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便秘で吐き気がするのは危険なサイン?腹痛の原因と受診の目安を専門医が徹底解説

  • 14 時間前
  • 読了時間: 5分


「便秘が続いていて、なんだか気持ち悪い……」 「お腹が張って痛いけれど、ただの便秘だから放っておいても大丈夫?」


このように、便秘に伴う吐き気や腹痛に悩まされている方は少なくありません。実は、便秘による吐き気や激しい腹痛は、単なる「便の詰まり」だけでなく、腸閉塞(イレウス)や重大な疾患のサインである可能性もあります。


本記事では、くりた内科・内視鏡クリニックの院長が、便秘によって吐き気が起こるメカニズムや、注意すべき症状、そして当院で行っている専門的なアプローチについて、最新の医学的知見(エビデンス)に基づいて詳しく解説します。



なぜ便秘で「吐き気」や「腹痛」が起こるのか?

便秘とは、本来体外に排出されるべき糞便が腸内に長期間留まり、水分が吸収されて硬くなることで、排便が困難になったり頻度が減少したりする状態を指します。


腸内細菌のガスと腹圧の上昇

便が直腸や結腸に停滞すると、腸内細菌による発酵が進み、大量のガスが発生します[1]。このガスによって腸管が膨らみ(腹部膨満)、横隔膜を押し上げたり、胃を圧迫したりすることで、ムカムカとした吐き気や食欲不振が引き起こされます。


自律神経の乱れ

腸と脳は「脳腸相関」と呼ばれる密接なネットワークでつながっています。便秘による不快感や腹痛がストレスとなり、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れると、胃腸の動きがさらに悪化し、吐き気を助長するという悪循環に陥ります[2]。


逆蠕動(ぎゃくぜんどう)の発生

通常、消化管は口から肛門へと内容物を送る「蠕動運動」を行っています。しかし、出口が完全に塞がってしまうと、内容物が行き場を失い、逆方向へ動こうとする「逆蠕動」が起こることがあります。これが強い吐き気や、最悪の場合、嘔吐の原因となります[3]。


便秘の基本的なメカニズムや種類については、こちらの記事もあわせてご確認ください。



「夜だけ胃痛がする」「下痢と血が混じる」などの注意すべき症状

便秘に伴う症状には、放置して良いものと、すぐに病院を受診すべきものがあります。


「夜だけ胃痛・腹痛」が起こる場合

日中は活動しているため自律神経が交感神経優位ですが、夜間にリラックスすると副交感神経が優位になり、腸が動き始めます。この際、便が硬く詰まっていると、無理に押し出そうとする力が働き、強い痛み(疝痛)を感じることがあります。また、横になることでガスが胃の方へ移動し、圧迫感が増すことも原因の一つです。


「下痢に血が混じる」「細い便が出る」場合

「便秘だと思っていたら急に下痢になり、血が混じった」という場合は注意が必要です。これは大腸がんや炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)によって腸管が狭くなっている可能性があります[4]。


  • 狭窄(きょうさく): 腫瘍などで道が狭くなり、液体状の便しか通れなくなっている状態。

  • 虚血性腸炎: 便秘による強いいきみで腸の血流が悪くなり、激痛とともに下血が起こる疾患。



放置すると怖い「腸閉塞(イレウス)」のリスク

便秘を「たかが便秘」と放置していると、命に関わる腸閉塞に移行することがあります。


腸閉塞のサイン


  1. 激しい腹痛: 波がある痛み(間欠痛)から、持続的な激痛に変わる。

  2. 頻回な嘔吐: 食べたものだけでなく、胆汁や便のような臭いのする液体を吐く。

  3. 排便・排ガスの停止: 便だけでなく、おならも全く出なくなる。


研究によれば、慢性的な便秘は結腸の運動機能を著しく低下させ、糞石(石のように硬くなった便)による物理的な閉塞のリスクを高めることが示唆されています[5]。



くりた内科・内視鏡クリニックでの診断と治療

当院では、患者様一人ひとりの便秘のタイプ(弛緩性、直腸性、痙攣性など)を見極め、最適な治療を提案します。


腹部レントゲン・超音波検査

まずは、お腹の中にどれくらい便やガスが溜まっているか、腸の動きはどうかを迅速に診断します。


大腸カメラ(大腸内視鏡検査)

「40歳以上で初めて便秘になった」「急に便が細くなった」「血便がある」という方には、大腸カメラをお勧めしています。 当院の大腸カメラは、「苦しくない・痛くない」をモットーに、鎮静剤を活用した高度な技術で行います。便秘の陰に隠れたポリープや早期がんを見逃さないことが、当院の使命です。 当院の検査実績とこだわり: くりた内科・内視鏡クリニックの大腸内視鏡検査について

最新の便秘薬による治療

かつては「刺激性下剤(コーラックなど)」の長期服用による腸の黒ずみ(大腸メラノーシス)や耐性が問題となっていました。現在は、腸内の水分を増やす新しいタイプの薬剤(胆汁酸トランスポーター阻害薬や上皮機能変容薬など)が登場しており、これらを組み合わせることで、自然に近い排便を促すことが可能です[6]。



まとめ:受診のタイミングはいつ?

以下のような症状がある場合は、迷わず当院を受診してください。


  • 吐き気がして食事が摂れない

  • 市販の下剤を飲んでも3日以上排便がない

  • 便に血が混じっている、または便が黒い

  • お腹がパンパンに張って、動くのも辛い


便秘は「体質だから」と諦めるものではありません。適切な診断と治療で、あなたのQOL(生活の質)は劇的に改善します。


便秘の原因・タイプ・受診の目安を全体像で整理した解説は、以下のまとめページをご覧ください。


引用文献

[1] Rao SS, Rattanakovit K, Patcharatrakul T. Diagnosis and management of chronic constipation in adults. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2016;13(5):295-305.

[2] Ford AC, Talley NJ. Mucosal inflammation as a potential etiological factor in irritable bowel syndrome. J Gastroenterol. 2011;46(4):421-31.

[3] Camilleri M, Ford AC, Mawe GM, Dinning PG, Rao SS, Chey WD, et al. Chronic constipation. Nat Rev Dis Primers. 2017;3:17095.

[4] Mearin F, Lacy BE, Chang L, Chey WD, Lembo AJ, Simren M, et al. Bowel Disorders. Gastroenterology. 2016;150(6):1393-407.

[5] Sumida K, Molnar MZ, Potukuchi PK, Thomas F, Lu JL, Yamagata K, et al. Constipation and risk of death and cardiovascular events. J Am Soc Nephrol. 2019;30(10):1915-27.

[6] Tack J, Muller-Lissner S, Stanghellini V, Boeckxstaens G, Kamm MA, Simren M, et al. Diagnosis and treatment of chronic constipation--a European perspective. Neurogastroenterol Motil. 2011;23(8):697-710.


 
 

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