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悪性の胃ポリープとは?その見た目について

 

1. はじめに:胃ポリープとは

胃ポリープの定義

胃ポリープとは、胃粘膜の限局性増殖により内腔へ突出した病変の総称であり、一般的には良性の上皮性隆起性病変を指します。

 

胃ポリープの種類

胃ポリープの種類は、過形成性ポリープ、胃底腺ポリープ、炎症性線維性ポリープ、過誤腫様ポリープ、若年性ポリープなどがあり、なかでも過形成性ポリープと胃底腺ポリープが最も頻度が高いです。またポリープを100 個以上認める消化管ポリポーシスもあり、それには家族性大腸腺腫症、若年性ポリポーシス、Peutz-Jeghers 症候群、Cronkheit-Canada 症候群、Cowden 症候群、serrated polyposis syndrome、遺伝性胃底腺ポリポーシスなどがあります。


 

 

2. 胃ポリープの悪性化とは

悪性ポリープと良性ポリープの違い

悪性ポリープとは前述した良性ポリープが悪性化したもの、つまりはがん化したものとなりますが、そのほとんどが過形成性ポリープからの発がんです。過形成ポリープはヘリコバクター・ピロリ菌に感染した萎縮性胃炎の胃粘膜やA型胃炎という特殊な胃炎の胃粘膜から発生します。そのがん化率は1.5~3%とされ、ポリープが増大するほどがん化率は増加するとされています。一方、胃底腺ポリープはヘリコバクター・ピロリ菌未感染症例にみられることが多く、発がんのリスクは極めて低いポリープとなります。


胃ポリープが悪性化するリスク要因

胃ポリープが悪性化する要因ははっきりわかっていませんが、ヘリコバクター・ピロリ菌に感染しているのに除菌していない状況が続くとポリープも発がんし易くなると考えられます。早めのピロリ菌の除菌をお勧めします。


胃ポリープの悪性化が進行するとどうなるか

 悪性化したポリープを放置していると胃がんが進行していくことになります。早期がんであれば胃カメラで切除可能ですが、進行がんとなると外科切除が必要になります。さらに進行して遠隔転移が生じますと手術もできなくなってしまいます。

 

 

3. 悪性胃ポリープの見た目の特徴

見た目から分かる悪性の兆候

内視鏡での見た目で①大きさが2cm以上、②表面が赤くなってゴツゴツする、③シダ状に分かれた形態を呈する、④表面にびらんを伴っている、などが悪性化の兆候と言われています。


大きさや形状の変化

毎年胃カメラを受けている方でポリープの大きさが前回より大きくなっていたり、形がいびつになってきたりしていますと悪性の疑いが出てきます。

 

 

4. 胃ポリープの悪性化を見抜く方法

内視鏡検査による診断

ポリープは良性病変からがん化するまでには時間をかけてゆっくり進行します。また、ポリープ全体が同時にがん化するわけではなく、一部分にがん成分が混じってそこから広がっていきます。その一部分にがん成分が混じっているか見落としを防ぐためには、がんが疑われる部位の確実な生検が重要となります。がんの部分を認識してきちんと生検できていないと見落としに繋がります。これを防ぐために、高性能の内視鏡によるNBI・拡大観察というものが重要となります。NBI・拡大観察を行うことで通常の内視鏡で認識できない粘膜構造の変化を捉え、癌の診断が可能となり、正診率は100%になるという報告もあります。そのがんが疑われる部分をきちんと生検することで組織検査でのがんの確定診断が可能となるのです。ですから拡大機能付きの高性能の内視鏡設備の整った病院で検査を受けていただくことがとても重要となります。当クリニックではオリンパス社の最新式の光学拡大機能付きスコープであるGIF-XZ1200を備えており、こうした精密検査に対応しておりますのでご安心して検査を受けていただけます。

 

組織検査(生検)の重要性

ポリープが悪性であることの確定診断は生検での組織検査でもって行います。このため、きちんと内視鏡画像で悪性を疑う部分の生検検査を行う必要があります。

血液検査や画像診断の併用

血液検査で腫瘍マーカーの測定、貧血の確認も重要です。その他腹部超音波や腹部CT検査等の画像検査も組み合わせていくことも遠隔転移の有無の確認などに必要です。

 

 

5. 悪性胃ポリープの治療法

胃カメラでの内視鏡手術

悪性胃ポリープが早期がんの場合は、胃カメラを用いた内視鏡的粘膜下層はく離術(ESD)という治療法で完治します。

 

外科手術療法

がんが進行して粘膜下層浸潤を来たすと外科手術が必要となります。近年は手術方法も進歩しており、腹腔鏡下やロボット支援下手術などの低侵襲手術も可能となっています。

 

薬物療法

がんが肝臓や肺などの遠隔臓器に転移した状態で発見されますと外科手術も難しくなりますので、その際には抗がん剤治療が選択されます。 

 

 

6. 胃ポリープの予防と早期発見

定期的な検査の重要性

がんは早期発見がとても重要です。放置してがんが進んでしまいますと治らないこともございます。年に一度の胃カメラをお受けいただくなど、定期検査が大変重要となります。


健康的な生活習慣の維持

暴飲暴食はがんの進行を増長する可能性があります。健康的な生活習慣を心がけ、胃に負担のないようにしてください。

 

 

7. よくある質問(FAQ)

Q.胃ポリープの症状が悪化した場合の対応

早急に信頼のおける専門医を受診してください。

 

Q.悪性胃ポリープを予防するためには?

ピロリ菌に感染しているのに除菌していない方は早急に除菌治療を受けてください。

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