大腸憩室症とは?症状から予防、そして受診の目安まで専門医が解説
- くりた内科・内視鏡クリニック

- 8月2日
- 読了時間: 17分

大腸憩室症は、多くの方がご自身の体内で進行していることに気づかないまま過ごしている、比較的よく見られる消化器の病態です。しかし、時に深刻な合併症を引き起こす可能性も秘めており、その正しい理解と適切な対応が、皆様の健康な生活を守る上で非常に重要となります。このブログ記事では、大腸憩室症の基本的な知識から、特に注意すべき合併症、そして「くりた内科・内視鏡クリニック」が提供する診断・治療のアプローチについて、最新の医学的知見に基づきながら、分かりやすくご説明いたします。
大腸憩室症とは?
大腸憩室の定義と特徴
大腸憩室症とは、大腸の壁の一部が外側に向かって袋状に膨らみ、「憩室(けいしつ)」と呼ばれる小さなポケットが形成される状態を指します。これらの憩室は、大腸の筋肉層が薄く、血管が貫通しているような構造的に弱い部分に、腸管内の圧力が長期間にわたって繰り返し加わることで、徐々に形成されると考えられています。その大きさは数ミリメートルから2センチメートル程度と幅広く、一般的には5~10mm程度のものが多いとされています。
日本における大腸憩室症の現状と有病率
大腸憩室症は、特に年齢を重ねるごとにその有病率が高まることが知られています。40歳を過ぎると憩室が見つかる頻度が増加し、85歳以上の方では約66%もの割合で憩室が確認されるというデータもあります。日本国内においても、大腸憩室を持つ方の割合は10.9%から39.7%と報告されており、近年、その保有率は増加傾向にあるとされています。
日本は世界でも有数の高齢化社会であり、この大腸憩室の増加傾向は今後さらに加速すると考えられます。憩室そのものは多くの場合、症状を引き起こしませんが、憩室炎や憩室出血といった合併症のリスクは常に存在します。高齢化に伴い憩室を持つ方が増えることで、これらの合併症の発生も増加し、日本の医療システムにとって重要な課題となるでしょう。このため、大腸憩室症に関する正しい知識の普及と、合併症の早期発見・早期治療に向けた定期的な検査の重要性が、これまで以上に高まっています。
多くの場合、無症状であること
大腸憩室の大きな特徴は、ほとんどの場合、自覚症状がない「無症状」で経過することです。そのため、多くの方は、健康診断や他の目的で受けた大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の際に、偶然憩室が見つかることで初めてその存在を知ることになります。憩室があるだけであれば、通常、特別な治療は必要ありません。
大腸憩室ができる原因とリスク因子
大腸憩室の形成には、主に二つの要因が関わっていると考えられています。一つは、加齢に伴う大腸壁の筋肉層の脆弱化です。もう一つは、大腸内部の圧力上昇です。特に便秘などで便が腸内に長く留まると、それを排出しようと大腸が強く収縮し、この内圧が上昇することで、弱い部分が外側に押し出されて憩室が形成されやすくなります。
具体的なリスク因子としては、以下のような生活習慣や身体的特徴が挙げられます。
加齢:年齢を重ねるごとに、大腸の壁が弱くなり、憩室ができやすくなります。
食生活:食物繊維が不足した食生活は、便秘を招き、大腸内の圧力を高める主要な原因となります。また、高脂肪食や加工食品の過剰な摂取も、憩室の形成を促進する可能性が指摘されています。
便秘:慢性的な便秘は、腸内圧を上昇させ続けるため、憩室の形成だけでなく、憩室炎の発症リスクも高めます。
運動不足:運動不足は腸の動きを鈍らせ、便秘を引き起こしやすくなります。
肥満:肥満は、憩室の数が増えることや、炎症を引き起こしやすくなることに関連すると考えられています。
ストレス:精神的なストレスも、自律神経の乱れを通じて大腸の機能に影響を及ぼし、憩室形成の一因となる可能性が指摘されています。
喫煙・飲酒:喫煙や過度な飲酒も、大腸憩室出血のリスク因子となる可能性が報告されていますが、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や抗血小板薬と比較すると、その関連性は低いとする見解もあります。
これらのリスク因子を詳しく見ていくと、加齢、肥満、運動不足、食物繊維不足、便秘、高脂肪食といった要素が共通して挙げられていることがわかります。これらは、高血圧や糖尿病、脂質異常症など、現代社会に多い生活習慣病のリスク因子と重なる部分が非常に多いのが特徴です。この事実は、大腸憩室症が単に大腸だけの問題ではなく、現代の食生活やライフスタイルが引き起こす全身的な健康問題の一環として捉えられるべきであることを示唆しています。そのため、大腸憩室症の予防や再発防止に取り組むことは、消化器の健康を守るだけでなく、生活習慣病のリスクを減らし、結果として全身の健康寿命を延ばすことにも繋がる、総合的な健康管理のアプローチと言えるでしょう。当クリニックでは、腸の健康が全身の健康に深く関わっているという視点から、患者様一人ひとりの全体的な健康状態を考慮したアドバイスを提供し、皆様の健康をサポートいたします。
注意すべき合併症:憩室炎と憩室出血
大腸憩室症自体は無症状であることが多いですが、憩室に便などが詰まることで炎症を起こしたり、憩室内部の血管が破れて出血したりする合併症が問題となります。これらの合併症は、時に重篤な状態に進行する可能性があるため、注意が必要です。
大腸憩室炎について
憩室炎とは?(定義、発生メカニズム)
大腸憩室炎は、大腸の憩室に便や食べ物のカスなどが詰まり、血流が悪くなることで炎症が生じる病態です。憩室内に便が滞留すると、細菌が異常に増殖し、炎症が引き起こされることもあります。
主な症状
憩室炎の主な症状は、腹痛と発熱です。炎症が起きている部位に一致して痛みが生じ、初期にはチクチクとした軽い痛みや違和感として現れることが多いですが、炎症が進行すると持続的な強い腹痛へと変化することがあります。日本人では大腸の右側(上行結腸)に憩室炎が多く発生する傾向があるため、右下腹部に症状が出やすいとされています。その他、お腹の張り、便秘や下痢などの便通異常、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。歩くとお腹に響くような痛みや、市販薬では改善しない痛みが続く場合は、特に注意が必要です。
診断方法
憩室炎が疑われる際には、まず問診と身体診察が行われ、血液検査で炎症の程度(CRP値の上昇など)を確認します。炎症の広がりや重症度、さらには膿瘍(うみが溜まること)や穿孔(腸に穴が開くこと)といった合併症の有無を評価するために、腹部CT検査や腹部超音波検査が非常に有用です。炎症が落ち着いた後には、大腸内視鏡検査を受けることが強く推奨されます。これは、憩室の状態を詳しく確認するだけでなく、炎症の原因が大腸がんなどの他の重篤な病気ではないことを鑑別するためにも不可欠な検査です。
治療の基本
軽症の憩室炎(CT検査で膿瘍や穿孔が見られない場合)の多くは、腸を安静に保つことと、必要に応じて抗生物質を用いる治療で改善が期待できます。具体的には、一時的な絶食や、消化の良い食事への切り替え、点滴による水分・栄養補給などが行われます。最近の研究では、軽症例では抗菌薬を使わなくても良好な経過をたどることが多いという報告もありますが、炎症が強い場合や、高熱、激しい腹痛などの症状が続く場合は、入院して治療を行う必要があるケースもあります。特に、腸に穴が開く穿孔や、膿瘍の形成、大腸の狭窄といった重篤な合併症を伴う場合は、外科手術が必要となることもあり、このような重症例での死亡率は2.8%と報告されています。憩室炎の治療において、最も重要な要素の一つは「腸を安静にすること」です。炎症を起こしている腸への物理的・化学的な負担を減らすことで、腸本来の治癒力を最大限に引き出し、炎症の悪化を防ぎます。抗生物質は細菌感染が疑われる場合に有効ですが、不必要な使用は薬剤耐性菌の問題や腸内環境の乱れにつながる可能性も考慮されます。そのため、憩室炎の治療は、患者様の症状の重症度や合併症の有無に応じて個別に対応されるべきであり、医師による正確な診断と適切な判断が極めて重要です。患者様ご自身も「腸を休ませる」という意識を持つことが、治療効果を高める上で不可欠となります。
再発予防と生活習慣の改善
憩室炎は一度治っても再発する可能性があり、報告によると1年で8%、5年で17%、10年で22%程度の再発率が示されています。特に、膿瘍を伴う重症例や若年者では、再発のリスクが高まる傾向があります。再発を予防するためには、日々の生活習慣の改善が非常に重要です。具体的には、食物繊維を豊富に含むバランスの取れた食事、十分な水分補給、適度な運動、そしてストレスの適切な管理が推奨されます。特に、規則正しい便通を維持することは、憩室内に便が滞留するのを防ぐ上で極めて重要です。現時点では、憩室炎の再発を確実に防ぐための、エビデンスレベルの高い単一の予防法は確立されていません。しかし、食物繊維の摂取量を増やすことで再発率が低下したという報告や、メサラジンやリファキシミンといった薬剤が再発予防に有効である可能性も示唆されています。ただし、これらの薬剤の日本での保険適用状況や長期使用による影響については、さらなる検討が必要です。また、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアスピリンの常用は、憩室炎や憩室出血の再発リスクを高める可能性があるため、これらの薬剤を服用している場合は、必ず医師と相談し、中止や代替薬への変更を検討することが望ましいとされています。

大腸憩室出血について
憩室出血とは?(定義、発生メカニズム)
大腸憩室出血は、憩室の内部にある血管が損傷し、出血を来す病態です。憩室は、大腸壁の構造上、血管が貫通している脆弱な部分に形成されやすいため、出血しやすいという特徴があります。便の通過による物理的な刺激などが、血管の損傷を引き起こす一因と考えられています。
主な症状
憩室出血の主な症状は、鮮やかな赤色の便(鮮血便)や暗い赤色の便(暗赤色便)といった「血便」です。この出血の大きな特徴は、腹痛などの痛みを伴わないことが多い点にあります。そのため、突然の出血に患者様が強い不安を感じることも少なくありません。出血量が多い場合は、冷や汗、めまい、ふらつきなどを感じ、血圧低下や貧血による全身状態の不安定化を伴うこともあり、このような状況は緊急性が非常に高いと言えます。
診断方法
大腸憩室出血が疑われる場合、出血している正確な部位を特定することが非常に重要であり、そのためには大腸内視鏡検査が最も有効かつ推奨される診断方法です。内視鏡検査では、出血源を直接確認できるだけでなく、その場で止血処置を行うことも可能です。内視鏡で出血部位が特定できない場合や、出血が多量で緊急性が高い場合には、腹部造影CT検査や出血シンチグラフィーといった画像検査が追加で行われることもあります。
治療の基本
大腸憩室出血は、多くの場合(70~90%)自然に止血するとされています。このため、初期段階では経過観察が選択されることも少なくありません。しかし、同時に、止血後の再出血率が20~42%と高率であるという点も重要です。この二つの特性は、医療介入のタイミングと内容を決定する上で重要な意味を持ちます。
つまり、出血が確認された時点では自然止血を期待しつつも、高頻度で再出血するリスクがあるため、出血源の正確な特定と、再出血を予防するための生活指導や必要に応じた内視鏡的介入の検討が極めて重要となるのです。突然の血便で腹痛などの痛みを伴わない場合でも、症状が一時的に治まったからといって放置することは危険です。医療機関を受診し、出血源の特定と今後のリスク評価を行うことが、重症化や再発を防ぐ上で不可欠です。当クリニックでは、自然止血しやすいという情報をお伝えすることで患者様の不安を和らげつつ、専門的な診断と予防の重要性を強くお伝えしています。大腸憩室出血は、一時的に症状が治まっても再発リスクが高いという特性を理解し、初期の診断で出血源を特定し、再発予防策を講じるための専門的な医療介入が、患者様の長期的な健康管理において極めて価値があることを強調いたします。
内視鏡治療で止血が困難な場合や、再出血を繰り返す場合には、血管塞栓術(カテーテルを用いた治療)や、出血している大腸の一部を切除する外科手術が検討されることもあります。
こんな症状が出たらすぐに受診を!
大腸憩室症そのものは無症状で経過することがほとんどですが、憩室炎や憩室出血といった合併症は、放置すると重症化するリスクを伴います。特に以下のような症状が現れた場合は、速やかに消化器内科を受診することが強く推奨されます。
強い腹痛:冷や汗をかくほどの激しい腹痛、歩くとお腹に響く痛み、時間とともにどんどん増強する痛み。
発熱:腹痛を伴う発熱。
吐き気・嘔吐:腹痛に加えて吐き気や嘔吐を伴う場合。
血便:突然の鮮血便や暗赤色便。
繰り返す、または長引く腹痛:軽度であっても周期的に起こる痛みや、市販薬を飲んでも治らない痛みが続く場合。
これらの症状がある場合は、消化器内科または内科を受診することが適切です。憩室炎の治療は、腸を安静に保つことと抗生物質の使用が中心となるため、まずは内科的な対応が基本となります。しかし、症状が重症化したり、腸に穴が開く(穿孔)などの合併症が起こった場合は、手術が必要になることもあるため、消化器外科での対応に切り替わることもあります。症状がある場合は、重症化を避けるためにも、早めの受診が非常に大切です。
憩室炎の症状は腹痛や発熱など、他の消化器疾患と類似しているものが多く、ご自身での判断が難しい場合があります。また、憩室炎は軽症で済むことが多い一方で、腸に穴が開く穿孔や、膿瘍の形成といった重篤な合併症を引き起こす可能性も秘めています。さらに、憩室出血は痛みを伴わないことが多いにもかかわらず、多量出血の場合は緊急性が非常に高い状態です。これらの症状を自己判断で軽視したり、医療機関への受診を遅らせたりすると、正確な診断が遅れ、病状が重症化して入院や緊急手術が必要になるリスクが大幅に高まります。したがって、症状の程度にかかわらず、消化器の専門医による正確な診断と適切な治療方針の決定が、患者様の安全と予後を大きく左右します。特に、大腸内視鏡検査は、憩室症の診断だけでなく、憩室炎の炎症後の状態確認、そして憩室出血の止血治療という両面で非常に有効な手段となります。患者様には「少しでも異変を感じたら専門医に相談すること」の重要性を強く訴え、当クリニックの専門性、特に内視鏡診断・治療の強みをアピールする絶好の機会となります。
以下に、受診の目安となる症状と緊急度をまとめました。
【表1】受診の目安となる症状と緊急度
症状 | 緊急度 | 説明・備考 |
冷や汗をかくほどの強い腹痛 | 高 | 腸に穴が開いている、腹膜炎を起こしているなど、重篤な状態の可能性があります。速やかな受診が必要です。 |
歩くと響く痛み、どんどん増強する痛み | 高 | 炎症が広範囲に及んでいる、または重症化している兆候です。放置すると悪化する恐れがあります。 |
腹痛を伴う高熱(38℃以上) | 高 | 強い炎症や感染を示唆します。入院加療が必要になる場合もあります。 |
腹痛に吐き気や嘔吐を伴う | 高 | 腸の炎症が強く、機能が低下している可能性があります。脱水にも注意が必要です。 |
突然の鮮血便または暗赤色便 | 高 | 大腸からの出血を示唆します。痛みがない場合でも、多量出血の場合は緊急性が高いです。 |
軽い腹痛でも繰り返す、または長引く(数日以上) | 中 | 軽症の憩室炎や、他の消化器疾患の可能性も考えられます。早期に診断し、適切な治療を開始することが重要です。 |
便通異常(便秘・下痢)が続く | 中 | 憩室炎の症状の一つである可能性があります。また、便秘自体が憩室症のリスクを高めます。 |
腹部の膨満感や違和感が続く | 中 | 憩室炎の初期症状や、他の消化器系の不調の可能性があります。 |
大腸憩室症の予防と日常生活のポイント
大腸憩室症の予防、そして憩室炎や憩室出血といった合併症の再発予防には、日々の生活習慣の見直しが最も重要です。腸に優しい生活を心がけることが、大腸の健康を維持し、ひいては全身の健康にも繋がります。
バランスの取れた食生活
食物繊維の積極的な摂取
食物繊維は便の量を増やし、便を柔らかくすることで、便通を整え、大腸内圧の上昇を防ぐ効果が期待できます。特に、全粒粉製品、玄米、オートミールなどの穀物、豆類、ナッツ類、根菜類や緑黄色野菜などが推奨されます。ただし、急に多量の食物繊維を摂取すると、お腹の張りやガスの増加を招くこともあるため、徐々に量を増やすなど慎重な調整が必要です。
発酵食品の摂取
乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルト、納豆、味噌、漬物などの発酵食品は、腸内フローラのバランスを良好に保ち、腸の健康をサポートする可能性があります。
避けるべき食事
高脂肪の肉製品(特に牛肉の赤身肉の過剰摂取)や加工度の高いスナック菓子、インスタント食品、精白された粉製品などは、食物繊維が少なく消化に時間がかかり、大腸に負担をかけるため避けるべきです。また、エビやカニなどの甲殻類は、憩室内に詰まりやすく憩室炎の原因になることもあるため、注意が必要です。急性期には、カフェインやタンニンを多く含むコーヒー、紅茶、緑茶なども腸の動きを活発にしたり、便を硬くしたりする作用があるため、控えめにすることが推奨されます。
十分な水分摂取
水分不足は便秘の原因となるため、こまめな水分補給は便通を整える上で不可欠です。
適度な運動
適度な運動は、腸の蠕動運動を活発にし、便通の改善に繋がります。ウォーキングなどの軽い運動を毎日続けることが推奨されます。また、肥満は憩室炎の悪化因子でもあるため、適度な運動は体重管理にも役立ちます。
ストレス管理
ストレスは、自律神経やホルモンバランスの乱れを通じて消化器系の機能に影響を与えることがあります。規則正しい生活や十分な睡眠を心がけ、ストレスを適切に管理することも、大腸の健康維持に繋がります。
以下に、大腸憩室症の予防・管理に役立つ食事と避けるべき食事をまとめました。
【表2】大腸憩室症の予防・管理に役立つ食事と避けるべき食事
区分 | 役立つ食事(推奨) | 避けるべき食事(注意) | 備考 |
主食・穀物 | 全粒粉製品、玄米、オートミール、雑穀米、白米、うどん | 精白された粉製品(白いパン、うどんの食べ過ぎ)、加工度の高いスナック菓子、インスタント食品 | 食物繊維を意識しつつ、消化の良いものを選択。 |
野菜・果物 | 根菜類、緑黄色野菜、果物(食物繊維が豊富なもの) | 急性期は食物繊維の摂り過ぎに注意。硬いもの、消化しにくいものは避ける。 | 予防期は積極的に、急性期は消化の良い調理法で。 |
豆類・ナッツ類 | 豆類、ナッツ類(適量)、豆腐、味噌、納豆 | なし | 腸内環境を整える発酵食品も積極的に。 |
肉・魚・卵 | 白身魚、鶏むね肉(低脂肪のもの) | 高脂肪の肉製品(特に牛肉の赤身肉の食べ過ぎ) | 動物性脂肪は悪玉菌のエサになりやすい。 |
乳製品 | ヨーグルト、チーズ | なし | プロバイオティクスを含むものが推奨。 |
その他 | 十分な水分(水、ほうじ茶、麦茶などノンカフェイン飲料) | アルコール、カフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶)、香辛料、チョコレート、ケーキなどの脂っこいもの | 刺激物は腸に負担をかける可能性。 |
くりた内科・内視鏡クリニックでの診断と治療
大腸憩室症は、多くの場合無症状で経過するため、ご自身でその存在に気づくことは困難です。しかし、憩室炎や憩室出血といった合併症は、放置すると重症化するリスクがあるため、早期発見と適切な管理が極めて重要となります。
当「くりた内科・内視鏡クリニック」では、大腸憩室症の診断と治療、そして合併症の予防に力を入れています。大腸憩室を確実に診断し、憩室炎や憩室出血の原因を特定するためには、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)が最も有効な手段です。
当院では、日本消化器病学会および日本内視鏡学会の専門医が、高画質の内視鏡システムを用いて詳細な診断を行います。患者様に安心して検査を受けていただけるよう、全例に鎮静剤を使用し、しっかりと眠った状態で検査を行うことで、痛みや苦痛を最小限に抑えた内視鏡検査を追求しています。これにより、患者様はリラックスして検査に臨むことができ、医師はより正確で丁寧な観察を行うことが可能になります。
憩室炎を発症された方には、症状の程度に応じて、腸を安静にするための食事指導や、必要に応じた抗生物質による治療を適切に提供します。重症化のリスクがある場合には、速やかに連携病院への紹介も行い、患者様の安全を最優先に考えた医療を提供しています。また、憩室出血の際には、内視鏡による止血処置も可能です。
憩室炎が治癒した後も、再発予防のための生活習慣に関する具体的なアドバイスや、定期的な大腸カメラ検査による経過観察を通じて、患者様の長期的な健康をサポートいたします。

あなたの腸の健康のために
大腸憩室症は、年齢を重ねるごとに多くの人に現れる病態であり、普段は症状がなくても、憩室炎や憩室出血といった合併症を引き起こす可能性があります。これらの合併症は、時に緊急性の高い状態となるため、症状に気づいたら放置せず、速やかに専門医を受診することが何よりも大切です。
「くりた内科・内視鏡クリニック」では、消化器病専門医による質の高い大腸カメラ検査を通じて、大腸憩室症の早期発見と適切な管理をサポートしています。苦痛の少ない内視鏡検査で、ご自身の腸の状態を正確に把握し、合併症のリスクを低減し、健康な毎日を送るための一歩を踏み出しましょう。
お腹の不調や、血便などの気になる症状がある方はもちろん、健康診断で大腸憩室を指摘された方、あるいは大腸の健康に不安を感じる方は、どうぞお気軽に当「くりた内科・内視鏡クリニック」にご相談ください。当院は阪急「大宮」駅から徒歩2分とアクセスも便利です。



