいらっしゃいます。


実は、健康に良いと思って食べている食品が、逆に腸を刺激して下痢を引き起こしているケースがあることをご存知でしょうか?


今回は、過敏性腸症候群(IBS)や慢性的な下痢の改善に有効とされる最新の食事療法「低FODMAP(フォドマップ)食」について、エビデンスに基づき詳しく解説します。



なぜ「体に良いもの」を食べて下痢になるのか?

一般的に「腸活」といえば、食物繊維や発酵食品を積極的に摂ることが推奨されます。しかし、腸の感覚が過敏になっている方や、腸内細菌のバランスが乱れている方にとっては、特定の糖質が腸内で過剰な発酵を引き起こし、下痢や腹痛を悪化させる原因となります [1]。


これを解き明かす鍵が、FODMAP(フォドマップ)という概念です。


FODMAPとは?

FODMAPとは、小腸で吸収されにくい特定の短鎖炭水化物(糖質)の頭文字を並べたものです。


  • Fermentable(発酵性の)

  • Oligosaccharides(オリゴ糖:小麦、玉ねぎ、豆類など)

  • Disaccharides(二糖類:乳糖など)

  • Monosaccharides(単糖類:果糖など)

  • And

  • Polyols(ポリオール:キシリトール、キノコ類など)


これらの糖質は小腸で吸収されにくいため、大腸に届くと水分を引き寄せ(浸透圧性の下痢)、さらに腸内細菌の餌となって急速に発酵し、ガスを発生させます [2]。これが、食後の下痢、腹痛、お腹の張り(膨満感)の正体です。



低FODMAP食が推奨される人・症状

低FODMAP食は、特に以下のような悩みを持つ方に高い効果が期待されています。


  • 過敏性腸症候群(IBS)と診断された方

  • 検査では異常がないが、慢性的な下痢が続いている

  • 食後の腹痛やガス溜まりがひどい

  • 「夜だけ胃痛や下痢」など、特定の時間帯に症状が出る

  • 「下痢に血が混じる」といった緊急性の高い症状はないが、QOL(生活の質)が著しく低下している


もし、「下痢に血が混じる」「急激な体重減少がある」といった場合は、食事療法以前に大腸カメラ等での精密検査が必要です。




具体的な「高FODMAP」と「低FODMAP」食品例

食事療法を始める第一歩は、どの食品が自分の腸に負担をかけているかを知ることです。


避けるべき「高FODMAP」食品(一例)

  • 穀類: 小麦(パン、うどん、パスタ)

  • 乳製品: 牛乳、ヨーグルト(乳糖を含むもの)

  • 野菜: 玉ねぎ、にんにく、ごぼう、アスパラガス

  • 果物: りんご、桃、スイカ、ドライフルーツ

  • 豆類: 大豆、納豆、レンズ豆

  • 甘味料: はちみつ、キシリトール


推奨される「低FODMAP」食品(一例)

  • 穀類: 米、玄米、そば(十割)、グルテンフリー製品

  • 乳製品: アーモンドミルク、硬めのチーズ(チェダーやパルメザン)

  • 野菜: キャベツ、レタス、トマト、なす、ブロッコリー

  • 果物: バナナ、キウイ、イチゴ、オレンジ

  • タンパク質: 肉、魚、卵、豆腐(木綿は比較的低め)



低FODMAP食の実践ステップ

低FODMAP食は「一生続ける食事」ではありません。自分の「トリガー(引き金)食品」を特定するためのプロセスです。


  1. 導入期(3~6週間):  全ての高FODMAP食品を徹底的に避けます。これにより、腸の状態を一度リセットします。

  2. 再導入期:  特定のグループ(例:オリゴ糖)を少量ずつ摂取し、症状が出るか確認します。

  3. カスタマイズ期:  自分に影響がない食品を食事に戻し、バランスの良い食生活を確立します。


研究によれば、IBS患者の約50~80%が低FODMAP食によって症状の改善を実感しています [3, 4]。



クリニック受診が必要なタイミング

食事療法は非常に有効ですが、自己判断だけで進めるのは危険な場合もあります。特に「下痢 病院 行くタイミング」で悩んでいる方は、以下の症状がないか確認してください。


  • 血便がある: 潰瘍性大腸炎や大腸がんの可能性があります。

  • 発熱や激しい腹痛を伴う: 感染性胃腸炎や憩室炎の疑いがあります。

  • 急激な体重減少: 悪性腫瘍や吸収不良症候群のサインかもしれません。


当院(くりた内科・内視鏡クリニック)では、まずは腹部エコーや大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を用いて、炎症や腫瘍がないかを確実に診断します。その上で、器質的な異常がない場合に、管理栄養士と連携した食事指導や適切な内服薬の調整を行っています。


当院の内視鏡検査は、鎮静剤を使用して「苦しくない・痛くない」検査を徹底しております。食事を変えても治らない下痢は、一度専門医にご相談ください。



まとめ

慢性的な下痢は、単なる体質ではなく「特定の食べ物への反応」である可能性があります。低FODMAP食を正しく取り入れることで、多くの方が長年の悩みから解放されています。


「何を食べたらいいかわからない」「自分の下痢は病気ではないか不安」という方は、ぜひ当院へお越しください。お腹の専門家として、あなたに最適な解決策を一緒に見つけます。



下痢の原因・タイプ・受診の目安を全体像で整理した解説は、以下のまとめページをご覧ください。


引用文献

  1. Staudacher HM, Whelan K. The low FODMAP diet: recent advances in understanding its mechanisms and efficacy in irritable bowel syndrome. Gut. 2017;66(8):1517-1527.

  2. Altobelli E, Del Negro V, Angeletti PM, Latella G. Low-FODMAP Diet Improves Irritable Bowel Syndrome Symptoms: A Meta-Analysis. Nutrients. 2017;9(9):940.

  3. Halmos EP, Power VA, Shepherd SJ, Gibson PR, Muir JG. A diet low in FODMAPs reduces symptoms of irritable bowel syndrome. Gastroenterology. 2014;146(1):67-75.e5.

  4. Marsh A, Eslick EM, Eslick GD. Does a diet low in FODMAPs reduce symptoms associated with irritable bowel syndrome? A comprehensive systematic review and meta-analysis. Eur J Nutr. 2016;55(3):897-906.


 
 

【ご予約・お問い合わせ】

◎ お電話でのご予約 075-334-6007

お知らせ最新記事

bottom of page