放置しないで! その「胃もたれ」、胃のSOSかもしれません
- くりた内科・内視鏡クリニック
- 5 日前
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更新日:4 日前

あなたの胃もたれ、安易な自己判断は禁物です
多くの方が一度は経験する胃の不快な症状に「胃もたれ」があります。特に食後、食べ物が胃に長時間とどまっているような重苦しい感覚は、みぞおちの辺りに感じる不快感や、お腹が張ったような感覚として認識されることがあります。多くの場合、暴飲暴食や脂っこい食事のせいだと考え、市販の胃薬を飲んだり、少し様子を見たりすることで事足りると思われがちです。しかし、その安易な自己判断こそが、見過ごしてはならない重大な病気のサインを見逃すことにつながりかねません。
胃もたれという症状は、胃の機能的な問題から、胃炎や潰瘍、さらには胃がんといった器質的な病気まで、さまざまな原因によって引き起こされます。一時的な不調であれば問題ないことが多い一方で、症状が続く場合や、特定の兆候を伴う場合は、身体が何らかの危険を知らせているサインである可能性があります。本稿では、一般的に見られる胃もたれの日常的な原因から、専門医の診察が必要な危険なサインまでを、医学的な知見に基づきながら分かりやすく解説します。
なぜ、胃もたれは起こるのか?〜日常的な原因と医学的背景〜
胃もたれは、食後の消化がうまくいかず、食べ物が胃に停滞している状態で起こる不快感と定義されます。通常、食事から2〜3時間後には、胃の中の食べ物は十二指腸へと送り出され、消化プロセスが進行します。しかし、この胃の運動(蠕動運動)や消化機能が何らかの理由で低下すると、食べ物が胃に留まり続け、もたれの原因となります。
胃もたれは、単に「食べ過ぎたから」という単純な理由だけで起こるわけではありません。その背景には、個人の食習慣、ライフスタイル、さらには精神的な状態まで、多岐にわたる要因が複雑に絡み合っています。
日常生活に潜む意外な原因
最も一般的な原因は、誰もが思い当たる食生活の乱れです。揚げ物や肉類などの脂質の多い食事は、消化に時間がかかり、胃に大きな負担をかけます。同様に、にんにくや唐辛子などの刺激物、アルコールの過剰摂取、炭酸飲料も、胃酸や消化酵素の分泌バランスを乱し、消化不良を招くことがあります。また、早食いは食べ物の咀嚼が不十分になり、胃での消化プロセスを遅らせる要因となります。特に、就寝直前の食事は、睡眠中に消化活動が不十分な状態が続くため、慢性的な胃もたれを引き起こす習慣となり得ます。
さらに、精神的・肉体的なストレスも、胃もたれの重要な原因です。ストレスは自律神経のバランスを乱し、胃の蠕動運動を低下させたり、逆に胃酸の過剰な分泌を引き起こして胃粘膜を傷つけたりします。そのため、「特に食べ過ぎていないのに胃がもたれる」という場合は、ストレスが関与している可能性も考慮する必要があります。また、加齢に伴う胃の機能低下も、胃もたれの一因となることが知られています。これらの原因は単独で作用するのではなく、互いに影響し合いながら、胃の不調を引き起こすのです。
その胃もたれは「危険なサイン」かもしれません
多くの人が経験する胃もたれですが、その裏には単なる生活習慣の乱れでは片付けられない病気が潜んでいる可能性があります。特に、症状が長引いたり、特定の兆候を伴ったりする場合は、早急に専門医の診察を受けることが不可欠です。
見過ごしてはいけない受診のタイミング
食べ過ぎや飲み過ぎが原因で一時的に起こる胃もたれは、時間の経過とともに解消されることがほとんどです。しかし、以下のような場合は、胃がんなどの重篤な疾患が隠れている可能性を考慮し、できるだけ早く消化器内科を受診することが強く推奨されます。
【表1】見過ごしてはいけない胃もたれの危険なサインと受診目安
受診の目安 | 具体的な症状の例 | 考えられる病気 |
すぐに受診(緊急) |
| 胃潰瘍穿孔、急性膵炎、胃がん、消化管出血など |
早めに受診(注意) |
| 慢性胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、早期胃がん、食道がんなど |
胃もたれを引き起こす代表的な疾患
胃もたれを症状とする病気は多岐にわたります。その中でも、特に頻度が高いものや、注意すべきものをいくつかご紹介します。
慢性胃炎・胃潰瘍
胃の粘膜が炎症を起こしたり、深く傷ついたりする病気です。主な原因は、ヘリコバクター・ピロリ菌への感染です。胃もたれの他、みぞおちの痛みや吐き気、ひどくなると下血や吐血を伴うこともあります。
機能性ディスペプシア(FD)
内視鏡検査を行っても、胃炎や潰瘍などの明らかな病変が見つからないにもかかわらず、慢性的な胃もたれや腹部の不快感が続く病気です。胃の運動機能の低下や知覚過敏、心理的ストレスなどが関連していると考えられています。FDの診断は、器質的な病気(胃がんなど)が原因ではないことを確認するために、内視鏡検査が非常に重要となります。
より重篤な疾患
胃もたれは、胃がんや食道がんの初期症状として現れることもあります。特に、早期の胃がんではほとんど自覚症状がなく、胃もたれ程度の軽い症状しか感じないことが多いため、見逃されがちです。また、まれに心筋梗塞や膵炎などの胃腸以外の病気が原因で、みぞおちの痛みや胃もたれが引き起こされるケースも存在します。この多面的な症状を正確に鑑別し、適切な診断を行うためには、専門的な検査が不可欠です。
胃もたれの根本原因を突き止めるには〜当院の専門的なアプローチ〜
胃もたれの原因が、単なる食べ過ぎなのか、それともより深刻な病気が隠れているのかを正確に判断することは、自己診断では困難です。症状の背後にある根本原因を特定することが、不調から解放されるための第一歩となります。
正確な診断が、不調からの解放への第一歩
胃もたれの原因を突き止める上で、最も確実な検査は胃カメラ検査(上部消化管内視鏡検査)です。問診や血液検査も重要な手がかりとなりますが、胃カメラ検査は食道、胃、十二指腸の粘膜を医師が直接、詳細に観察できる唯一の手段です。これにより、胃炎の程度、潰瘍の有無、ポリープやがんといった微細な病変まで正確に診断することが可能となります。
【表2】内視鏡検査で診断できる主な疾患
食道・咽頭の病気 | 胃の病気 | 十二指腸の病気 |
食道がん | 胃がん | 十二指腸がん |
逆流性食道炎 | 急性・慢性胃炎 | 十二指腸潰瘍 |
食道ポリープ | 胃潰瘍 | 十二指腸ポリープ |
食道静脈瘤 | 機能性ディスペプシア(FD) | |
咽頭腫瘍 | ピロリ菌感染症 |
「もう辛くない」当院の苦痛に配慮した胃カメラ検査
「胃カメラは苦しい」というイメージから、検査をためらってしまう方は少なくありません。しかし、当院では患者様の不安と苦痛を最大限に軽減し、安心して検査を受けていただける環境を整えています。
当院の院長は、大学病院で長年の臨床経験を積んだ内視鏡専門医です。その熟練した技術と豊富な経験により、検査中の不快感を最小限に抑えることが可能です。また、診断の精度を高めるため、大学病院でも採用されている最新式のオリンパス製内視鏡システムを導入しています。この最新機器は、ノイズが少なく鮮明な高画質で、早期がんのような微細な病変も正確に捉えることができます。
苦痛をさらに軽減するための当院のアプローチは、患者様の選択肢を広げることにあります。
鎮静剤(麻酔)の使用
経口内視鏡検査では、ご希望に応じて鎮静剤を静脈から投与することで、患者様が眠っている間に検査を終えることができます。これにより、「気づいたら検査が終わっていた」というほど、快適な状態で精密な検査を受けることが可能です。
経口・経鼻の選択
鼻から細いスコープを挿入する経鼻内視鏡検査は、吐き気を感じる舌の根元に触れにくいため、えづきにくく、楽に検査を受けられるというメリットがあります。
さらに、当院では胃カメラと大腸カメラの同日検査にも対応しています。一度の来院と準備で両方の検査を終えられるため、お忙しい方や、通院の負担を減らしたい方にとって大きな利点となります。
【表3】くりた内科・内視鏡クリニックの胃カメラ検査が選ばれる理由
当院が選ばれる理由 | 具体的なメリット |
内視鏡専門医による検査 | 大学病院での豊富な経験と熟練した技術により、苦痛を最小限に抑え、正確な診断を実現します。 |
最新機器の導入 | オリンパスの最新式内視鏡システムを使用し、微細な病変も高画質で精密に観察できます。 |
鎮静剤(麻酔)の使用 | 眠っている間に検査が終わり、「いつの間にか終わっていた」と感じるほどの快適な検査を提供します。 |
経口・経鼻の選択 | 吐き気が苦手な方は経鼻内視鏡、より無痛を求める方は鎮静剤を用いた経口内視鏡など、患者様に合った検査方法を選択できます。 |
胃・大腸カメラの同日検査 | 一度の来院で済むため、お忙しい方や遠方の方の負担を大幅に軽減します。 |
くりた内科・内視鏡クリニックの治療方針
内視鏡検査で正確な診断がついた後は、患者様一人ひとりの症状と原因に合わせた最適な治療計画を立てます。診断はあくまでも治療の始まりであり、その後のケアこそが重要だと考えます。
生活習慣の改善
暴飲暴食やストレスが原因である場合は、食事内容や食べ方、睡眠、適度な運動など、根本的な生活習慣の見直しをアドバイスします。
薬物療法
胃炎や潰瘍、FDなどの病気には、胃酸の分泌を抑える薬(PPI、H2ブロッカーなど)や、胃の働きを改善する薬などを適切に処方します。
ピロリ菌の除菌治療
胃もたれや胃炎の原因がピロリ菌感染であることが判明した場合、除菌治療を強く推奨しています。除菌に成功すれば、胃潰瘍や胃がんのリスクを大幅に下げることができ、症状の再発予防にもつながります。
その不安、私たち専門医にご相談ください
「胃もたれ」は、体の重要なサインであり、決して軽視すべきではありません。原因が特定できないまま症状が続く方、市販薬では改善しない方、そして「胃カメラは苦しい」というイメージから検査をためらっている方は、ぜひ一度、くりた内科・内視鏡クリニックにご相談ください。
当院では、患者様の不安に寄り添い、内視鏡専門医による苦痛に配慮した質の高い検査を提供することで、正確な診断と適切な治療へと導きます。阪急大宮駅から徒歩2分とアクセスも良好で、Web予約にも対応しております。もしWeb予約に空きがない場合でも、お電話でご相談いただければ、柔軟に対応いたします。その胃の不快感、私たちと一緒に根本原因を突き止め、安心できる毎日を取り戻しましょう。