逆流性食道炎の治し方|生活改善と薬(PCAB)の考え方、やめ時の目安
- 4 日前
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逆流性食道炎(胃食道逆流症、GERD)は、胃酸などが食道へ逆流して、胸やけ・呑酸(酸っぱいものが上がる感じ)・のどの違和感などが起こる状態です。
「薬を飲めば治るの?」「ずっと飲み続けるの?」と不安になる方も多いですが、治療は意外と整理できます。
この記事では、生活改善の優先順位と、当院で基本としているPCAB(胃酸分泌を強く抑える薬)の考え方を、一般の方向けにわかりやすくまとめます。
まず結論:治し方は「逆流を減らす+胃酸を抑える」で考える
逆流性食道炎は、次の2つを組み合わせて改善を目指します。
逆流が起こりにくい生活習慣に寄せる
症状が強い時期は薬で炎症と症状を落ち着かせる
生活だけで十分な人もいれば、薬があると楽になる人もいます。
大切なのは「全部完璧にやる」ではなく、効くところから順にやることです。
生活改善:効果が出やすい順に(全部やる必要はありません)
食後すぐ横にならない(最優先)
食後に横になると、逆流が起こりやすくなります。
目安は食後2〜3時間は横にならない。これだけで夜間症状が軽くなる人がいます。
夕食を遅くしない・夜食を控える
夜の胸やけがつらい方は、就寝前の食事が影響しやすいです。
できる範囲で「夕食を早める」「夜食を減らす」から始めてください。
食べ過ぎを避ける(量の調整)
内容よりも「量」が効く方もいます。
まずは腹八分を意識し、つらい日は量を抑えるだけでも違います。
合わない食品は“自分の地雷”だけ減らす
脂っこいもの、刺激物、炭酸、アルコールなどが合わない方がいますが、全員ではありません。
「それを食べた後に悪化する」ものだけ減らす方が続きます。
体重・腹圧(お腹の圧)を見直す
体重増加や腹部の締め付けで悪化することがあります。
無理な減量ではなく、生活の中でできる範囲で調整します。
夜間症状がある人は“寝方”を工夫
夜に症状が強い場合、上半身を少し上げると楽になることがあります。
枕だけ高くするより、上半身全体が少し上がる形が合う人もいます。
薬の考え方:当院は基本「PCAB」で胃酸をしっかり抑える
逆流性食道炎の症状(胸やけ・呑酸など)は、胃酸の影響を強く受けます。
そのため、症状が強い場合や生活に支障がある場合は、胃酸分泌を抑える薬で症状を落ち着かせる治療が基本になります。
当院では、必要に応じてPCABを中心に治療を検討します。
PCABは何のために使う?
胸やけ・呑酸などの症状を抑える
食道の炎症がある場合に、回復を促す
生活改善だけではつらい時期の“助け”として使う
※薬の選択や量は症状や背景によって変わります。自己判断で増減はせず、処方時の指示に従ってください。
「薬はずっと飲むの?」に対する現実的な答え
多くの方が気になる点です。結論は、人によるです。
症状が落ち着いたら、減量や中止を検討できる方もいます
再発を繰り返す方は、必要最低限の量で維持するほうが生活の質が保てる場合もあります
大切なのは「やめる/続ける」ではなく、
症状の再燃(ぶり返し)パターンを見ながら調整することです。
効きが悪いときに、いきなり薬を増やす前に確認すること
「薬を飲んでいるのに胸やけが残る」という場合でも、理由はいくつかあります。
食後すぐ横になっている
夕食が遅い・夜食がある
食べ過ぎが続いている
そもそも逆流性食道炎以外の原因(別の病気)を考える必要がある
この場合、薬だけで押し切るより、生活側のポイントを先に整える方が結果が出やすいことがあります。
受診の目安(放置しない方がよい症状)
次のような場合は、一度医療機関へ相談してください。
症状が続き、日常生活に支障がある
市販薬で一時的に良くなるが、すぐ再発する
飲み込みにくさ(つかえ感)がある
体重が意図せず減る、貧血を指摘された
胸の痛みが強い(心臓など別の原因の評価が必要なこともあります)
内視鏡(胃カメラ)が検討される場面
症状が長引く場合や、診断をはっきりさせたい場合に、胃カメラで食道や胃の状態を確認することがあります。
検査は不安がつきものですが、原因を整理して治療方針を決める材料になります。
まとめ
逆流性食道炎の治し方は「生活改善+薬」で考える
生活改善は、まず食後の過ごし方・夕食時間・量の調整から
当院では必要に応じてPCABを中心に症状を落ち着かせる
「やめるかどうか」は再燃パターンを見ながら調整する
気になる症状が続く場合は相談し、必要に応じて検査で確認する
逆流性食道炎の原因・症状・検査の全体像は、こちらの記事にまとめています。 ▶ 逆流性食道炎が疑われる方へ:症状・原因・治療・検査の考え方を専門医が整理― 消化器内科・内視鏡専門医の視点から ―






