意外と放置されている高齢者の高血圧~無症状だからといって放置しておくと恐ろしいことに~
- くりた内科・内視鏡クリニック
- 6月14日
- 読了時間: 16分

はじめに:その「大丈夫」が危ない!高齢者の高血圧、なぜ放置されがちなのか?
高齢者の高血圧は「サイレントキラー」
高齢者の高血圧は、その有病率が非常に高いにもかかわらず、自覚症状がほとんどないため、多くの方が「たいしたことはないだろう」「自分は大丈夫」と放置しがちです。しかし、この「サイレントキラー」は、気づかないうちに体の中で恐ろしい事態を引き起こしています。オムロンヘルスケアの調査では、高血圧と診断された50〜60代の約3人に1人が「そのまま放置」している実態が明らかになっています。その理由の半数以上が「一時的な症状で時間が経てば治ると思った」という誤った認識によるものです。
厚生労働省のデータも、生活習慣病において自覚症状がない患者は、医療機関を受診するまでの期間が長い傾向にあることを示しており、高血圧のような症状に乏しい病気では、診断や治療開始が遅れる傾向があることが裏付けられています。このような高血圧の無症状性は、患者に誤った安心感を与え、病気に対する認識の低下や治療への無関心を引き起こします。この心理的な障壁が、受診の遅延や治療の中断へとつながり、結果として病状が進行し、重篤な合併症のリスクを高めるという悪循環を生み出しています。これは、単に「高血圧は危険だ」と伝えるだけでなく、患者の心理的な側面を深く理解し、その障壁を乗り越えるためのコミュニケーションが不可欠であることを示しています。
高齢者の血管と高血圧の関係
加齢とともに、血管は硬くもろくなり、弾力性が失われます。これは「動脈硬化」と呼ばれ、血管の老化現象の一つです。血管が硬くなると、血液を全身に送り出すために心臓がより強い力で血液を押し出す必要が生じ、結果として血圧が高くなります。日本老年医学会の資料によれば、高齢者では加齢に伴い血管の弾力性が低下することで収縮期血圧の上昇が見られる一方で、拡張期血圧は低めに出ることが多いという特徴があります。高齢者の高血圧の多くは、このような血管の老化が原因であると考えられています。
加齢による動脈硬化は、高齢者の高血圧が「年だから仕方ない」と見過ごされやすい原因となりがちです。しかし、この血管の老化は、高血圧によってさらに進行し、既に脆弱な血管が脳卒中や心臓病といった重篤な合併症を引き起こしやすくなる根本的なメカニズムです。つまり、「年だから高血圧は自然なこと」という認識は、むしろ「年だからこそ、血管の脆弱性を考慮し、より積極的に高血圧を管理する必要がある」という重要な事実を見過ごしてしまう危険性があるのです。
放置すると「恐ろしいこと」に!高血圧が招く重大な病気
高血圧を放置することは、全身の血管に持続的な負担をかけ、様々な臓器に深刻なダメージを与えます。日本高血圧学会の資料は、血圧が高くなるほど、全心血管病、脳卒中、心筋梗塞、慢性腎臓病などの罹患リスクおよび死亡リスクが高まることを明確に示しています。特に、命に関わる脳心血管病や、生活の質を著しく低下させる腎臓病、認知症のリスクが飛躍的に高まることが知られています。高血圧(診察室血圧140/90 mmHg以上、家庭血圧135/85 mmHg以上)を放置しておくと、動脈硬化が進行し、命に関わる病気を招く恐れがあるため、血圧を指摘された場合は、必ず医療機関を受診することが重要です。
日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2019」の序文では、「高血圧症は脳心血管病(脳卒中および心疾患)の最大の危険因子」であると明記されています。過去50年間で脳心血管病による死亡率は大幅に低下したものの、高齢者においては癌とほぼ同程度の死亡原因となっており、血圧の十分なコントロールが強く求められています。高血圧の放置が引き起こす合併症は、単一の疾患に留まらず、全身の血管系に影響を及ぼし、脳心血管病が癌と並ぶ高齢者の主要な死因であるという事実は、高血圧管理が単に特定の病気を予防するだけでなく、全身の臓器機能維持と健康寿命の延伸に不可欠であることを強く示唆しています。これは、患者が「高血圧」という病名だけでなく、その背後にある「全身の血管の老化と機能不全」という根本的な脅威を理解する上で極めて重要です。
1. 脳卒中:突然、襲いかかる「血管の破裂・詰まり」
高血圧は脳の血管に大きな負担をかけ、血管が破れる「脳出血」や、血管が詰まる「脳梗塞」のリスクを大幅に高めます。脳卒中は突然発症し、命に関わるだけでなく、重い後遺症(麻痺、言語障害、認知機能障害など)を残し、寝たきりの原因となることも少なくありません。
島根県の資料によると、脳卒中発症者のうち約9割が高血圧や糖尿病などの基礎疾患を有しており、中でも高血圧が最も多く、発症者の7割が高血圧を基礎疾患として持っていることが報告されています 。これは、高血圧管理が脳卒中予防の最も直接的かつ効果的な手段であることを示す強力な根拠です。令和5年(2023年)の患者調査の概況では、脳血管疾患で治療を受けている患者数は合計188万4千人(脳梗塞131万2千人、脳出血20万2千人など)に上り、その数が前回調査より増加していることが示されています。さらに、厚生労働省の広報誌では、「年間およそ10万人が脳卒中で亡くなっています。日本人の死因の第4位で、寝たきりや介護が必要になる主な原因の一つです」と述べられており、脳卒中の致死率と、重篤な後遺症による社会的な影響の大きさが強調されています。これらの事実は、高血圧の放置が個人の生命と生活の質を脅かすだけでなく、社会全体の医療費や介護負担を増大させるという、極めて広範な社会的影響を持つことを示しています。
2. 心臓病:心臓への過剰な負担が招く危機
高血圧が続くと、心臓は常に高い圧力に逆らって血液を送り出すため、肥大し、機能が低下します。これにより、「心筋梗塞」や「心不全」などの心臓病のリスクが高まります。心筋梗塞は、心臓の筋肉に血液を送る冠動脈が詰まり、心臓の細胞が壊死する重篤な病気です。
令和2年(2020年)の患者調査の概況によると、急性心筋梗塞が7万5千人、陳旧性心筋梗塞が21万9千人など、虚血性心疾患で治療を受けている患者が多数存在することが示されています。沖縄県の資料では、救急搬送された心疾患患者の70.4%が高齢者(65歳以上)であり、救急搬送患者の初診時死亡確認の26%が心疾患患者であったと報告されています。これは、心疾患が特に高齢者において急性かつ致死的な結果をもたらしやすいことを示唆しています。令和5年(2023年)の患者調査の概況によると、心疾患で治療を受けている総患者数は358万1千人に上り、前回調査(令和2年)より5万3千人増加していることが示されています。心疾患による年間死亡者数も23万2,964人(令和4年)と報告されており、心臓病が依然として大きな健康課題であることを強調しています。心疾患の総患者数が増加傾向にあり、特に高齢者における救急搬送や死亡の割合が高いことは、高血圧が心臓に与える慢性的な負担が、特に高齢者において急性かつ致命的な心イベントに繋がりやすいことを示唆しています。したがって、高血圧管理は、単に慢性疾患を管理するだけでなく、高齢者の生命を直接脅かす急性心臓イベントを予防するための重要な手段であるという認識を深める必要があります。
3. 腎臓病:静かに進行する「透析のリスク」
高血圧は腎臓の小さな血管にもダメージを与え、腎臓の機能が徐々に低下する「慢性腎臓病(CKD)」を引き起こします。CKDが進行すると、体内の老廃物を排出できなくなり、最終的には人工透析が必要になることがあります。透析は週に数回、数時間にわたる治療が必要となり、生活に大きな制限がかかります。
日本透析医学会の統計によると、2022年末時点で慢性透析療法を受けている患者総数は347,474人であり、平均年齢は69.87歳です。透析導入患者の平均年齢は71.42歳と報告されており、高齢者における透析の現状を示しています。また、透析導入の原因疾患の第3位が腎硬化症(13.4%)であり、腎硬化症は高血圧が原因で起こる腎臓病です。2023年の新規透析導入患者数は38,764人で、国民362人に1人が透析患者に相当すると報告されており、透析が国民の健康に与える影響の大きさを強調しています。高血圧による腎硬化症が透析導入の主要な原因の一つであることは、高血圧の放置が、高齢者の生活の質を著しく低下させる「透析」という不可逆的な治療につながることを強く示唆しています。透析患者の平均年齢が70歳前後であることから、高血圧管理は、高齢期における自立した生活を維持し、医療依存度を低減するための重要な予防策であると言えます。
4. 認知症:脳の機能低下を加速させる「見えない敵」
近年の研究では、高血圧が「認知症」のリスクを高めることが明らかになっています。特に、脳の小さな血管がダメージを受けることで起こる「血管性認知症」は、高血圧との関連が強いとされています。高血圧によって脳の血管が傷つき、脳細胞への血流が悪くなったり、小さな出血を繰り返したりすることで、認知機能が徐々に低下していくのです。
福岡県の久山町研究では、中年期の高血圧の人は、正常な人と比べ2.4〜10.1倍も血管性認知症の発症リスクが高いという報告があります。これは、認知機能の低下につながる血管損傷が、自覚症状が現れるはるか以前から進行している可能性を示唆しており、高血圧管理が単に高齢期だけでなく、より若い段階からの予防策として重要であることを強調しています。英国の大規模コホート研究(約260万人)でも、血圧上昇が長期的に血管性認知症のリスクを高める関連が報告されています。久山町研究の詳細を伝える記事では、高血圧の人が脳血管性認知症になりやすいこと、そして運動や食事が認知症予防に効果的であることが示されています。高血圧は脳の微細な血管損傷を通じて認知機能に影響を与えるため、自覚症状がなくても「脳の老化」が進行している可能性があり、早期からの介入が将来の認知機能維持に不可欠であると言えます。

あなたの血圧は大丈夫?高齢者の高血圧の診断基準と目標値
ご自身の血圧が正常かどうか、そして治療が必要な場合にどの数値を目指すべきかを知ることは、高血圧管理の第一歩です。
高血圧の診断基準
高血圧の診断基準は、日本高血圧学会のガイドライン2019に基づき、診察室で測る血圧とご自宅で測る家庭血圧で異なります。特に家庭血圧は、日々の変動や白衣高血圧(診察室でのみ血圧が高くなる現象)の影響を受けにくいため、可能な限り確認することが推奨され、診断が異なる場合は家庭血圧の診断が優先されます。日本だけでなく世界的にも、高血圧の基準は診察室血圧140/90mmHg以上とされています。
診察室血圧が140/90 mmHg以上、家庭血圧が135/85 mmHg以上の場合は高血圧と診断されます。なお、高血圧の診断基準が2024年4月に変更になったという話が広がっていますが、これは誤りであり、診断基準は一切変わっていません。この誤情報は、国民健康保険組合(協会けんぽ)の受診勧奨メッセージ内容の変更が誤って解釈されたことによるものです。
家庭血圧の測定が推奨され、診察室血圧よりも優先されるという事実は、患者が自身の健康管理に主体的に関わる「ヘルスリテラシー」を高める上で極めて重要です。患者は自宅で日常的に自身の健康状態を把握し、治療の有効性を実感できます。2024年4月の診断基準変更に関する誤情報が存在することは、患者が不正確な情報に基づいて自己判断し、治療を中断するリスクを示唆しています。クリニックがこの誤情報を積極的に訂正し、正確な情報を提供することは、患者の信頼を築き、適切な医療行動を促す上で不可欠です。
診察室血圧(mmHg) | 家庭血圧(mmHg) |
140/90以上 | 135/85以上 |
出典:高血圧治療ガイドライン2019(日本高血圧学会)より作成
高齢者の降圧目標値
高血圧の治療目標値は、年齢や糖尿病、腎臓病などの合併症の有無によって異なります。一律の目標値ではなく、個々の患者さんの状態に合わせた「個別化された目標」が設定されます。
日本高血圧学会のガイドラインでは、75歳未満の前期高齢者では家庭血圧125/75mmHg未満、75歳以上の後期高齢者では家庭血圧135/85mmHg未満が目安とされています。また、日本老年医学会の「高齢者高血圧診療ガイドライン2017」では、65〜74歳は診察室血圧140/90mmHg未満、75歳以上は当初150/90mmHgを目標とし、忍容性があれば140/90mmHg未満を目指すとしています。糖尿病や蛋白尿のある慢性腎臓病(CKD)を合併している患者さんの降圧目標値は、年齢に関わらずより厳格に125/75mmHg未満とされています。これは、これらの合併症がある高血圧患者さんは、心筋梗塞や脳卒中などを発症するリスクが高いため、これらの疾患を予防するために厳格な目標値が設定されているためです。
高齢者の降圧目標値が年齢や合併症の有無によって細かく設定されていることは、単に血圧を下げるだけでなく、患者の全体的な健康状態や生活の質(QOL)を考慮した「個別化医療」の重要性を示しています。特に高齢者、虚弱な患者、認知機能障害のある患者では、過度な降圧が転倒リスクの上昇や認知機能の悪化につながる可能性も指摘されているため、治療の利益とリスクを慎重に比較検討する必要があります。このことから、患者が自身の目標値がなぜ異なるのかを理解し、医師と協力して最適な治療計画を進めることの意義が強調されます。
対象患者 | 家庭血圧降圧目標値(mmHg) |
若年、中年、前期高齢者(75歳未満) | 125/75未満 |
後期高齢者(75歳以上) | 135/85未満(目安) |
糖尿病患者 | 125/75未満 |
CKD患者(蛋白尿陽性) | 125/75未満(目安) |
脳血管障害患者・冠動脈疾患患者 | 125/75未満(目安) |
出典:高血圧治療ガイドライン2019(日本高血圧学会)より作成
今日からできること:高血圧と賢く向き合うために
高血圧は生活習慣と深く関わる病気ですが、適切な対策を講じることで、そのリスクを大幅に減らし、健康寿命を延ばすことが可能です。
1. 家庭血圧測定の習慣化
毎日決まった時間に家庭で血圧を測ることは、ご自身の血圧の状態を正確に把握し、治療の効果を確認するために非常に重要です。診察室での血圧だけでなく、ご自宅でのリラックスした状態での血圧こそが、本当の血圧を反映していることが多いからです 7。オムロンヘルスケアの調査では、「もっと早くから家庭での血圧測定を始めておけばよかった」と回答した人が4割に上ることが示されており、患者自身が家庭血圧測定の重要性を後になって認識している実態が浮き彫りになっています。この患者の後悔は、このコラムにとって強力な動機付けとなります。家庭血圧測定の推奨は、高血圧の「無症状性」という問題に直接対抗する手段であり、患者が日々の具体的なデータを通じて病気の「サイレント」な進行を認識し、自身の健康管理に主体的に関わることを促します。これは、単なる測定の推奨を超え、患者の将来の後悔を防ぐための「今できること」としての価値を強調しています。
2. 生活習慣の見直し
高血圧の管理には、薬物療法だけでなく、日々の生活習慣の改善が不可欠です。無理なく続けられる範囲で、以下の点を見直してみましょう。
食事:減塩とバランスの取れた食事塩分の摂りすぎは血圧を上げる大きな原因です。加工食品や外食を控え、出汁を効かせた和食などを取り入れ、薄味を心がけましょう。野菜、果物、魚などを積極的に摂り、バランスの取れた食事を意識してください。久山町研究では、大豆製品、野菜、海藻類、乳製品を多く摂取し、米(糖質)の摂取量が少ない食事パターンが認知症予防に良いと報告されており、高血圧だけでなく広範な健康効果が期待できます。
運動:無理のない範囲で継続的に適度な運動は血圧を下げる効果があります。ウォーキングや軽い体操など、ご自身の体力に合わせた運動を毎日少しずつでも続けることが大切です。運動は認知症予防にも効果的であり、発症リスクを38~45%低下させると報告されています。
体重管理:適正体重の維持肥満は高血圧のリスクを高めます。適正体重を維持することは、血圧管理だけでなく、他の生活習慣病予防にもつながります。
生活習慣の改善:節酒・禁煙過度な飲酒や喫煙は、血圧を上昇させ、動脈硬化を進行させる大きな要因です。できる限り控えるか、禁煙・節酒を心がけましょう。喫煙者が脳血管性認知症やアルツハイマー型認知症のリスクが高いことも示されています。
ストレス管理と睡眠:ストレス管理と十分な睡眠ストレスは血圧を一時的に上昇させることがあります。趣味やリラックスできる時間を作り、十分な睡眠をとることも大切です。
複数の資料で一貫して生活習慣の改善が強調されていることは、高血圧管理が単なる薬物療法だけでなく、包括的な健康アプローチであることを示しています。これらの生活習慣の改善が、高血圧だけでなく認知症のような他の主要疾患の予防にも繋がるという事実は、患者にとって強力な二次的な動機付けとなります。これは、患者が「病気を治療する」という視点から、「長期的な健康と自立に投資する」という視点へと意識を転換させることを促し、日々の生活の中で自身が取れる具体的な行動があるという主体性を育みます。
3. 定期的な受診と服薬継続の重要性
高血圧の治療は、医師と患者が二人三脚で取り組むことが成功の鍵です。自覚症状がなくても、自己判断で服薬を中断したり、受診を怠ったりすることは絶対に避けてください。第一生命健康保険組合の資料では、「通院を中断し、そのままにしていると、重症化や合併症の発症につながります」と警告し、「『忙しいから』、『体調が良いから』、『必要性を感じなかったから』、『医療費が経済的に負担であるから』といった理由で受診中断する人が多い」と、患者の治療中断理由を具体的に示しています。塩野義製薬の調査でも、高血圧患者の治療中断理由の1位が「通院などの時間的な負担が大きかった」(31.6%)であることが示されています。
また、薬読の記事では、「薬を飲む必要性を感じていない」「副作用が怖い」「服用する薬の数が多い」「薬の飲み方が難しい」「薬物治療に無関心」といった、服薬アドヒアランス低下の具体的な理由が詳細に挙げられています。これらの服薬アドヒアランス低下の具体的な理由は、患者が単に「薬を飲まない」のではなく、その背後に多様な心理的・現実的な障壁が存在することを示しています。このため、効果的な患者教育は、単に治療の重要性を説くだけでなく、これらの具体的な障壁を理解し、患者一人ひとりに寄り添った「支援」と丁寧なコミュニケーションを通じて、治療継続への具体的なサポートを提供する必要があることを意味します。
日本老年医学会のガイドラインでは、「降圧治療は高齢者においても非高齢者と同様に心血管病発症を抑制して生命予後を改善すると考えられる。よって、高齢者高血圧に対しても降圧が不十分であれば積極的に降圧薬治療を行うべきである」と、高齢者における降圧治療の有効性を強く支持しています。
くりた内科・内視鏡クリニックからのメッセージ
くりた内科・内視鏡クリニックでは、患者様一人ひとりのライフスタイルや健康状態に合わせた高血圧治療を提案しています。高齢者の高血圧診療の目的は「健康寿命の延伸」であり、当クリニックもこの目標を共有しています。患者教育において「指導よりも支援(サポーティブな雰囲気)」「できることに着目、明確・適切な目標設定」というアプローチが重要であると認識しており、患者様が安心して治療に臨めるよう努めています。
ご自身の血圧に不安がある方、健康診断で高血圧を指摘された方、あるいは以前治療を中断してしまった方も、どうぞお気軽にご相談ください。自己判断せずにかかりつけ医や薬剤師に相談することが重要であり、クリニックは患者にとって信頼できる情報源であり、相談先であるべきと考えています。高齢者の脳心血管病発症に高血圧が及ぼす影響は大きい一方で、高齢者は身体的、精神的、社会的背景が多様であるため、降圧療法の恩恵がすべての高齢者に同様にもたらされるわけではないことを理解し、個別化された医療の必要性を重視しています。私たちは、患者様の不安や疑問に寄り添い、必要に応じてご家族を含む周囲のサポートも巻き込みながら、個別化された「支援」を提供する体制を明確に打ち出し、皆様が健康で充実した毎日を送れるよう、全力でサポートさせていただきます。