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後悔しない内視鏡クリニックの選び方:医師の「腕」と「見逃さない検査」の重要性

  • 執筆者の写真: くりた内科・内視鏡クリニック
    くりた内科・内視鏡クリニック
  • 7月30日
  • 読了時間: 14分
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はじめに:内視鏡クリニック選びの現状と大切な視点

近年、内視鏡クリニックは全国的に増加の一途をたどっており、患者様にとってどこを選べば良いか迷ってしまう状況が生まれています。多くのクリニックが「楽に検査が受けられる」ことを前面に掲げ、特に鎮静剤の使用による苦痛の軽減を強調しています。確かに、検査中の快適さは患者様の不安を和らげ、内視鏡検査への心理的ハードルを下げる上で非常に有効です。しかし、この選択肢の多さが、かえって「本当に質の高い検査とは何か」という本質的な問いを曖昧にしている側面もあります。

鎮静剤を用いることで、内視鏡検査中の苦痛が大幅に軽減され、「眠っている間に終わる」という快適さが当たり前になりつつあります。これは患者様にとって大きなメリットであり、検査への抵抗感を減らす上で非常に有効な手段です。しかし、検査の「楽さ」だけがクリニック選びの基準となってしまうと、本当に大切な「見逃しのない診断」や「安全で確実な処置」という質の側面が見過ごされがちです。

内視鏡検査の真の価値は、病変を正確に発見し、必要に応じて適切に処置を行うことにあります。快適な検査体験は現代の内視鏡医療において基本的な期待事項となっていますが、それだけでは診断の正確性や治療の安全性は保証されません。重要なのは、快適さを超えて、医師の技術力と検査の徹底性という本質的な要素に目を向けることです。

本記事では、単に「楽な検査」を提供するだけでなく、患者様の健康を真に守るための「確かな技術」と「質の高い医療」を提供する内視鏡クリニックを見極めるための具体的なポイントを、エビデンスに基づいて分かりやすく解説します。


1. 鎮静剤だけでは測れない「内視鏡検査の質」

「眠っている間に終わる」検査の普及と、その裏に隠れる考慮点

鎮静剤の使用は、特に過去に内視鏡検査で強い苦痛を経験した方や嘔吐反射が強い方にとって、検査への抵抗感を大きく軽減する有効な手段です。多くのクリニックで選択肢として提供されており、患者様の不安を和らげる重要な要素となっています。

しかし、鎮静剤を使用すると、患者様は検査中の自身の画像を確認し、医師からリアルタイムで説明を受けることが難しくなる場合があります。また、検査後には鎮静剤の効果が収まるまで回復に時間を要し、自動車や自転車の運転が制限されるなど、日常生活への影響も考慮する必要があります。これらの点について、事前に十分な説明を受けることが重要です。

快適な検査体験は患者様の満足度を高める一方で、それだけがクリニック選びの唯一の基準となることには注意が必要です。真に質の高いクリニックは、単に鎮静剤を提供するだけでなく、検査のメリットとデメリット、そして検査後の生活への影響について、患者様が十分理解し、納得した上で選択できるよう、丁寧な説明を行うことに力を入れています。これにより、患者様は自身の優先順位に基づき、より適切な判断を下すことが可能になります。


医師の技術が検査の成否を分ける理由:見逃しのない診断と安全な処置

内視鏡検査は、飲食店の料理人の腕に差があるのと同様に、医師の技術によって診断精度や処置の質に大きな差が生じます。これは「誰がやっても同じ」という検査ではありません。

医師の「腕」は、多岐にわたる要素から構成されます。まず、微細な病変を見つけ出す熟練した観察眼が挙げられます。これは長年の経験と知識に裏打ちされたもので、早期がんなどのごく微細な病変を見逃さないために不可欠です。次に、患者様への苦痛を最小限に抑えながら迅速かつ安全に内視鏡を挿入する操作技術も重要です。内視鏡の挿入時間は、医師の技術力を測る客観的な指標の一つとなり得ます。さらに、ポリープ切除などの治療的処置を確実かつ安全に行う手技も、医師の技術力が大きく影響する部分です。

特に、病変の発見率は、内視鏡検査の診断能力と質を直接的に示す指標となります。熟練した医師は、限られた検査時間の中で、粘膜のわずかな変化も見逃さず、疑わしい部位を正確に特定する能力に長けています。このように、医師の技術とは単なる手先の器用さだけでなく、診断の正確性、患者様の負担軽減、そして安全な治療遂行能力を総合したものです。


最新機器の重要性:微細な病変を見つけるための技術

医師の腕が重要である一方で、その腕を最大限に活かすためには最新の内視鏡機器が不可欠です。高解像度カメラや画像強調技術(NBIなど)は、肉眼では見えにくい微細な病変や粘膜の変化を鮮明に映し出し、診断精度を飛躍的に向上させます。これらの技術は、早期がんの発見において極めて重要な役割を果たします。

古い機器や低解像度の機器では、どれほど熟練した医師であっても、微細な病変を見落とす可能性が高まってしまうことが指摘されています。これは、優れた観察眼を持つ医師であっても、その能力を発揮するための「道具」が不十分であれば、診断の質が低下してしまうことを意味します。

このことから、内視鏡検査の質は、医師の熟練した技術と最新鋭の機器が組み合わさることで最大限に高まるという重要な側面が浮き彫りになります。最新の技術は、医師の診断能力を強化し、より正確で迅速な診断を可能にするための強力な支援ツールとなるのです。したがって、最新鋭のシステムを導入しているかどうかも、クリニック選びの重要な要素です。


2. 確かな「内視鏡医の腕」を見極めるポイント

内視鏡検査は、医師の技術や経験によってその質が大きく左右される医療行為です 。残念ながら、中には十分な研修を受けていない、あるいは経験の浅い若い医師が内視鏡検査を行っているクリニックも存在します。このようなクリニックでは、微細な病変の見落としのリスクが高まったり、検査中の患者様の苦痛が大きくなったりする可能性があります 。内視鏡検査は「誰がやっても同じ」というものではなく、熟練した医師による丁寧な観察と確実な手技が不可欠です 。そのため、クリニックを選ぶ際には、医師の経歴や資格をしっかりと確認し、確かな技術と豊富な経験を持つ医師が在籍しているかを重視することが極めて重要になります 。


専門医・指導医資格の重要性:信頼の証

内視鏡検査を行う医師の技術力を判断する上で、最も客観的で信頼性の高い指標の一つが「日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医」や、さらに上位の「指導医」の資格です。

これらの資格は、単なる肩書きではありません。消化器内視鏡に関する豊富な知識、高度な診断・治療手技の習熟度、そして医療倫理や安全管理能力など、多岐にわたる厳しい基準をクリアした医師にのみ与えられます。特に指導医は、専門医を育成するための教育・指導経験も豊富に有しており、次世代の医師の育成にも貢献しています。

資格の取得には、長期間にわたる学会への所属、学術論文の発表、学術集会への積極的な参加、そして厳しい専門医試験への合格が求められます。これは医師が最新の医療知識と技術を習得し、継続的に研鑽を積んでいることの客観的な証です。これらの資格は、医師が体系的な研修を受け、継続的に専門性を高めていることを示す信頼性の高い指標であり、患者様にとって安心材料となります。


ハイボリュームセンターでの研修経験:高度な技術の礎

内視鏡医の技術は、どれだけ多くの症例を経験し、質の高い指導のもとで研鑽を積んだかに大きく左右されます。特に、国立がん研究センターなどの「ハイボリュームセンター」と呼ばれる施設は、様々な進行度の症例が豊富に集まり、高度な診断・治療を学ぶ機会が圧倒的に多いのが特徴です。

これらの施設では、単に検査数をこなすだけでなく、日本や世界をリードする専門医からの指導、充実したカンファレンス(症例検討会、病理検討会など)を通じた多角的な学習、そして臨床研究への取り組みなど、体系的な教育プログラムが提供されています。また、医師だけでなく看護師や内視鏡技師を含む多職種連携によるチーム医療の重要性も認識されており、安全管理体制も徹底されています。

このような環境で研修を受けた医師は、診断の精度、困難症例への対応力、偶発症への対処能力など、内視鏡医として求められる高度なスキルを総合的に身につけていると言えます。ハイボリュームセンターは、医師が多様な症例に触れ、経験豊富な指導医から直接指導を受け、さらに学術的な議論を通じて知識を深めることができる、いわば「質の高いスキルを加速的に習得できる場」としての役割を果たします。特に胆道や膵臓領域の内視鏡検査・治療は高度な技術を要するため、専門的なハイボリュームセンターでの経験がより重要になります。


内視鏡検査における代表的な「ハイボリュームセンター」の例を以下に示します。

領域

ハイボリュームセンターの例

胃・大腸領域

国立がん研究センター中央病院、国立がん研究センター東病院、がん研究会有明病院、大阪国際がんセンター

胆道・膵臓領域

手稲渓仁会病院、東京医科大学病院、愛知県がんセンター


検査の「質」を示す客観的指標:腺腫発見率(ADR)

大腸内視鏡検査の質の高さを測る上で、最も重要かつ客観的な指標の一つが「腺腫発見率(ADR:Adenoma Detection Rate)」です。ADRとは、大腸内視鏡検査を受けた患者さんのうち、将来大腸がんになる可能性のある前がん病変(腺腫)が発見された割合を示すものです。

米国消化器内視鏡学会のガイドラインでは、男性で30%以上、女性で25%以上が目標値とされており、一般的にADRが40%以上であれば検査精度が高いと評価されます。この数値は、医師が微細な病変を見逃さずに丁寧に観察していることの直接的な証拠であり、将来的な大腸がんのリスク低減に直結します。

ADRは、医師の診断能力と検査の徹底性を数値で示す「ゴールドスタンダード」とも言える指標です。高いADRは、単に多くの病変を見つけたというだけでなく、大腸がんの早期発見と予防に貢献し、患者様の予後を改善する可能性が高いことを意味します。クリニックがこのADRの数値を公開しているかどうかは、自院の検査の質に自信を持ち、客観的な評価を重視しているかの判断材料となります。


3. 安心して検査を受けるためのクリニック選びの視点

患者への配慮:鎮静剤の選択肢、下剤の種類と服用方法

検査の苦痛を軽減するため、鎮静剤の使用可否や、その種類(点滴、経口など)が選択できるかを確認することは重要です。患者様の不安を軽減し、よりリラックスして検査に臨める環境が望ましいです。

また、大腸内視鏡検査においては、前処置の下剤の種類が豊富に用意されているかどうかも重要なポイントです。飲みやすさを重視したもの、洗浄力を重視したもの、液体ではなく錠剤タイプのものなど、様々な種類があります。患者様の体質や希望に合わせて最適な下剤を選べるクリニックは、前処置の負担を軽減し、検査の質を高めることに繋がります。

さらに、下剤を自宅で服用するか、クリニックの院内で看護師のサポートを受けながら服用するかを選べる体制は、患者様の不安軽減に繋がります。院内服用では、看護師が便の状態を確認し、適切なアドバイスを提供できるため、より確実な前処置が期待できます。これらの患者様への細やかな配慮は、単なる利便性だけでなく、患者様が安心して検査に臨み、適切な準備を行うための重要な要素であり、結果として検査の質向上にも寄与します。


検査前後のサポート体制:丁寧な説明とインフォームド・コンセント

内視鏡検査を受ける上で、検査の必要性、具体的な方法、起こりうるリスクや偶発症、他の選択肢、そして検査後の経過などについて、医師から十分な説明(インフォームド・コンセント)が丁寧に行われ、患者様が納得した上で同意できるクリニックを選ぶべきです。

患者様が不安を感じる場合は、家族の同席を促したり、説明内容をメモに取ることを勧めたりするなど、患者様が十分に理解し、疑問点をその場で解消できるような丁寧な対応が求められます。検査結果についても、リアルタイムで画像を確認しながら分かりやすく説明してくれる体制は、患者様の理解を深め、医師への信頼関係構築に繋がります。

十分なインフォームド・コンセントは、単なる法的な手続きではありません。それは、患者様を医療の受け手としてだけでなく、自身の健康に関する意思決定の主体として尊重する姿勢の表れです。透明性の高い情報提供と丁寧な対話を通じて、患者様は自身の状態と治療計画を深く理解し、安心して検査に臨むことができます。これは、患者様の満足度を高めるだけでなく、医療の安全性と信頼性を高める上で不可欠な要素です。


予約の取りやすさやアクセスなど、通いやすさも考慮

症状がある場合や、多忙な中で検査を受ける場合、予約の取りやすさやクリニックの立地、診療時間なども重要な選択基準となります。特に、内視鏡検査の受診率が低い現状には、「時間的制約」が大きな課題として挙げられています。仕事や家庭の都合で検査を先延ばしにしてしまうケースも少なくありません。

患者様の時間的制約を考慮し、可能な限り都合の良い時間帯で検査を受けられるような環境が整っているクリニックは、受診のハードルを下げ、早期発見・早期治療に繋がる可能性を高めます。アクセスしやすい立地や柔軟な予約システムは、単なる利便性以上の意味を持ちます。それは、患者様が健康診断や定期的な検査を継続的に受けやすくするための重要な要素であり、結果として地域全体の公衆衛生の向上にも貢献します。通いやすさは、患者様が健康管理を継続するための重要な支援であり、クリニックの患者様への配慮が表れる部分と言えるでしょう。


4. くりた内科・内視鏡クリニックが選ばれる理由:院長の確かな技術と患者様への想い


院長・栗田亮の経歴と資格:ハイボリュームセンターでの豊富な経験

くりた内科・内視鏡クリニック院長 栗田亮は、内視鏡分野における最高峰の専門性と指導経験を有しています。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医、そして日本胆道学会認定指導医の資格を保有しており、これは内視鏡医療における深い知識と高度な技術、そして次世代の医師を育成する能力を持つことの証です。

特に、全国的に有名なハイボリュームセンターである手稲渓仁会病院消化器病センターでの勤務経験は、胆道・膵臓領域の高度な内視鏡検査・治療における専門性を培う上で極めて重要な経験となっています。また、京都大学医学部附属病院、田附興風会医学研究所北野病院といった大規模病院での豊富な臨床経験は、診断から治療まで多岐にわたる高度な内視鏡手技と知識を培ってきたことの表れです。

京都大学での医学博士号取得は、臨床だけでなく研究にも深く携わり、常に最新の医療知識と科学的根拠に基づいた診療を追求していることの表れです。院長・栗田亮の専門性と経験は、本記事で解説した「確かな腕を持つ内視鏡医」の基準をまさに体現しています。その経歴は、当院が提供する医療の質の高さを裏付ける、最も強力な根拠と言えるでしょう。


当院が目指す「見逃さない検査」と「患者様に寄り添う医療」

くりた内科・内視鏡クリニックでは、院長の豊富な経験と高い技術力に加え、微細な病変も見逃さない高精度な検査を追求するため、最新の内視鏡機器を積極的に導入しています。これは、患者様の長期的な健康を守る上で最も重要な要素です。当院は、単に「楽な検査」を提供するだけでなく、診断の正確性と徹底性を最優先に考えています。

また、検査の快適性だけでなく、患者様一人ひとりの不安に寄り添い、丁寧な説明と十分なインフォームド・コンセントを通じて、納得と安心を提供することを重視しています。鎮静剤の使用や下剤の選択肢、院内での服用サポートなど、患者様の負担を軽減するためのきめ細やかな配慮を徹底しています。

当院の医療は、臨床における卓越性と患者様への共感的なケアを統合したものです。最高の医療成果(正確な診断、安全な処置)と、サポートが行き届いた安心できる環境の両方を提供することを目指しています。


最新設備と質の高い検査へのこだわり

当院では、高解像度内視鏡システムや画像強調機能(NBIなど)など、微細な病変の早期発見を可能にする最新鋭の内視鏡機器を積極的に導入しています。これにより、より正確な診断と適切な治療方針の決定に貢献しています。

検査の質を客観的に評価するため、大腸内視鏡検査における腺腫発見率(ADR)などの指標にも着目し、継続的な精度管理に努めています。これは、患者様に見逃しのない検査を提供するための当院の強いこだわりと責任の表れです。当院は、単に「質の高いケア」を謳うだけでなく、それを客観的なデータと最新の技術で裏付け、継続的に改善していくことにコミットしています。この透明性と説明責任は、患者様との信頼関係をさらに深めるものと信じております。


おわりに:あなたの健康を守るために、賢いクリニック選びを

胃がんや大腸がんは、早期発見・早期治療がその後の予後に大きく影響します。そのためには、症状がなくても定期的な内視鏡検査を受けることが強く推奨されます。

本記事で解説したポイントを参考に、ご自身の健康と未来を守るために、賢いクリニック選びを行ってください。

くりた内科・内視鏡クリニックは、院長の確かな技術と豊富な経験、最新の医療設備、そして患者様一人ひとりに寄り添う温かいケアで、質の高い内視鏡検査を提供しています。

「楽な検査」はもちろんのこと、何よりも「見逃さない検査」と「安心できる医療」を追求し、地域の皆様の健康をサポートすることを使命としています。内視鏡検査に関するご不安やご質問があれば、いつでもお気軽にご相談ください。私たちは、あなたの健康を全力でサポートいたします。


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