下痢症状が止まらないときの原因と対処法|受診の目安と内視鏡検査の重要性
- 14 時間前
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こんにちは。くりた内科・内視鏡クリニック院長です。
「急にお腹を下してしまった」、「数日間下痢が続いていて仕事に行けない」、「下痢に血が混じっている気がする……」、といった症状で悩んでいませんか?
下痢は日常的に起こりやすい症状ですが、実はその裏に重篤な疾患が隠れていることも少なくありません。また、単なる「お腹の冷え」だと思って放置していると、脱水症状や栄養障害を引き起こすリスクもあります。
本記事では、下痢が止まらない原因、自宅でできる対処法、そして病院を受診すべき緊急性の高いサインについて、消化器内科の専門医の視点から詳しく解説します。
下痢とはどのような状態か?(メカニズム)
通常、私たちの腸内では1日に約9リットルもの水分が分泌・吸収されています。健康な便は適度な水分を含んでいますが、何らかの原因で「水分の吸収が不十分」になったり、「腸管からの水分分泌が過剰」になったりすると下痢になります。
医学的には、便に含まれる水分量が80~90%以上になった状態を指します。
急性下痢と慢性下痢の違い
急性下痢:発症から2週間以内のもの。主にウイルスや細菌による感染性胃腸炎が原因です。
慢性下痢:4週間以上続くもの。過敏性腸症候群(IBS)や炎症性腸疾患(IBD)、大腸がんなどが疑われます。
下痢が止まらない主な原因
「夜だけ下痢がひどくなる」「食べた後すぐに下痢をする」など、パターンによって原因は様々です。
① 感染性胃腸炎(ウイルス・細菌)
ノロウイルス、ロタウイルス、カンピロバクター、病原性大腸菌などが代表的です。激しい腹痛や嘔吐、発熱を伴うことが多いのが特徴です。
② 過敏性腸症候群(IBS)
検査で異常が見つからないにもかかわらず、腹痛を伴う下痢や便秘を繰り返す疾患です。特に「通勤中の電車で急に便意を催す」「会議前に腹痛がする」といったストレス由来のケースが多いです。
③ 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
腸の粘膜に慢性的な炎症が起こる指定難病です。10代~30代の若年層にも多く、「血便を伴う下痢」が続く場合は強く疑われます。
④ 大腸がん・大腸ポリープ
腫瘍によって腸が狭くなったり、分泌物が増えたりすることで下痢(または下痢と便秘の繰り返し)が起こります。「最近、便が細くなった」と感じる方は要注意です。
⑤ 食事や薬剤の影響
人工甘味料の摂りすぎ、アルコール、刺激物、あるいは抗生物質などの副作用で下痢が誘発されることがあります。
下痢の時の対処法:自宅でできること
「夜中に急に下痢になった」、「すぐに病院へ行けない」という時の応急処置をまとめました。
安静と保温
まずは腹部を温め、安静にしましょう。腸の動きを落ち着かせることが優先です。
水分補給の徹底(脱水予防)
下痢で失われるのは水分だけではなく、電解質(塩分など)も同時に失われます。
おすすめ: 経口補給水液(OS-1など)、スポーツドリンク(薄めて飲むのがベター)
避けるべきもの: コーヒー、冷たい牛乳、柑橘系ジュース(腸を刺激します)
市販の下痢止め薬の使用には注意が必要
感染性胃腸炎の場合、下痢を止めることで体内のウイルスや細菌の排出を遅らせ、症状を悪化させてしまうことがあります。「自己判断で強力な下痢止めを飲まない」ことが鉄則です。
病院を受診するタイミングと目安
以下のような症状がある場合は、早急に当院(くりた内科・内視鏡クリニック)のような消化器専門外来を受診してください。
便に血が混じっている(血便)
激しい腹痛や高熱を伴う
1日に10回以上の激しい下痢
体重が減少している
夜間に腹痛で目が覚める
高齢者や持病がある方の脱水症状
特に「血便」や「急な体重減少」は、大きな病気のサインである可能性が高いです。
専門医による精密検査:大腸カメラ(内視鏡検査)の役割
慢性的な下痢や、血便を伴う下痢の場合、最も確実な診断方法は大腸カメラ(大腸内視鏡検査)です。
当院では、最新の内視鏡システムを導入し、「苦しくない・痛みの少ない検査」を徹底しています。
鎮静剤の使用: 眠っているような状態で検査を受けられます。
炭酸ガス送気: お腹の張りを最小限に抑えます。
大腸カメラを行うことで、潰瘍性大腸炎のような炎症性疾患や、早期の大腸がんを確実に発見することが可能です。
まとめ:下痢を放置しないでください
下痢は体が発している「SOS」かもしれません。「いつものことだから」と放置せず、一度専門医による診察を受けることをお勧めします。
当院では、患者様一人ひとりのライフスタイルに合わせた治療提案を行っております。おなかの悩みは、お気軽にくりた内科・内視鏡クリニックへご相談ください。
下痢の原因・タイプ・受診の目安を全体像で整理した解説は、以下のまとめページをご覧ください。
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