top of page
六地蔵の内視鏡クリニック.jpeg

Information

お知らせ・院長ブログ

猛暑を乗り切る! 熱中症の正しい予防と対策

  • 執筆者の写真: くりた内科・内視鏡クリニック
    くりた内科・内視鏡クリニック
  • 6月30日
  • 読了時間: 5分

更新日:8月1日

ree

今年もまた、蒸し暑い日本の夏がやってきました。年々厳しさを増す夏の暑さの中で特に注意が必要なのが熱中症です。熱中症は、気温や湿度が高い環境に体が適応できず、体温調節機能がうまく働かなくなることで起こる様々な症状の総称です。最悪の場合、命に関わることもあるため、正しい知識を持ち、予防と対策を講じることが非常に重要です。くりた内科・内視鏡クリニック院長の栗田 亮が、エビデンスに基づいた熱中症の予防と対策について、わかりやすく解説します。


熱中症はなぜ起こるのか?なぜ危険なのか

私たちの体は、常に一定の体温を保とうとしています。暑い環境下では、汗をかいたり、皮膚の血管を広げたりして熱を体の外へ逃がし、体温を下げようとします。しかし、気温や湿度が高すぎると、これらの体温調節機能が追いつかなくなり、体内に熱がこもってしまいます。これが熱中症の始まりです。


さらに、体から水分や塩分が失われると、血液の循環が悪くなり、体温調節機能がさらに低下します。高齢者の方や小さなお子様、持病をお持ちの方は、特に注意が必要です。


熱中症が危険な理由は、その症状が多岐にわたり、進行すると脳や腎臓などの臓器に深刻なダメージを与える可能性があるためです。軽度な熱中症では、めまいや立ちくらみ、筋肉のこむら返りなどが現れますが、重症化すると意識障害やけいれん、高体温となり、死に至ることもあります。


熱中症の症状と重症度

熱中症の症状は、その重症度によって分類されます。


重症度分類

主な症状

Ⅰ度(軽症)

  • めまい、立ちくらみ

  • 手足のしびれ

  • 筋肉のこむら返り(熱けいれん)

  • 大量の発汗

Ⅱ度(中等症)

  • 頭痛、吐き気、嘔吐

  • 倦怠感、体がだるい

  • 集中力や判断力の低下

  • 体温の上昇

Ⅲ度(重症)

  • 意識障害(呼びかけに応じない、返事がおかしい)

  • けいれん

  • まっすぐ歩けない

  • 体温が非常に高い(40℃以上になることも)

  • 多臓器不全

これらの症状に気づいたら、すぐに適切な処置を行うことが重要です。特にIII度の症状が見られる場合は、ためらわずに救急車を呼ぶ必要があります。



熱中症の予防策:今日からできること

熱中症は予防が何よりも大切です。以下の点を心がけて、暑い夏を健康に過ごしましょう。


1. 水分補給をこまめに

喉が渇いたと感じる前に、意識的に水分を摂ることが重要です。汗をかくと、水分だけでなく塩分も失われます。


  • 何を飲むか: 水やお茶だけでなく、スポーツドリンクや経口補水液のように、電解質(塩分など)を含む飲料も効果的です。特に、大量に汗をかく場合は、スポーツドリンクなどを活用しましょう。

  • どのくらい飲むか: 個人の活動量や体質によって異なりますが、目安として、1時間にコップ1~2杯程度を、複数回に分けて摂取すると良いでしょう。

  • 注意点: アルコールやカフェインを多く含む飲料は、利尿作用があるため、かえって脱水を進める可能性があります。


2. 暑さを避ける工夫

  • 涼しい場所で過ごす: エアコンや扇風機を適切に使い、室温を快適に保ちましょう。日中の暑い時間帯は、できるだけ屋外での活動を避けるのが賢明です。

  • 服装の工夫: 吸湿性や速乾性に優れた素材の衣服を選び、ゆったりとした服装で熱がこもらないようにしましょう。屋外では、帽子や日傘の活用も有効です。

  • 日中の外出を控える: 特に気温が高くなる午後2時から4時頃は、外出を控えるか、屋内での活動に切り替えることをお勧めします。


3. 体調管理の徹底

  • 十分な睡眠: 睡眠不足は体温調節機能の低下を招きます。日頃から規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠時間を確保しましょう。

  • バランスの取れた食事: 疲労回復を促し、体力を維持するためにも、バランスの取れた食事は不可欠です。特に夏バテで食欲がない時でも、無理のない範囲で栄養を摂るようにしましょう。

  • 急な環境変化に注意: 普段から暑さに慣れていない人が、急に暑い環境に長時間いると熱中症になりやすい傾向があります。徐々に体を慣らすように心がけましょう。



熱中症になってしまった場合の応急処置

もし、ご自身や周りの人が熱中症の症状を示したら、以下の応急処置を速やかに行いましょう。

  1. 涼しい場所へ移動: 日陰やエアコンの効いた室内など、涼しい場所に移動させましょう。

  2. 体を冷やす:

    • 衣服をゆるめ、体からの熱放散を促します。

    • 首筋、脇の下、足の付け根など、太い血管が通っている場所を氷や冷たいタオルで冷やしましょう。

    • 濡らしたタオルで体を拭き、扇風機などで風を送って気化熱を利用するのも効果的です。

  3. 水分・塩分補給: 意識がはっきりしている場合は、スポーツドリンクや経口補水液を少量ずつ、ゆっくりと飲ませましょう。

  4. 医療機関への相談:

    • 意識がもうろうとしている、呼びかけに反応しない、けいれんがあるなど、症状が重い場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

    • 症状が軽度であっても、改善が見られない場合は、医療機関を受診することをお勧めします。


ree


くりた内科・内視鏡クリニックから皆様へ

熱中症は、適切な予防と迅速な対応で防ぐことができる病気です。しかし、「自分は大丈夫だろう」と過信せず、日頃から予防意識を持つことが大切です。


もし、熱中症の症状で体調が優れない、何となく体調が悪いけれど熱中症かどうか判断に迷うといった場合は、我慢せずにくりた内科・内視鏡クリニックにご相談ください。院長の栗田 亮をはじめ、スタッフ一同、皆様の健康をサポートできるよう、丁寧な診療を心がけています。


当クリニックでは、一般的な内科疾患の診療だけでなく、消化器内科を専門としており、特に胃や大腸の内視鏡検査にも力を入れています。熱中症予防はもちろんのこと、日頃からの健康管理について何か不安なことがございましたら、お気軽にご来院ください。

bottom of page