はじめに
「大腸カメラ検査」と聞くと、「痛そう」「恥ずかしい」「大変そう」といった不安を感じる方も多いかもしれません。しかし、大腸がんは日本で増加傾向にあり、特に40歳以上の方には定期的な検査が推奨されています。実際のところ、適切な準備と医師の技術によって、大腸カメラ検査はそれほど苦痛を伴わずに受けられるものです。特に当院では、内視鏡専門医による検査を行っており、苦痛を最小限に抑える工夫をしています。本記事では、大腸カメラ検査の必要性、検査の流れ、そして当院の検査の特長について詳しく解説していきます。
大腸カメラ検査について
大腸カメラは、肛門からカメラを挿入し、直腸、S状結腸、下行結腸、横行結腸、上行結腸の順の進め、盲腸まで到達させてから観察を開始します。挿入の基本は軸保持短縮法で、これで挿入できれば痛みはほとんど感じません。しかしながら、過去にお腹の手術をして癒着のある症例などでは、軸保持短縮法での挿入が困難な場合もあり、カメラを押す操作となってしまう時に痛みを伴います。S状結腸が長い症例でもカメラを押して挿入しなくてはならない場合も痛みを伴います。容易に軸保持短縮法で挿入できる症例は誰がカメラをしても苦痛なく検査することが可能ですが、そうでない場合は施行する医者の技量が問われます。難しいなかでもどうにか腸を伸ばさないように挿入することができれば苦痛は軽減します。以前大腸カメラを受けてとても辛かったという経験はそういうことが上手くいかなかった可能性があります。検査での苦痛の程度は施行する医師の技量で大きく変わります。上手な医師に大腸カメラをしてもらうと麻酔を使用していなくてもほとんど苦痛のないことがほとんどです。当院では内視鏡経験豊富な院長が検査を担当しており、実際の患者様のお声として「今までで最も楽だった」というお声を多々頂戴しておりますのでご安心して検査に臨んでいただけると思います。大腸カメラ検査は腹部症状のある方、健康診断の便潜血検査に引っかかった方は保険診療での検査となりますが、無症状の方・検診目的の方は人間ドックで検査をお受けいただくことになります。
人間ドックで大腸カメラを受けるメリット
人間ドックは、健康診断よりも詳細な検査を行うことで、病気の早期発見や予防を目的としています。しかし、一般的な人間ドックには大腸カメラ検査が含まれていないことが多く、便潜血検査のみで大腸の異常をチェックするケースが少なくありません。便潜血検査は大腸がんのリスクを判断するための一つの指標にはなりますが、ポリープや初期のがんは出血を伴わないこともあり、見逃される可能性があります。 そのため、人間ドックの一環として大腸カメラを受けることで、より確実に大腸の健康状態を確認することができます。
さらに、大腸カメラでは、異常が見つかった場合にその場でポリープを切除することが可能です。ポリープは時間とともに大きくなり、一部はがんに進行することがあります。早期の段階で発見し、切除することで、将来的なリスクを大幅に低減できます。人間ドックで大腸カメラを受けることで、追加の精密検査や再診の手間を省き、一度の検査で診断と治療を完了できる点も大きなメリットです。
大腸カメラ検査の必要性
大腸がんは、初期には自覚症状がほとんどないことが特徴です。症状が現れたときにはすでに進行しているケースも少なくありません。そのため、早期発見が非常に重要です。大腸カメラ(大腸内視鏡)検査は、直接大腸の粘膜を観察し、小さなポリープや炎症、がんの兆候を見つけることができます。
また、大腸カメラ検査では、ポリープが見つかった際にその場で切除することが可能です。大腸ポリープの一部は放置するとがん化する可能性があるため、早期に切除することで将来的な大腸がんのリスクを大幅に低減できます。このように、単なる診断だけでなく、予防的な治療も同時に行える点が、大腸カメラ検査の大きなメリットです。
大腸カメラ検査の流れ
大腸カメラ検査は、以下のような流れで進められます。
1. 事前準備
検査の2~3日前から食事制限が必要です。消化の良いものを摂るようにし、繊維質の多い食べ物(海藻・きのこ・ごぼうなど)は避けます。検査前日は、指定の検査食を摂取し、腸をきれいにする準備をします。
検査当日は、下剤を服用し、大腸内を完全に空にします。この準備をしっかり行うことで、検査中の視認性が向上し、より正確な診断が可能になります。
2. 検査前の処置
当院では、患者様の負担を最小限にするために、鎮静剤を使用した大腸カメラ検査を実施しています。鎮静剤を使うことで、ほとんど眠ったような状態で検査を受けることができ、不快感を感じることはほぼありません。
3. 内視鏡検査
内視鏡専門医が、肛門からスコープを挿入し、大腸の内部を詳しく観察します。最新の内視鏡機器を使用しており、より鮮明な画像で精密な診断が可能です。検査自体の所要時間は通常15〜30分程度です。
ポリープが見つかった場合は、その場で切除することが可能です。ポリープの大きさや性質に応じて、最適な処置を行います。
4. 検査後の休憩と説明
検査後は、鎮静剤の影響がなくなるまでリカバリールームで休んでいただきます。医師が検査結果を説明し、必要に応じて今後の治療や経過観察についてご案内します。
当院の大腸カメラ検査の特長
当院では、内視鏡専門医による高精度な検査を提供しています。専門医が行うことで、微細な異常も見逃さず、正確な診断が可能です。
また、鎮静剤を用いた苦痛の少ない検査を実施しており、不安を感じる方でも安心して受けられます。鎮静剤を使用することで、検査中に痛みや不快感をほとんど感じることなく、大腸の隅々までしっかり観察できます。
さらに、検査中にポリープが見つかった場合、その場でポリープ切除が可能です。これにより、別の日に再び処置を受ける必要がなく、一度の検査で治療まで完了できます。
まとめ
大腸カメラ検査は、決して怖いものではありません。適切な準備と内視鏡専門医の技術があれば、苦痛を感じることなく受けることができます。当院では、鎮静剤を使用した負担の少ない検査を提供しており、大腸ポリープの切除も同時に行うことが可能です。
人間ドックの際に大腸カメラを受けることで、より確実に大腸がんやポリープを発見し、将来的なリスクを減らすことができます。健康管理の一環として、大腸カメラ検査の追加をぜひご検討ください。