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お知らせ・院長ブログ

夏の健康を守る!食中毒と感染性胃腸炎の予防と受診の目安【くりた内科・内視鏡クリニック】

  • 執筆者の写真: くりた内科・内視鏡クリニック
    くりた内科・内視鏡クリニック
  • 7月14日
  • 読了時間: 18分

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夏の胃腸トラブルにご用心!

夏の訪れとともに、私たちの生活は活気づきますが、同時に胃腸の健康には特別な注意が必要な時期となります。気温と湿度の上昇は、食中毒を引き起こす細菌の増殖を促し、また、感染性胃腸炎の流行にも拍車をかけます。せっかくの楽しい夏が、突然の腹痛、下痢、嘔吐といった不快な症状で台無しになってしまうことは避けたいものです。これらの胃腸の不調は、日々の生活に大きな支障をきたすだけでなく、場合によっては重篤な健康問題へと発展する可能性も秘めています。

本記事では、皆様が安心して夏を過ごせるよう、食中毒と感染性胃腸炎のそれぞれの特徴、具体的な予防策、そして「どのような症状が現れたら医療機関を受診すべきか」という重要な判断基準について、最新の知見に基づき、分かりやすく解説いたします。くりた内科・内視鏡クリニックは、地域の皆様の健康を最優先に考え、消化器専門医として質の高い医療を提供しています。夏の胃腸トラブルでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。私たちは、病気の治療はもちろんのこと、皆様が健康な毎日を送るためのパートナーとして、予防から治療、そしてその後のケアまで、きめ細やかにサポートさせていただきます。


夏の食中毒:原因と症状、徹底予防策

食中毒とは、細菌、ウイルス、あるいは自然界の毒素などが付着した食品を摂取することで引き起こされる、一連の健康被害を指します。特に夏場は、高温多湿という環境が食中毒菌にとって最適な増殖条件となるため、その発生リスクが飛躍的に高まります。


主な原因菌と症状

夏に特に警戒すべき細菌性食中毒の主な原因菌としては、鶏肉や牛肉に潜みやすい「カンピロバクター」、重篤な症状を引き起こす「腸管出血性大腸菌(O157やO111など)」、そして食品中で毒素を産生する「黄色ブドウ球菌」などが挙げられます。これらの細菌に感染した場合に共通して見られる症状は、吐き気、嘔吐、腹痛、そして水のような下痢です。発熱を伴うこともあり、初期段階では一般的な風邪と見分けがつきにくいこともあります。

特定の食中毒菌による感染は、一時的な胃腸の不不調に留まらず、深刻な合併症を引き起こす可能性も指摘されています。例えば、カンピロバクター感染症の多くは1週間程度で自然に回復しますが、ごく稀に、感染から数週間後に手足の麻痺、顔面神経麻痺、さらには呼吸困難を伴う「ギラン・バレー症候群」を発症するリスクが知られています。これは、食中毒が神経系に長期的な影響を及ぼす可能性を示しており、予防の重要性を一層高めます。また、腸管出血性大腸菌(O157など)による食中毒は重症化しやすく、特に免疫力の低いお子様やご高齢の方では、「溶血性尿毒症症候群(HUS)」といった命に関わる合併症を引き起こす危険性があるため、厳重な警戒が必要です。



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さらに、魚介類に寄生する「アニサキス」による食中毒も、生食の機会が増える夏場に多く報告されます。サバやイカなどの生食で激しい腹痛を引き起こしますが、一般的なお酢、醤油、わさびなどではアニサキスは死滅しないことが明らかになっています。この事実は、食文化における誤解を正し、適切な加熱処理や目視による確実な除去がいかに重要であるかを教えてくれます。食中毒が単なる消化器症状だけでなく、長期的な合併症や、一般的な知識では防ぎきれないリスクを伴うことを理解することは、日々の予防行動への意識を高める上で不可欠です。



食中毒予防の「3原則」と「6つのポイント」

厚生労働省が提唱する食中毒予防の基本は、「つけない」「増やさない」「やっつける」という3つの原則に集約されます。これらの原則は、食品の購入から調理、喫食、そして保存に至るまでの一連の過程において、食中毒菌を食品に付着させず、その増殖を抑制し、最終的に死滅させるための具体的な行動指針となります。


  1. つけない (清潔の徹底): 食中毒の原因となる菌やウイルスを食品や調理器具に持ち込まないことを意味します。これには、調理前の徹底した手洗い、肉や魚を扱った後の手洗い、そして調理器具の洗浄と消毒が不可欠です。

  2. 増やさない (迅速な冷却と管理): 食品に万が一菌が付着してしまった場合でも、その増殖を最小限に抑えることを指します。多くの細菌は10℃以下で増殖速度が鈍化し、-15℃以下では増殖が停止するため、食品を速やかに冷蔵または冷凍保存することが極めて重要です。

  3. やっつける (十分な加熱): 食品や調理器具に付着した菌を確実に殺菌することを意味します。ほとんどの細菌やウイルスは加熱によって死滅するため、食品の中心部まで十分に火を通すことが、最も効果的な予防策となります。


これらの3原則を、ご家庭で実践するための具体的な「6つのポイント」は以下の通りです。

買い物時

購入する際は、必ず消費期限を確認しましょう。肉や魚などの生鮮食品や冷凍食品は、買い物の最後にカゴに入れるのが賢明です。

肉や魚は、他の食品への汁漏れを防ぐため、個別にビニール袋に入れてください。購入後は寄り道をせず、速やかに帰宅し、冷蔵庫や冷凍庫へ保管しましょう。エコバッグも、肉や魚の汁、野菜の土などが付着することがあるため、定期的に洗い、乾燥させることで、菌の増殖を防ぎ、新たな食品への汚染を防ぐことができます。


家庭での保存

購入した食品は、帰宅後すぐに冷蔵庫(10℃以下)や冷凍庫(-15℃以下)に保管してください。

肉や魚は、ビニール袋や密閉容器に入れ、他の食品への汚染を防ぎましょう。

冷蔵庫に食品を詰め込みすぎると、冷気の循環が悪くなり冷却効果が低下するため、適度なスペースを保つことが重要です。

作り置きした料理は、調理後すぐに小分けにしてできるだけ早く冷まし、冷蔵庫に保存します。冷蔵庫内でも細菌はゆっくりと増殖するため、過信せず、できるだけ早めに食べきることをお勧めします。


下準備

調理を始める前、生の肉や魚、卵などを扱った後、トイレに行った後など、こまめに石鹸で手を洗いましょう。

野菜などの食材も、カット野菜を含め、流水で丁寧に洗ってください。

生肉や魚の汁が、果物やサラダなど生で食べるもの、あるいはすでに調理済みの食品にかからないよう、細心の注意を払いましょう。

包丁やまな板は、肉用、魚用、野菜用と使い分けることで、交差汚染のリスクを大幅に低減できます。

冷凍食品の解凍は、冷蔵庫内または電子レンジを使用し、自然解凍は避けましょう。また、必要な分だけ解凍し、一度解凍したものを再冷凍することは、品質と安全性の観点から避けるべきです。

使用後のふきんやタオル、調理器具は、洗剤でよく洗った後、熱湯をかけるか塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)などで殺菌・消毒を徹底し、しっかりと乾燥させることが大切です。


調理

調理を始める前にも、再度手を洗いましょう。

肉や魚は、中心部まで十分に加熱することが最も重要です。目安としては、中心部が75℃で1分間以上加熱することです。特に二枚貝など、ノロウイルスの汚染が懸念される食品については、中心部を85℃~90℃で90秒間以上加熱することが推奨されます。

鶏肉やレバーを生で食べることは非常に危険です。また、ジビエ(シカ肉、イノシシ肉など)も、必ず中心部まで火が通るようにしっかりと加熱してください。


食事

食事を始める前にも、石鹸で手を洗い、清潔な食器を使用しましょう。

調理した料理は、長時間室温に放置しないようにしましょう。


残った食品

残った食品を扱う前にも手を洗い、清潔な容器に保存します。

温め直す際も、中心部まで十分に加熱してください。

時間が経ちすぎたものや、少しでも「おかしい」と感じた場合は、もったいなくても思い切って捨てる判断が、ご自身の健康を守る上で非常に重要です。


これらの予防策は、単独で実践するのではなく、食品の購入から消費に至るまでの一連の過程で継続的に実践されるべき「予防の連鎖」を形成します。例えば、エコバッグの汚れや生肉の取り扱いにおける不注意など、一見些細に見える行動がこの連鎖を断ち切り、食中毒のリスクを高める可能性があります。個々の行動が全体の安全性にどのように寄与するかを理解することは、予防意識の向上に繋がります。


表1:食中毒予防の3原則と実践ポイント

食中毒予防の3原則

実践ポイント(具体的な行動例)

つけない(清潔)

・こまめな手洗い(石鹸と流水で指の間や爪の先まで丁寧に)

・調理器具(包丁、まな板)の肉用・魚用・野菜用の使い分け

・生肉や魚の汁が他の食品にかからないよう細心の注意

・エコバッグの定期的な洗浄・乾燥

増やさない(迅速・冷却)

・食品購入後、速やかに冷蔵庫(10℃以下)や冷凍庫(-15℃以下)に保管

・肉や魚は密閉容器やビニール袋に入れ、他の食品と分けて保存

・冷蔵庫に食品を詰め込みすぎない(冷気の循環を確保)

・作り置きは小分けにして早く冷却し、早めに食べきる

やっつける(加熱)

・肉や魚は中心部まで十分に加熱(目安:75℃で1分間以上)

・使用後のふきんや調理器具の熱湯消毒・殺菌(塩素系漂白剤も有効)

・冷凍食品の解凍は冷蔵庫や電子レンジを使用し、自然解凍は避ける

この表は、複雑な予防策を簡潔にまとめ、読者が日々の生活で実践しやすいように整理されています。各原則と具体的な行動を結びつけることで、予防行動の理解を深め、実践への障壁を低減する効果が期待されます。



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夏の感染性胃腸炎:食中毒との違いと注意点

感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌が胃腸に感染し、炎症を引き起こすことで、下痢や嘔吐などの症状を呈する病気です。食中毒と症状が似ているため混同されがちですが、その感染経路や流行のパターンには明確な違いがあります。


主な原因と症状

夏場に多く見られる感染性胃腸炎の原因菌としては、食中毒と同様に「腸炎ビブリオ」「病原性大腸菌」「カンピロバクター」といった細菌が挙げられます。これらの細菌は、加熱が不十分な食品や汚染された水などを介して感染することが一般的です。

一方で、主に秋から冬にかけて流行のピークを迎えるノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス性胃腸炎も、夏場に全く発生しないわけではありません。特に、不規則な生活や夏の暑さによる疲労で体力が低下していると、免疫力が落ち、ノロウイルスに感染する可能性も指摘されています。これは、感染症の予防が単に外部からの病原体の侵入を防ぐだけでなく、ご自身の体調管理によっても感染リスクが変動することを示唆しています。体調が優れない時や疲労が蓄積している時は、普段よりも感染症に対する抵抗力が低下するため、より一層の注意が必要となります。

感染性胃腸炎の主な症状は、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発熱などであり、食中毒の症状と非常に似ています。


食中毒との違いと共通点

食中毒と感染性胃腸炎は、どちらも胃腸に炎症を引き起こし、似たような症状を呈するという共通点があります。また、予防の基本として手洗いや食品衛生が重要である点も共通しています。

しかし、両者には明確な違いが存在します。食中毒は、特定の食品を介して、その食品に含まれる病原体や毒素によって発症することが多く、原因となる食品が比較的特定しやすいのが特徴です。これに対し、感染性胃腸炎は、感染経路が食品だけでなく、感染者の便や吐物からの接触感染(ヒトからヒトへの感染)も大きな要因となります。このため、原因となる食品が特定できない場合も多く、保育園や学校、家庭内などで広範囲での流行が見られることがあります。この感染経路の違いは、予防策を講じる上で極めて重要であり、食中毒が食品の管理に重点を置くのに対し、感染性胃腸炎は個人衛生、特に手洗いの徹底がより強調される理由となります。


基本的な予防策

感染性胃腸炎の予防には、以下の対策が効果的です。

  • 手洗いの徹底:食事の準備前、食事前、トイレの後、生の肉や魚を扱った後、おむつ交換後など、こまめな手洗いが最も重要です。流水と石鹸で指の間や爪の先まで丁寧に洗いましょう。

  • 食品の適切な管理:食中毒予防と同様に、食品の適切な保存と十分な加熱が重要です。特に、生食する野菜は流水でよく洗い、肉や魚は中心部までしっかりと加熱します。

  • 体調管理:夏の暑さによる疲労や不規則な生活は免疫力を低下させ、感染リスクを高めるため、十分な休息と栄養摂取で体調を整えることも大切です。健康な状態を保つことは、病原体に対する体の防御力を高める上で不可欠です。

  • 感染者との接触注意:感染性胃腸炎の患者さんがいる場合は、タオルを共有しない、トイレ使用後の消毒を徹底するなど、二次感染を防ぐための対策が必要です。吐物や便の処理には特に注意し、手袋やマスクを着用し、処理後は念入りに手洗いを行いましょう。


これらの予防策は、症状が類似していても感染経路が異なる場合があるため、食中毒予防と合わせて多角的に取り組む必要があります。特に、ご自身の免疫状態が感染症への感受性に影響を与えるという理解は、日々の健康管理のモチベーションを高める上で役立ちます。



「あれ?おかしいな」と感じたら:病院受診の目安

食中毒や感染性胃腸炎の症状が現れた場合、自己判断せずに、早めに医療機関を受診することが非常に重要です。特に食中毒が疑われる場合は、様子を見るよりも速やかな受診が推奨されます。正確な原因菌やウイルスの特定、そして症状に応じた適切な治療のためには、専門医の診察が不可欠です。


すぐに医療機関を受診すべき具体的な症状(レッドフラッグ)

以下の症状に該当する場合や、特に注意が必要な方は、速やかに医療機関を受診してください。これらの客観的な指標は、「体調が悪い」という主観的な感覚を超えて、医療機関を受診すべき明確な判断基準を提供します。

  • 高熱:38.5℃以上の高熱が持続する場合。

  • 激しい腹痛:我慢できないほどの激しい腹痛、または腹痛が下腹部に移動してきた場合。

  • 血便・粘液便・黒色便:便に鮮血が混じる、タールのような黒い便が出る、粘液が混じる場合。これらの便の異常は、消化管の損傷や特定の病原体による重篤な感染を示唆する可能性があります。

  • 激しい嘔吐・水分摂取困難:嘔吐が止まらず、ほとんど水分が摂れない、短期間に何度も嘔吐を繰り返す場合。これは脱水症状に直結するため、特に危険です。

  • 脱水症状:口の渇き、尿量の著しい減少、めまいや立ちくらみ、全身の倦怠感などの脱水症状が見られる場合。脱水は、特に乳幼児や高齢者において、急速に進行し、生命にかかわる状態になることがあります。

  • 下痢の持続:下痢が3日以上続く場合。

  • 意識障害:意識が朦朧とする、呼びかけへの反応が鈍いなど、意識レベルに異常が見られる場合(この際は迷わず救急車を呼ぶことも検討してください)。

  • 新たな症状の出現:発症時には見られなかった、これまで経験のない新たな症状が現れた場合。


特に注意が必要な対象者

症状の重さだけでなく、患者様の背景も受診の判断に大きく影響します。以下のグループに属する方は、症状が比較的軽くても早めに医療機関を受診することが強く推奨されます。

  • 乳幼児やご高齢の方: 免疫力が弱く、脱水症状を起こしやすいため、症状が軽くても早めの受診が必要です。特にご高齢の方では、嘔吐物が誤って気管に入り、誤嚥性肺炎を起こすリスクもありますので、細心の注意が必要です。

  • 持病のある方: 糖尿病や腎臓病などの基礎疾患をお持ちの方は、胃腸炎の症状が悪化しやすく、基礎疾患そのものにも悪影響を及ぼす可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。

  • 免疫力が低下している方: 治療中の病気や服薬などで免疫機能が低下している方も、重症化のリスクが高いため、早めの受診が推奨されます。


これらの患者様の脆弱性は、症状の重篤度と相まって、医療介入の緊急性を高めます。例えば、健康な成人であれば自宅での水分補給で回復する程度の症状でも、乳幼児や高齢者、持病を持つ方にとっては、迅速な医療的評価と介入が不可欠となる場合があります。これは、症状そのものだけでなく、患者様の全体的な健康状態を考慮した上で、受診の判断を下すことの重要性を示しています。


受診の際に持参すると良いもの

医療機関を受診される際は、可能であれば下痢便を清潔な容器に入れてご持参ください。これにより、便培養検査などによる原因菌の特定がスムーズに進む場合があります。また、食中毒が強く疑われる場合は、疑わしい食べ物も少量ご持参いただくと、診断の助けになることがあります。


表2:食中毒・感染性胃腸炎で受診を検討すべき症状チェックリスト

症状の項目

具体的な目安・説明

受診の緊急度

特に注意が必要な方

高熱

38.5℃以上が続く

速やかに受診

乳幼児、高齢者、持病のある方、免疫力低下者

激しい腹痛

我慢できないほどの痛み、または痛みが移動してきた

速やかに受診

同上

血便・粘液便・黒色便

便に血が混じる、タールのような黒い便、粘液が混じる

速やかに受診

同上

激しい嘔吐・水分摂取困難

嘔吐が続き、ほとんど水分が摂れない、短期間に何度も繰り返す

速やかに受診

乳幼児、高齢者、持病のある方、免疫力低下者

脱水症状

口の渇き、尿量の減少、めまい、立ちくらみ、倦怠感

速やかに受診

乳幼児、高齢者、持病のある方、免疫力低下者

下痢の持続

下痢が3日以上続く

速やかに受診

同上

意識障害

意識が朦朧とする、呼びかけへの反応が鈍い

救急外来も検討

同上

新たな症状の出現

発症時には見られなかった新たな症状

速やかに受診

同上

このチェックリストは、読者がご自身の症状を客観的に評価し、適切なタイミングで医療機関を受診するための具体的な指針となります。特に、症状と患者様の脆弱性を組み合わせた判断基準は、重症化リスクの高いケースを見逃さないために極めて重要です。



くりた内科・内視鏡クリニックでの診断と治療

くりた内科・内視鏡クリニックでは、食中毒や感染性胃腸炎の患者様に対し、迅速かつ的確な診断と治療を提供しています。消化器専門医が在籍しており、胃腸のトラブルに関する深い専門知識と豊富な経験に基づいた診療が可能です。


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総合的な診断アプローチ

当クリニックでは、患者様の症状や原因を正確に把握するため、丁寧な問診を最も重視しています。直近の食事内容、ご家族や周囲の感染状況、海外渡航歴、現在服用中の薬剤の有無など、詳細な情報を丁寧に聴取し、総合的に原因を推定します。

必要に応じて、血液検査で炎症反応や白血球の数を調べたり、便培養検査で原因菌を特定したりすることもあります。ただし、便検査は結果判明まで数日かかることもあり、その間に症状が軽快することも少なくありません。そのため、症状や問診から「感染性胃腸炎」と診断できる場合は、検査結果を待たずに治療を開始することもあります。病原体が特定されなくても、治療方法や感染対策に大きな違いがない場合も多いため、患者様は安心して治療を受けることができます。このアプローチは、患者様の苦痛を早期に和らげることを優先しつつ、必要に応じて詳細な検査を行うという、臨床的な判断の柔軟性を示しています。


患者様に合わせた治療法

胃腸炎治療の基本は、ご自宅での安静と十分な水分補給です。しかし、症状の程度や原因に応じて、最適な治療が行われます。

  • ウイルス性胃腸炎の場合:ウイルスに対する特効薬は存在しないため、整腸剤や吐き気止めなどの対症療法を行い、症状を和らげながら自然な回復を促します。

  • 細菌性胃腸炎の場合:細菌感染が原因と診断された場合や、重症化のリスクが高い場合には、必要に応じて抗生物質の点滴や内服が行われます。

  • 脱水症状の場合:嘔吐や下痢が続き、水分が十分に摂れない場合は、点滴による水分・電解質補給で脱水症状を改善させます。特に、乳幼児や高齢者は脱水になりやすいため、早期の点滴治療が重要となることがあります。


患者様ご自身が自己判断で治療を行うことは避け、専門医の指示に従うことが、適切な回復への近道となります。当クリニックでは、患者様の状態を注意深く見極めながら、個々の状況に合わせた最適な治療方針を決定いたします。


クリニックの専門性と患者中心のケア

くりた内科・内視鏡クリニックは「消化器内科」を専門とし、消化器病専門医および消化器内視鏡専門医が在籍しています。食中毒や感染性胃腸炎は消化器系の疾患であり、専門医による的確な診断と治療が可能です。このような専門性は、一般的な内科では見逃されがちな微妙な症状の変化や、より複雑な消化器疾患の鑑別において、特にその価値を発揮します。

特に、当クリニックではオリンパス社の最新内視鏡システムを導入し、4Kモニターも採用するなど、大学病院レベルの検査・処置が可能です。通常、急性胃腸炎の診断に内視鏡検査が必要となることは稀ですが、症状が長引く場合や、他の消化器疾患(例えば炎症性腸疾患や潰瘍など)が疑われる場合には、精密な検査が不可欠となります。


「内視鏡検査は怖い」という苦手意識を持つ患者様も少なくありませんが、当クリニックでは、数万件の内視鏡経験を持つ熟練医が検査を行います。経鼻カメラの使用、鎮静剤の使用、検査後の腹部の膨らみを軽減するための炭酸ガス利用など、患者様の苦痛を少しでも軽減できるよう最大限配慮し、丁寧な検査を提供しています。この患者様中心のアプローチは、急性期の胃腸炎治療だけでなく、その後の消化器全体の健康管理へと繋がる重要な要素となります。急性期の症状で来院された患者様が、クリニックの専門性と患者様への配慮を経験することで、将来的な健康診断や他の消化器に関するご相談の際に、再び当クリニックを訪れるきっかけとなることが期待されます。



結論:夏の健康とくりた内科・内視鏡クリニックの役割

夏の胃腸トラブルは、日頃の予防対策を徹底することで、そのリスクを大きく減らすことが可能です。しかし、万が一「おかしいな」と感じた場合は、症状の進行や重症化を防ぎ、早期回復を促すためにも、我慢せずに早めに医療機関を受診することが最も重要です。特に、高熱、激しい腹痛、血便、脱水症状など、特定の「レッドフラッグ」となる症状が見られる場合や、乳幼児、高齢者、持病のある方など、重症化しやすいリスクグループに属する方は、迷わず専門医の診察を受けるべきです。


くりた内科・内視鏡クリニックでは、消化器専門医として、患者様一人ひとりの症状に真摯に向き合い、最新の医療設備と熟練の技術で、安心で質の高い医療を提供しています。急性期の胃腸炎治療はもちろんのこと、その後の消化器に関するご不安や健康のお悩みにも、包括的に対応できる体制が整っています。当クリニックの専門性と患者様への寄り添いは、地域住民の皆様が安心して夏の健康を維持するための強力なサポートとなります。皆様の夏の健康を、クリニック一丸となってサポートいたします。


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